表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法人  作者: ケシゴム
一章
25/69

想像力

「……で結局、金の出処は分からないままって事か?」

「あぁ。やはり俺も鎌田が怪しいと思う」


 友子の自宅が見える位置に車を停めると、早速霧崎は鎌田の家に最近大きな荷物が運び込まれた事や、大量のショーケースやフィギュアが鎌田名義で購入されていた事を伝えた。


「でもそれ、あの姉ちゃんに借りたんじゃないのか?」

「百八十万もか? それに鎌田はアメリカに渡航しているんだぞ? 総額でいくら行くか分からないんだぞ?」


 坂口からの情報では、鎌田は最近銀行口座を開設しており、そこに百八十万円振り込まれていた。だが別の口座から移した形跡も借金をした記録もなかった。そして振り込まれた金は、ショーケースやフィギュアなどの玩具の購入に使われており、それ以降全く手が付けられた跡が残っていなかった。


「恐らくその金は今まで奪った金だ。鎌田は恐らくその金を使って買ったんだ! 恐らく鎌田は残った金でアメリカに逃亡したに違いない!」

「恐らくだらけじゃねぇか。ほぼ黒だよ!」

「じゃあやっぱり鎌田が犯人なのか⁉」

「知らねぇよ! それは坂口さんに聞け!」


 突然現れた鎌田の不明の大金は、これまで起きた強盗と辻褄があった。だがわざわざそれを知らせるような不自然な金の動きは、優樹としては納得がいかなかった。


「でももしかしたらへそくりだったのかもしれないぞ?」

「へそくり? 百八十万もか?」

「だってそうじゃん。折角インビジブルで透明になれるのに、なんでわざわざ調べられれば直ぐ疑われるような事する必要あるんだよ?」

「大金が手に入って、衝動が抑えられなかったんだろう」

「なるほど! だから良いやつは持ってアメリカ行ったから、一軍はなかったわけか……ってバカ!」


 霧崎の理屈は分からないわけではないが、知性を感じさせた犯人像とはかけ離れた幼稚な考えに、優樹は思わずノリツッコミしてしまった。


「良く考えてみろよ? 今まで俺たちが見つけたパチンコ屋の店員と、ゴミ収集車の運転手だろ、あと今日見つけた土木会社の作業員くらいしかインビジブルを使った遺体を発見できてないんだぞ? それ以外はまだ発見できないくらい完璧に隠してんだぞ? そんな犯人が訳分かんねぇ理由で自分に疑い掛かるような事すると思うか?」

「それは坂口さんと藤原さんが、鎌田だけ失踪する理由も犯人に狙われる理由も無い事に気付いたからこそ、ここまでたどり着いたんだろう? 鎌田だってまさか気付かれるとは思っていなかったんだろう」


 鎌田には突然失踪するような、仕事上でも私生活でもストレスを抱えていたような兆候もなく、悪評も黒い繋がりも全くなかった。そして筋肉質の立派な体格と、幼いころから姉の友子と共に様々な格闘技を嗜んでいた経歴から、痕跡も残さず別の事件に巻き込まれる可能性も低かった。

 そこから優樹は、鎌田は自制心をコントロールできるだけの器量があり、またボランティア活動などからかなり気遣いのできる人物だと思っていた。

 

 そんな鎌田があまりにも幼稚な行動を取るには説明がつかず、もし鎌田が犯人であっても第二の犯人であり、何かしらの理由で一度だけ殺人とまでは行かない罪を犯し、その重さに耐えかねて逃亡したと考えていた。


「いや、それはそうかも知んねぇけどさ、ゴミ収集車と今日の土木作業員が分かんねぇんだよ?」

「どう言う意味だ?」

「多分パチンコ屋のやつは実験的なもんだったと思うんだよ」

「実験?」

「あぁ。インビジブルがどれだけ警察に通用するかっていう」

「まさか? ただ単に二人も移動させられないから近場に捨てたんだろう?」

「まぁそれはありかもしんねぇけどさ、それだったらゴミ収集車のやつと今日のやつは説明が付かねぇだろ? なんでわざわざインビジブル使ってまで見せしめみたいな形にしたんだよ?」


 優樹が一番引っ掛かっていたのがそこだった。今まで犯人は、殺人の最大の肝である死体を隠す術を、インビジブルを利用する事でクリアしていた。そのため殺害方法や遺棄方法に無駄な時間を割く必要がなく、最悪凶器さえ残さなければ他の痕跡を残しても圧倒的優位を保てていた。それがこの二件に関しては手間を掛けて残虐さを演出し、さらにインビジブルを使う事によって逆にリスクを高めていた。

 それが優樹には別人にしか感じさせなかった。


「そんな物、段々慣れてきて、気が大きくなって来たんだろう?」

「なら鎌田は関係ないだろ? 気が大きくなってんならなんでアメリカ行くんだよ? それに今日のは鎌田関係ないだろ?」

「だから姉の友子に共犯の疑いが掛かっているんだろう?」

「いや……まぁそうだけど……」


 霧崎の言葉を聞いて、優樹は自分の言っていることが的を外れていたことを思い出した。友子が共犯なら、今日の事件も残虐さも、敢えて鎌田と違う手口を使うことによってカモフラージュできる。


「でもよ。ならなんで鎌田はアメリカなんて行ったんだと思う?」

「それは分からん。多分アメリカ大統領でも狙いに行ったんじゃないのか?」

「…………」

「…………」

「ハハハ」

「ハハハ」

「戦争になるわ!」


 霧崎は冗談で言ったつもりだったが、言った本人でさえ笑えない冗談だと気付き、二人で愛想笑いをした。


「まぁ鎌田が犯人にしても、気になるのはそこだな。何か目的があってアメリカに渡ったのか、もしくは罪の意識に苛まれて逃げたのか、どちらにしても坂口さんたちはマークしている」

「目的か……銃とか?」


 優樹がそう言うと、今度は二人ともが真顔になった。


「お、おい……ど、ど、ど、どうする新垣!」

「さ、坂口さんに電話しろ!」

「あ、ああ! い、今掛ける!」

「早くしろ!」


 その後、優樹が零した根も葉も無いいい加減な一言だったが、霧崎が電話を掛けると坂口は無下にはせず、鎌田が帰国した際には必ず事情聴取をすることを約束してくれたことで、優樹たちは安堵した。

 本日、遊戯王ラッシュデュエルの新パックが発売されました。そしてなんとレジェンドカードを二枚も手に入れました。コンプリートを目指す私としてはダブるくらいなら違うカードが欲しかったです。もうほんと、サイコショッカーはそんなにいらないよ! ラッシュレアくれよ! という感じです。

 みんな! デュエルしようぜ!


 というわけで、最近全然小説に身が入っていないケシゴムでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