第19章
あまり自分達の機体を見られたくないらしく、ノーションは機体全身を焦げ茶色の布ですっぽりと被せていた。
狙撃に使ったと思われる狙撃ライフルは背中に折りたたまれてマウントされている。
なんでも……目立ち過ぎる機体色だそうだ。
ここまでならばリオンも理解できる。高性能過ぎるMFや貴重なMFを無闇に見せびらかすと隙を突かれて盗難、なんてことも耳にするぐらいだ。
しかし、この金髪ポニーテールのお姉さんは周到なことに村近辺の岩陰に機体を隠し、後は徒歩で行くと言い出したのだ。
この炎天下を歩く。意外と肉体派な研究者達であった。
「いや、どんなけ隠したいんですか」
「言ったでしょ? 色が目立ち過ぎるの」
「じゃ、塗り替えればいいじゃないですか。発掘屋でペインティングサービスやってますよ」
「ば、馬鹿言わないで! 私の可愛い【アルテミス】に何させる気!? まだ純血の【アルテミス】が汗臭いオヤジ共にベッタベタのビクンビクンに犯されるなんて……耐えられないわ!!」
「アンタの発想に俺は耐えられねぇ……」
と機体を愛し過ぎた金髪美人と無毛なやり取りを繰り広げる。
そして、眼鏡をクイッと上げてノーションはセレネに提案する。
「あなた達のMF……【月花】も見た感じ珍しい機種っぽいのよね。しかも、こんな綺麗なカラーリング。きっと高く売れるわよ」
「な、月花はやらん! 売るなんてもってのほかだ!」
結婚を反対する親父のような勢いで蒼髪を乱すセレネ。頬を膨らませてプンプンと怒っている。
「セレネ……あなたがそう思ってもお金に困っている人達は売りたくなっちゃうの。それはもう、童貞男の群れに真裸の“美男子”をほうり込むぐらい危険なの!!」
「そ、それは危険過ぎる! リオン、月花も置いていこう! 全力で置いていこう!」
「なんで美男子なのかは聞きませんよ、聞きませんとも。心配しなくてもMFはロックもできるし、サウザンドなら魔力が扱えなきゃ動かせねぇって言われて……って聞いてるか?」
げんなりしながらリオンがセレネを諭すがまるで聞いていない。
セレネは完璧に変態思考の金髪女に洗脳されていた。
「ここに置いていけば【アルテミス】のメンテのついでに【月花】のも見てあげる……っていうか早く……見せて」
「おぉ……ノーションの甘ったるい声、物凄く卑猥に聞こえるぞ。リオンどうしよう?」
「うぅ~ん……あぁ~。ぁああ!!」
「リオンよ、一人で喘ぐでない! ワシも一緒に、むべぇ!!」
老人を踏み付けて頭を掻き毟るリオン。
ノーションはどうやら名の通った研究チームの一員、我流で副業がてらにやっている発掘屋とはわけが違う。全てが自己流の自分が見てきた月花は一度専門家に見てもらうべきだと思っていた。
しかし、しかしである。
この炎天下で空腹の中、村まで歩くのもそうだが、こんな岩陰に機体を置いていくなんて不安で仕方がない。目の届く場所にある方が安心なのは確かである。
そこでもう一度の“しかし”が過ぎる。
無料で専門家にメンテしてもらえるなど二度と無い機会だ。セレネが食料を食い散らかしたせいで、今後の経費も厳しい。
「……わかりました。村まで歩きます」
この後、完全に火が付いた美女と野獣……もとい美女と老獣は月花に張り付きメモを取りまくり、見事なまでにメンテナンスしてみせるのであった。
◇
そしてようやく村の食堂に到着し、約束の飯を頂いたリオンとセレネ。
プロに機体点検をしてもらった上に、飯まで奢ってもらったのだから、リオンは幸せの絶頂である。
しかし、一方で“あの機体はよくメンテされている”と意外な返答と今後のメンテに気を付けるべき場所とアドバイスを受けて一息。
「あのノーションさん。こんなにいっぱい食べたのに本当にタダでいいんですか?」
自分達が食したとは言え、手作り感満載の木製テーブルには端から端まで空いた皿が並んでいるのだ。
とてもじゃないが、支払いなどできない。
「えぇ。構わないわよ。珍しい機体を見せてもらったし……貴重な情報も手に入ったしね」
腹を擦り今夜の分まで食い溜めをしたリオン。
ふと財布の中身を一、二、三、四……え、コレ足りるの?、と首を傾げるノーション。
リオンはもはや聞こえないフリをするしかない。彼女は言った。構わない、と!
