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シンデレラ(グリムバージョン)

 グリムといえば、残酷な内容で有名ですが、勿論『シンデレラ』もご存知の通りこの例に漏れません。

 今回はなんと! 本がございます。えーと、『初版グリム童話集』です。


 ……初版本には価値がありますが、単にそれを訳したものという微妙な代物です。改稿したものの方が普通は優れていますよね。改悪もありますけれど。

 この本は成長してから購入したもので、幼少の頃は子供向けのものを読んでいました。主に弟グリムさんが結構書き直したりしているそうなので、幼少時に読んだものとは細いところが違っているかもしれませんが、これを読んだ『あの時』よりも更に『大人』になっているのでセーフです!


 で、早速開いてみますと——え? 貴族じゃない? 金持ちの娘???

 死ぬ間際の母親に「墓の上に木を植えなさい」と言われ、その通りにした木に水をやる必要がない? 涙で十分?? それ塩分で枯れね???


 嫌な予感が致します。本文が、どこまでも長くなる……そんな予感です。


 サクサク気楽に進めたい私には、天敵のような題材であるようです。シンデレラは、マーシャ・ブラウンという方も書いていて、かる〜く読み流した感じでは、後発だけに話も纏まっていて、ご本人の挿絵も素敵な本だったように思います。




 あっちの方が………………。




 現実逃避をしてしまいました。申し訳ございません。


 さて、お墓に植えた木ですが、揺すると望みのものが落ちてきます。母親もシンデレラにそう説明しています。


 うん、うん。「お前は何者だ」まさにその通り。母親は仙女よりも謎が多いです。しかも助けも送れちゃうそうですよ、ワーオ。


 どう考えても人間ではありません。ここから連想されるのは天使が妥当ではないでしょうか。

 以前に、天使は人間につおおおおおおおおおお!! ナシナシ! 無しですよ。宗教は否定しませんが、面倒のタネですよ。

 政治と宗教の話は避けるというのがマナーらしいですからね。これを聞いたとき、「残るは天気の話だけだな」と思った私は若干コミュ障です。


 また話が逸れてしまいました。


 天使だか魔女だかよく分からない人外の母親を持つシンデレラですが、金持ちの父親の存在感がこちらも皆無です。実の娘が虐げられていても放置しているようです。ただ、一行目に気になる描写がありました。


 ——男は妻と幸せに暮らしていました。二人には娘が一人ありました。——


 おっふう

 なんと、シンデレラは最初から数に入ってなかったのです。そりゃ母親は心配して、死後の手助けを考えたはずです。父親は初めから娘に興味は無かったのです。


 苦難の多い彼女には是非幸せになって欲しいと思います。


 その予定であるのは知っていますが、現在の大人目線で読んだ結果、どのような結末を迎えるのか油断はできません。





 不安は的中致しました。


 間を大幅にすっ飛ばしまして、場面を三夜目へと移したいと思います。

 ちなみに一夜目は姉達のみの参加で、二夜目はシンデレラも銀のドレスに銀の靴を履いて参加しました。


 そして金と宝石のドレスに金の靴で最終日を迎えるのですが、王子は逃げられないように階段にタールを塗って迎え撃ちます。それを金の靴を犠牲に逃げ切るシンデレラ。

 王子の性格の悪さと詰めの甘さが滲むエピソードですね!


 いよいよ靴を片手に犯人(?)探しです。シンデレラの靴はとても小さく、誰も履けません。姉達はどうやら小さい足をしていたようで、自分達ならイケる! と考えます。しかしそれぞれ踵と爪先が入らず、母親のアドバイスを受け、足を削ぐ訳ですが…………。気になるところは多々ありますが、もっと気になる点が待ち受けているのです。


 フットワークの軽い王子は、直接出向いていたようで、姉の足が靴におさまっているのを見て、彼女を城へと連れ帰ります。しかし門で鳩に靴に血が溜まっている事を告げられ、引き返します。

 そしてもう一度同じ事を繰り返すのです。


 気付かないにも程が有ると思いませんか。


 シンデレラの靴が合うのを見たあと、王子は流石に学習したのでしょう。ここでしっかり顔を見て、探していた人物であることに気づくのです。


 やはりこの王子も変態でした。女の価値は見てくれではなく足の小ささだ! という主張が聞こえてくるようです。昔の中国に生まれるべきでした。

 小さな足に魅力を感じるのは良いのですが、皆が認める美貌を目の前にして足しか見ないって……。


 乙女ゲーム系に出てくる『婚約破棄王子』並みの残念さです。いえ、それ以上と言っても良いでしょう。


 こんな王子と結婚して、果たして彼女は幸せになれたのでしょうか。


 物語では、その後には一言も触れられておりませんでした。






意外と短く済みました。


千匹皮も忘れられない話です。王様が自分の娘と結婚しようとするのですが、「そりゃねえべ」とお姫様は逃げ出します。娘の心情は描かれていないのですが、城の下働きとして辛い生活を送り、多分耐えられなくなったのでしょう。王様の前にちょこちょこと顔を出して、最終的には結婚するんですよね。


うん。グリム童話エグい。


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― 新着の感想 ―
[一言] ごめんなさい シンデレラのガラスの靴というと 昔、 ガラスはなくて毛皮の靴の誤訳だよ というお話を聞いていて (女性の…という 出血したら違ったわとか) ああ、恐ろしきは時の権力者のやり…
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