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102. 紅い蛇
初めて赤い蛇を見たのは忘れもしない
粉雪が舞う寒さに震えたあの睦月の十四の冬
するりするりと音も立てず
地へと降りていくように
それはすぐれない躰に
降ろすことの出来ない十字架を背負わせた
蛇は這う、私の躰を
どれほどの辛さも心への変調をも
嘲るかのように
それはドラスティックに
私へと訪れた革命だった
それから幾歳月が経ち
今、心の底から私は想う
女に生まれてきて良かったと
いくつもの奇跡を経て巡り会えたあの人が
私の心も躰も愛してくれる
赤い蛇が這う女である私を




