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進化する手帳

コツコツとブックマークが増えて嬉しい限りですーー( ;꒳; )


(本当に凄いなぁ……ハーフエルフの私にもこんなに普通に接してくれて……)


――ダンジョン四階層第五エリア


 食料調達班であるミルクは、前を歩くナナミとルカの背中を見ながらそんなことを考えていた。

 等間隔に設置された魔石光(マジックライト)が各々の顔を照らす中、ルカは辺りを警戒しながらどんどん足を進めていく。


「そういえばミルクさん、あなたは何のために冒険者になったのですか?」

「え?」


 後ろを歩くミルクに振り返らず質問したルカは、単なる興味ですと笑う。

 それでも何か秘められた質問なのかと、グルグルと頭を回転させながらミルクは質問の意図を模索しようとするが、結局何も掴めないまま本音をこぼした。


「……守りたいから、ですかね」

「守りたい……と?」

「はい……強くなって大切な人を守るため……ですかね?」


 そんなミルクの正直な理由に、なるほどと頷いたルカは、あなたは綺麗な人ですねと再び笑った。

 その大人びた声と可憐な顔立ちにドキッとしながらも、大したことありません……とミルクは首を横に振る。


「あ! ちなみに私は派手だからだよ! ミルクの弓も派手でいいよね! でも私の――」

「ナナミ……。あなたのそのセリフ何億回と聞きました……それに、結局私の杖が1番派手って言うんでしょ……?」

「その通り! 私の杖は世界で1番派手!」


 黙って聞いていたナナミが痺れを切らしたのか、赤い杖を輝かせながらルカとミルクの間に入り、あーだこーだと騒ぎ立てる。

 そんなナナミに、いいですねと笑ったミルクは、表情とは裏腹に心の中をザワつかせていた――


(なんで…………まだ見せてない筈だけど…………)


 今もルカとキャーキャーするナナミを疑問の目で見ながらも、気のせいかとミルクは目を逸らした――



~~~~~~~~~~~~~~~~~



「それで……リクは人を殺したこと……あるの?」

「いやそんなもんねぇよ……てかそんな物騒な質問すんなっ!」


 安地(セーフティエリア)で休息を取るリクは、永遠にリンから意味の分からない質問を食らっていた――

 

「ふぅん。じゃあリク……彼女いたこと無いでしょ……」

「うっせぇな! そんなもん産まれた時からいねぇわ!!」

「大声で言える事じゃない……恥ずかしい事言ってるのも分からないの? ……可哀想」

「…………」


 泣いていい?


 それがリクの素直な言葉だった……。今も尚哀れな目でずっと見てくるリンにきえええっ! と目を釣りあげたあと背中を向けたリクは、もういい! と手に持っている手帳を見入る。


「あ、そうだ……その手帳……!」

「ん?」


 急に立ち上がったリンは、興味深そうにリクの隣に座り手帳を覗き込む。


(近いっ! ちかちかちかちかちかちかちかちかちかちかちか……っ!)


 あわわわ! と、口と目と鼻と耳と毛穴を広げるリクはほぼゼロ距離のリンを横目で見ながら硬直する。


「ねぇ……白紙だけど……」

「え?」


 緊張しすぎて一文字しか話せなくなったリクは、意味の分からない事を言うリンに手帳を見やすいように近づける。


「いやほら、ここに魔法が……」

「なんも……書いてないけど……」

「え?」


 キョトンとするリンを見たリクは、これ……俺にしか見えないのか……? と手帳に書かれた魔法を見ながらうーんと考える。


(つまりこれは俺限定のアイテムで……そして……)


 最初に見た時、最後の欄に書かれていた魔法アウトバーン。


 それに続く新たな魔法(・・)



 これは進化する手帳と言うべきなのだろうか――



 二ページ目までいつの間にか増えた魔法を唸りながら見たリクは、とりあえず、脱出するまでに少しでも覚えるしかねぇ……と、固く拳を握った――


 




「つまんない……」



 リクのそばを離れたリンが、暗い顔でそんな事を呟いているとも知らずに――



 


 

お読み下さりありがとうございますっ!!( ̄^ ̄ゞ

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