「セレネはよく食べる子じゃのぉ~。だから発育がえぇんじゃ―――んべぅ」
「セクハラって単語知ってるか? セクシャル・ハラスメントだよ? セクシャルなハラスメントなんだよ」
机の上で正座しながら野菜をむしゃむしゃ食べる、ちっさい老人をエルボーでごりごりする。
ド・エム老人は何故か喜んでいる。それは何故か、彼がドMに他ならないからだ。
「まぁ、お腹いっぱいになった所で、一つ聞きたいことがあるのだけどいいかしら?」
リオンは本題が来たと悟り、気持ちを切り換える為にもハイと返事をして身構える。
せめて三割負担ならば何とか、などとガメツイことを考える。
「そんなにカタクならないでいいわよ? まだお昼だし、ほら、子どももいるわ。夜にゆっくりしましょう」
「健全なお話をお願いします」
「チッ……」
「何で舌打ちするんですか!」
舌打ちするノーションが信じられずリオンは、隣りの席にいる少女に目をやる。
「うむぉうんむぅもぅ」
「だから、お前は食ってから口を開け! もぅもぅもう! 牛か!」
物が吹き出そうなのに、話そうとするセレネの口をロックする。
「聞きたいことってのは、あなた達はどこに行く途中だったかってこと。まさか、ここが目的地だったなんて言わないわよね?」
「俺達はサマルカンド、首都目指して旅してるんです」
「へぇ~首都ね。なんでまた」
「いや、それはえぇ……と」
魔女の情報を集めるため、と言っていいものか。下手に魔女関連の話をすえば妙に勘が鋭いノーションのことだ、セレネが魔女であることがバレる恐れもある。
言葉を濁していると咀嚼を終えたセレネが元気一杯に答える。
「子作りだ!!」
「う、嘘です! 何を言ってんだこのキテレツ娘は! コイツ記憶が……ぁ。あ~あぁ~あぁ~」
実に自信満々である。どこからこの自信が湧いてくるのか永遠の謎だ。
しかし、その勢いに釣られたか顔を真っ赤にして訂正するリオンは口を豪快に滑らせた。
それを金髪眼鏡美人は見逃さない。
「記憶が? 記憶がぁ~良い? いえ、記憶が凄い? うぅん……」
謎かけの答え合わせをするようにセレネの眼を見ながら、適当な言葉を繋げている。
「記憶が……無い?」
「正解!」
ビシッ!とノーションを指差すセレネ。本人が気にしていないなら別に構わないのだろうが。
魔女に関しての事は必ず死守してみせる。
「ちょっと! リオン席空けてくれる?」
「はい? なんでです?」
「トイレでもナンパでもいいから適当にどっか行って」
「んな横暴な!! 何か気に障ることしたなら謝りますよ、せめてわけを」
ヤレヤレと手を広げ、深呼吸を開始するノーション。軍服に隠された美乳がゆっくり上下し息を止める。
「キャー! もういい加減にしてください! 私達にもう関わらないでぇ!」
いきなり大声を上げ出す。リオンの手首を高々と上に持ち上げて。
これはあれである。いかにもタチの悪い輩に絡まれた“か弱い女性”が勇気を振り絞て誰かに助けを求めるサインだ。
客達の視線が黒髪の少年に集まる。
「な、なに言ってんですか! 俺は何もしてません! してませんからね!」
「うわー変質者だぁー。うわぁーリオンだ~」
棒読みでセレネが声を上げている。完全なるトドメの一撃。この時リオンは誓った。
いつか、やがていつか、この腐れ魔女の頭から生えている触覚みたいな髪の毛の束をアイアンクローで引き抜いてやると。
「おぅ、兄ちゃん! ここはなぁ、お客さんが楽しくお食事するとこなんだよ。空気読めねぇボケは裏でオレ様と楽しい調理実習といこうか」
「申し訳ありません。深く反省している所存ですぅ! 痛い! どうか摘み出さないで下さぁ~い! いやぁ~! 嫌だ~!! セレネ~!!」
「うん? 嬢ちゃん、この坊主は知り合いかい? 違うよな?」
店の裏から現れた、身がしまり過ぎて皮膚が破けそうな腕をした巨漢が、ギロリとセレネに言った。
“今すぐ悪党を退治してやる”とでも言いたげな鋭い眼。
「うわー変質者だぁー」
「お前! ぜってぇ後で泣かしてやるからなぁ!! 俺に何の恨みがぁあるぅ!!」
同じく棒読みで告げるセレネ。
リオンはいかにも悪党であったかのような悪態を付いて厨房へと連れて行かれた。いや、指で摘み上げられて行った。
『坊主、ナンパは余所でしてもらおうか? あぁん! どこ見てんだコラぁ、目みぃんかい!』
木材が壊れる音がする。相変わらず今日も平和だった。
「ナンパも何もしてないですよ! 本当です本当です! ただ、あの人達が勝手に叫び声上げていやぁぁぁ!! 死ぬ死ぬ、死にますよ! なにするんですか、包丁? いや、殺さないでぇ」
