75 悪魔を狩る者③【挿絵有】
七十五話 悪魔を狩る者③
『ねね、お兄さんがこの辺の霊を始末したの? あと、数は少ないけど悪魔もいたと思うんだぁー。 そいつらもお兄さんが?』
背中から悪魔のそれと同じ……蝙蝠の羽を生やした青い長髪の少女が、宙に浮いたままオレに顔を近づけてくる。
美人な見た目のせいで邪悪さとかは感じないものの、おそらくは悪魔の仲間。
オレに報復しようとしているのだろう。
「えっと……なんのことでしょう」
シラを切ってみるも、悪魔っ子(仮)には全てお見通しなのか『なーに言ってんのー? そんなので私を騙せると思ってるわけー?』と明るく笑いながらオレの脳天に軽いチョップを入れてくる。
「いたっ」
え、今……触れた!? なんで!?
悪魔とはいえ、結局は霊と同じで実体のないもの。
強い恨みや想念を抱いている強力な悪霊や死霊以外は、基本的に生者に触れることなんて出来ないはずなのに、どうして。
一体どういう理屈、どんな秘術を使ったのだろうか。
「ちょっ……え、待って……。 なんで?」
触れられたことでオレの中の恐怖は一気に増大していく。
だってそうだろう? 触れられるってことは、あいつが後ろに持っている大鎌をオレに振るったと考えたら……。
ああ、ああああああ!!!!
これはヤバいぞ、先日の死霊並み……いや、それ以上に危険だああああああああ!!!!
オレは悪魔っ子(仮)の持つ大鎌に視線を集中させながら、この状況をどうやったら打破出来るかを必死に考える。
あいつは教会の悪魔と違って流暢に会話が出来るみたいだし、一旦会話で相手を油断させ、トイレに行くそぶりを見せてそこで待たせて……その間に愛ちゃんとマリアに霊が視えないフリをしながら家に帰るようメールを送って、全速力で逃げるしかない。
「あ、あのさ。 さっきのキミからの質問の答えだけど……」
『うんうん!!』
早速会話ラリーを試してみると、悪魔っ子(仮)は面白いように話に食いついてきて、大きく頷きながら更に顔を近づけてくる。
あれ、そういやなんで同族を倒されたのに怒りの感情が出てないんだ?
オレは疑問に感じながらも作戦を続行。
「それよりも先に、ちょっとトイレに行きたいんだけど」と早速立ち上がりトイレへと向かおうとしたのだが……まさか、今来るか。
「良樹、お待たせ」
「お兄ちゃん、ただいまー」
「なっ!!」
なんだか死霊と対峙中に現れた石井さん然り、絶対に来てほしくないってタイミングでどうして来てしまうんだろう。
悪魔祓いを終えたマリアが、愛ちゃんとともに達成感に満ち溢れた顔でこちらに向かってくる。
『んー? あの子たち、お兄さんの知り合いなのー?』
「ちょまっ……!!」
悪魔っ子(仮)が愛ちゃんたちの声に反応して後ろを振り返る。
そしていち早く悪魔っ子(仮)に気づいたマリアは愛ちゃんの手を引っ張りその場でブレーキ。 手を前にかざし、悪魔っ子(仮)の足下に巨大な白い円を展開させた。
「よ、良樹!」
「お、おおおおおう!」
マリアのアイコンタクトを理解したオレはダッシュでマリアのもとへと駆け寄る。
「霊力、送ればいいんだな!?」
「お願い」
オレがマリアの背中から霊力を注ぎ込むと、それに比例して悪魔っ子(仮)の足下に光る円もそれだけ巨大化。 目を開けているのも難しいほどの光が悪魔っ子(仮)を包み込んでいく。
『あれ、なにこれなにこれー! 眩しいよおおお!!』
真っ白な光の中から悪魔っ子(仮)の驚き焦っている声が聞こえてくる。
「良樹、あの羽……悪魔? マリア、あってる?」
「多分な。 オレの強制除霊が効かなかったってことはおそらくその通りだ。 ついでに言うと、強制除霊をした時にオレに呪詛返しがなかった……だからアイツは霊を取り込んでいない、ただの純粋な悪魔だ。 マリア、お前の力で消しとばしてくれ」
「分かった」
マリアは更に力を込めて悪魔祓いを施行。
マリアの表情から見るに、今の力はマリアのフルパワーのはずだ。 それを証明するかの如く、光に触れた……未だ残っていた低級霊たちが次々と断末魔のような叫びを上げながら姿を消していく。
しかし何故だろう。 そんな破壊力抜群の光の中から、悪魔っ子(仮)はひょこりと顔を出してきたのだ。
「なっ!」
「うそ、マリアの、あの光の中で、動けるわけが……」
『ねね、これってめっちゃ眩しいし温かいんだけど、なに? 美白効果とかあるわけ?』
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やはり新キャラは、初めて描くときよりも、2回目、3回目と書いていくうちに慣れていきますね!笑笑




