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32 朝からハプニング祭り!!


 三十二話  朝からハプニング祭り!!



 昨夜は石井さんの手伝いもあり、更には一緒に宿題もしたことで想定よりも早く寝ることが出来たオレ。

 石井さんにはオレの部屋で寝てもらい、代わりにオレはリビングのソファーで寝ていたのだが……朝、オレの鼻が察知したのは甘い香り。 それと同時に愛ちゃんやマリアではない声を耳が捉えた。



 ーー……ん、なんだ? てか誰だ?

 目覚ましは鳴ってないから、まだ誰も起きてないと思うのだが。



「ーー……くん、朝だよ」


「んーー?」



 ゆっくりと体を起こしながら重たいまぶたを開けると、狭い視界に映ったのは小学生のものとは思えない……いい意味で肉つきのいいエロい素足。



「あれ……こんなエロ……脚、いたっけ」


「エr……!? ちょ、ちょっと、……くん!?」


「ーー……んあ? 誰だー?」



 この透き通った脚からして、女の子だということは間違いない。

 

 だけど、このエロさは……


 もしかしてオレはまだ、夢を見ているのだろうか。



 寝ぼけたまま素足を眺めていると、目の前のエロい脚の持ち主が「ーー……くん、起きた?」とオレの頬をペシペシと叩いてくる。



 この頬に伝わる手の感触……やはり大きさからして愛ちゃんやマリアではない。

 となれば、本当に誰なのか。


 オレはしばらくの間考えていたのだが、ここでとある一人を忘れていたことに気がついた。



 ーー……御白みしろだ。 あのメスガキ神のことをすっかり忘れてたぜ。



 御白は神様なんだ、オレの夢にでも入り込んでイタズラとかして遊んでいるのだろう。

 構って欲しいからって背丈まで変えて……普通そこまでするか? かわいい奴め。


 仕方がないのでオレは御白のイタズラに付き合ってあげることに。

 夢の中なら触れるだろうと謎の確信をしたオレは、逆に御白を驚かすべくノーモーションで飛びかかる。 これで御白がビックリして泣いてしまったら今後のネタにしてやろう、そう思っていたのだが……



「みーしろーー」



「きゃんっ」



「え」



 ポヨヨンという、なんとも尊い弾力がオレの顔面を包み込み、何が起こったのか分からなかったオレは動作を一旦停止。 

 謎の感触から離れてゆっくりと顔を上げて確認すると、オレの瞳に映ったのは顔を真っ赤にした石井さん。

 石井さんが両手で胸元を押さえながら、大きく目を見開いてオレを凝視していた。



「か、加藤……くん」


「んえ? なんで石井さんが……、ッハ!!!!」



 ここでオレの昨日の記憶が一気に蘇る。



 そうだ、昨日石井さんに家事を手伝ってもらって……それで泊まってたんだ。

 ということはさっきオレの顔面を包み込んだ柔らかいものって……


 オレは呼吸を荒げながら、その視線を石井さんが現在両手で隠している豊満な胸へ。



 そこに……そこにオレは突っ込んだのかあああああああああ!!!!



 運のいいことに愛ちゃんとマリアはまだ起きていない様子。

 どうやら石井さんはオレの代わりに朝食も作ろうとしてくれていたらしく、オレは何事もなかったかのように石井さんと二人で朝食を作りにキッチンへと向かった。



「あ、あのさ加藤くん。 別に加藤くんはやらなくていいんだよ? ただ朝食を作る許可だけ貰いたかっただけだから」


「え、そうなの?」


「うん。 それに……その、それ。 近くでそうなってたら流石に見ちゃうから、治めてきて欲しいかな」


「それ? ーー……ア」



 視線の先には、とある生理現象。

 石井さんは恥ずかしそうに「なんていうか……ごめんね、泊まらせてもらってるのに」と笑ってくれていたのだが、オレは逆にその言葉に興奮。

「いえ、オレの方がスミマセン」と言いながらも、まだ寝ぼけているという名目上で隠さず見せつけていたのだった。



 ◆◇



 朝の準備を済ませ、愛ちゃん、マリア、石井さんを入れた四人で朝食をとっていると、愛ちゃんが何かを思い出したのか、「そうだお兄ちゃん、あのね」と足元に置いてあったランドセルを太ももの上に乗せ、何かを漁り始める。



「ん、どうしたの?」


「昨日も一昨日も、お兄ちゃん忙しそうだったから渡すのやめてたんだけど……」



 そう言いながら愛ちゃんは一枚のプリントを取り出したのだが、マリアがそれを制止。 「愛、これはもうお楽しみにするべき」となんとも悪戯な笑みを浮かべた。



「マリアちゃん……え、お楽しみ?」


「そう。 きっと知らない方がビックリして楽しいはず」


「そっか、それもそうだね!」



 んんん?

 一体二人はなにを話してるんだ?



 気になり内容を聞いてみても、マリアの提案を受け入れた愛ちゃんは「えへへー、内緒」と教えてくれず。

 石井さんはそんな二人を楽しそうに見つめながら、「もしかしてあのことかな?」と呟いていた。



「え、石井さん……何か知ってるの?」


「うん。 私、旧校舎の件を先生が話してる時は確かに聞いてなかったけど、多分その時にもう一つ言ってたの。 そこは偶然にも聞いてたんだ」


「そうなの!?」


「まぁでも言わないけどね。 愛ちゃんもマリアちゃんも、内緒にしてほしそうだし」


「ええええ」



 この石井さんの発言が愛ちゃんとマリアの心を更に掴み、「ゆづきちゃんありがとー!」やら「さすがゆづき、分かってる」などと賛辞さんじの言葉が送られていた。



「結局なんのことなんだ?」



 この時のオレはまだ知らない。

 数時間後、まさかあんなことになるなんて。

 

 

お読みいただきましてありがとうございます!!


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