「まぁ、手貸せや。広げるんだよ、串刺しにされてぇのか?」
カッと鋭利な何かが突き刺さる音。それがカッカカッと何度も何度も高速で繰り返される。
『女性が叫び声上げてたらナンパだろぉうがぁ! わかったあれか、てめぇ痴漢か?』
「もう勘弁してください。指に刺さります! 手に刺さります! あぁ! 止めてぇ」
厨房で何が起きているのか客全員が見守る中、ノーションが口を開く。
「で、話を戻すけれど、記憶喪失ってのは本当かしら?」
ノーションはテーブルに目を戻し、セレネの口に付いたソースをナプキンで拭いてやる。
「まぁ、な。アイツに会うまでは自分が誰かもわからなかった。首都まで行けば私に関する情報があるかもしれないと思って、アイツが旅に連れ出してくれたんだ」
抵抗もせず素直に拭き取ってもらいながらセレネは続ける。
「アイツには沢山迷惑をかけた。だから、アイツにこれ以上迷惑はかけたくない。何が聞きたいんだ? 私たちのメタルフレームの動力についてか?」
「ッ!? 察しが……本当にいいようね。というより聞かれるのを待っていた、といった様子ね」
ノーションは眼鏡を掛け直しタバコに火を付ける。仕事に入る彼女なりの合図である。まさか、自分達が機体本体ではなく動力に興味を持っていることまで、見透かされるとは思っていなかったのだろう。
「MFは本当に面白くてね。あなたの機体みたいなサウザンドは、自然界にある魔力を機体内に取り込んでエネルギーに変えているのよ。そして、内部にある【セフィロト・ドライブ】によって全身に魔力が供給され、初めて動く。でも、魔力を供給し続けたらどうなるかしら?」
「破裂して……パイロット共々、吹き飛ぶのぉ」
ドクターMが机の上から答え、それに頷いてノーションは続ける。
「そうならないために、存在するのが【クリフォト・ドライブ】。余分な魔力を外に排出する大切な機関。魔科学兵器を使用するためにも必要な機関でもあり、大きな力を使用する機体には必ず大きな【クリフォト・ドライブ】が搭載されているわ。でも」
月花を点検していた時に書き込んでいたメモに軽く目を通し、眼鏡越しにセレネを睨む。
「どうしてあの機体には、エネルギーを放出する【クリフォト・ドライブ】しか搭載されていないのかしら」
「……わからん」
セレネが自分の太ももに視線を落として呟いた。
「いえ、あなた程の知識があればわかっているはずよ? セフィロト・ドライブ抜きで自然界からの魔力供給ができないのなら、どこから魔力が供給されているのか」
「……知らん」
「あなた! 惚けるのもいい加減にしなさい!」
ノーションがテーブルの水が零れる程の強さでテーブルを叩いて立ち上がった。さっきまでの女性の声ではなく、兵士を叱る教官のように。
店内が一瞬静まりかえる。
「ご、ごめんなさい。別に怒っているわけじゃないの。ただ、そのことを知ってて知らないフリをしないで欲しいの、リオンは……知らないでしょう? あの機体の動力源が何か」
「あいつはアホだからな」
ノーションが落ち着きを取り戻そうと再度、タバコを取り出す。何故セレネが笑っているのか見当もつかない。自分が死ぬかもしれない代物だと言われて何故笑える。
あんなものに乗れば命が幾つあっても足りない。
「はぁ、とにかくあの機体で旅をするのは止めなさい。あれは旅行には不向きの機体よ。もっと他にあるでしょ。あれ売って移動に特化したサウザンドかハンドレットを買いなさい。それで目的は果たせるでしょ?」
金髪の頭を掻きながらノーションは機体のパンフレットを差し出す。
「いや、月花も一緒じゃないと意味が無いんだ。あいつは、もう一人の私だ」
セレネは自身の身体に具現化した月花の感触を思い出すように白い手を握りしめる。
月花は自分の記憶の鍵の一つであると踏んでいるのだろう。月花が見せた蒼髪の少女は恐らくセレネ。黒く変色した無数の残骸を踏みつけていたのは月花だ。
そして、隣にいる人物は誰か。
全てを包み込もうとし、全てに弾き出された風浪からして、男。
その男はまだ生きているのか。それとも死んでしまったのか。いずれにせよ、記憶を取り戻す鍵の人物であることは間違いない。
「何言っているの! あんな燃費の悪い機体で、首都まで行けるわけないでしょう。ここからどんだけ掛かると思ってるの?」
「まぁまぁ、落ち着くんじゃ。普通の人間ではあの機体は動かせれん……普通の人間、ならばな。聞かれたくないことの一つや二つセレネにだってあるじゃろう。話はここまでじゃ。リオンもそろそろ戻ってきおるじゃろう」
テーブルの上を移動して優しげに微笑む老人。その顔に表裏はない。
「あぁ、気を使ってくれて助かる。ありがとう、じぃじぃ」
和かに笑うセレネだが、ノーションは危うい物を見るように視線を流した。
「一晩だけ待って。MFを扱う者としてあの機体をあのままにしておくことは見過ごせないわ。多少燃費をよくする道具ならあるから」
「あまり弄ってやってくれるな。あいつはそうゆうことされるのを嫌うんだ」
「大丈夫よ、ちょっとした魔石を置くだけだから。お守りだと思ってちょうだい」
魔石に魔力を込めるには時間がかかるらしく、準備のためにノーションはすぐさま店を出て行った。
「あいつは、いいやつだな」
誰に言うわけでもなく、走り去った女性の後を見つめてセレネが言う。
あやつも色々あったんじゃよ、と返し老人は目を瞑った。
◇
ノーションは宿へ走る。
宿屋の受付や客達もあまりの速さで部屋に駆け込むノーションを二度見するが、そんなことノーションには関係なかった。
「はぁ、はぁ、んがぁ。はぁ~私、何やってんだろ」
ベッドに跳び込み、大の字に寝転ぶ。面白そうな機体に釣られて、ちょっかいを出したことが悔やまれる。知らなければこんな面倒なことをしなくてよかったのだから。
それにあの少年少女はとにかく食べる。いくら新しいお客の依頼で財布が膨らんだとはいえ、今後の旅は厳しくなりそうだ。少年はともかく、少女の食事量が異常なのはMFの構成を見る限り仕方がないのかもしれない。
「はぁ~」
ますます関わるべきではなかったと思うノーション。
ふと彼の顔が見たくなった。胸にぶら下げているペンダントを引っ張りだす。
「あんたはいつも笑ってるわね……憎たらしいわ」
金色の装飾が施されたペンダントの中には、写真が入っていた。ここにあるべき写真は本来ならば二人のツーショットや彼の笑っている写真なのだが、集合写真である。
軍服を着てみんな歳以上に増せて見える集合写真で、一人だけ馬鹿みたいに笑っている少年がいた。彼だけ敬礼も逆だ。
これは世界に一つしかない失敗作の写真。軍校の隣にある研究室へたまたま通りかかった少女が、たまたま貰った集合写真。帝国の技術で縮小しペンダントに納まる程の大きさになったが、何故そこまでしたのか今は思い出すだけでも恥ずかしい。
恐らく戦地で想像を絶する経験をしてきたのだろう。彼は年に一回の集合写真を取る度に、笑わなくなっていった。元々、軍の集合写真で笑う人間なんていない。でも、彼だけはずっと笑っていて欲しかった。
「あんたに似ている変な子、見つけたわよ」
今朝、出会った黒髪の少年を思い浮かべて笑う。荒野の真ん中で「朝食カムバック!」と叫ぶ様は実に滑稽だった。
彼も軍に入らなかったらあのような少年のままでいられただろうに、何故、軍なんかに入隊したのだろうか。正義の味方に憧れたなんていつまでも堂々と言い張るものだから、散々馬鹿にすることができたが、それが彼の本心だったのだろうか。
何故、男は正義の味方だの、英雄だの目立ちたがるのかノーションは、その時から理解できなかった。
(夢ばっかり見てないで、たまには女を見ろってのよ!)
ボスッと枕に細い腕を叩きつける。
「あぁ! こんなことしている場合じゃないのよ! 魔石を準備しなくちゃ……はぁ、本当に何やってんのよ私は」
パチンとペンダントの写真を閉じ、魔石の準備に取り掛かる。メタルフレームの【クリフォト・ドライブ】。この機関は彼女にとって思い出の機関。
いや、自分の作った薬が【クリフォト・ドライブ】に関わっているだけで、彼女が望んで作った思い出ではない。
【クリフォト・ドライブ】がなければ、ドクターMが言っていたようにメタルフレームは破裂する。あれらは二つで一つなのだ。どちらが欠けてもいけない、愛し合う男女の様な関係である。
ノーションが作った薬は、パイロットの魔力で人為的にクリフォト・ドライブをこじ開け、大量の魔力を流し込むものだった。
魔力とは生命力と同意である。自分の寿命に害が無い程度の放出は日常でも行われているし、休息すれば回復もする。
しかし、ノーションは限界を超える薬を作ってしまった。
パイロットの魔力が吸いつくされ、戦闘後にミイラのようになる恐ろしい薬。戦後、前頭葉にダメージが残り、自発的意識のなくなる奴隷人間を量産する
屍の薬と呼ばれる悪魔の薬を。
そして、その薬が写真の彼をただ戦うだけの……血肉を追い求めるゾンビへと変えたのだ。
写真にの彼はもう笑えない。
「あんたのためにも……あの子らを利用させてもらうわ」




