ガーデンミルク
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「うっうん。ではここに! 即席パーティ、ガーデンミルクを結成致しますっ!」
「そのパーティ名に俺の要素一切入って無いんだけど大丈夫そ?」
「「ひゅーひゅー!」」
「ひゅーひゅーじゃねぇから!」
「私は好きだよガーデンミルク!」
「俺の話聞いてなかったろお前……」
ダンジョン四階層第四エリア――
広間のど真ん中で円を描くように座る俺達は、茶髪の女の子、ルカの言葉に各々のリアクションを取っていた。
「じゃあ最初の提案通りチームリクにする? 私は凄いダサいと思うんだけど」
「うん……ダサい……私だったらそんなチームさっさと抜ける……」
「おいこら。さりげなくお前、俺の名前ディスってんだろ、その青髪に赤ペンキ塗って紫色にしてやろうか」
隣に座るのは杖を大事そうに抱える青髪のリン。コイツは最初からそうだが俺に対する当たりがやけに強い……。
「大丈夫だよリク! 私はかっこいいと思うよその名前! なんか微生物みたい!」
「てめぇぶっ殺すぞ」
そして正面に座るのは、ピンク色の三つ編みがトレードマークのナナミ。
明るい半面、いちいち内容がう○こなコイツは、クラスで一番女子から嫌われそうだ。
「はぁ……もういいよガーデンミルクで……」
「はい決定ね! ガァァァデンミルクッッッ!」
もう何でもええわとため息をつく俺とは裏腹に、死ぬほど嬉しそうな笑顔を見せるルカは、ガーデンミルク、ガーデンミルク♪とウキウキしながら正座を正す。
あ、ちなみになんだが、このルカが率いるガールズパーティ、【ガーデンインフィニット】は、めちゃめちゃ街で有名な冒険者らしい……。
勿論なんも知らない俺は誰だあんたらって感じだったけど、会えて光栄過ぎる! と目を輝かせるミルクの対応でほほーん。って感じになった。
だけどさ!?
ルカは百歩譲ってまだマシとして、クソ生意気なリンにバカなナナミだぜ? そいつらが有名人とか……信じられんだろ……。
「なぁミルク……本当にコイツらすごいのかぁ? もうあほんだら集団に見えてきたんだけど……」
わちゃわちゃしてる三人を差し置き、右側に座るミルクに耳打ちをした俺はため息混じりに質問をする。
「ちょちょちょ、止めてよ! 本当に凄いんだからね! 街に突如現れたスカルドラゴンを倒して街の人全員救ったり、ダンジョンで起きたイレギュラーも素早く対応する凄い人達なんだから!」
「――っ! まじすっか先輩、それはさすがにぱねぇっす!」
まぁ正直よく分からんが凄いのは分かったぜ!
声大きすぎ! と慌てるミルクを無視しながら、俺は揉め合う三人をぼーっと見つめる。
アイツらが本物の冒険者……ってことは? ……つまり?
「勝ったな――」
「……?」
唐突に発せられた俺の勝利宣言に、え、何が!?と驚くミルク。
だってそんな強い人が今仲間になってるんですよ? 脱出への糸口掴み放題パックじゃんね! 勝利確定!!
口をぐへへと変態笑いさせる俺を、じぃっと真顔でガン見してくるミルクから、なんか悪いこと考えてるでしょ。と脳裏に話しかけられた気がしたが俺はやかましいっ! と顔を逸らす。
(てかそうか、普通に考えて【ゴーレムナイト】倒してるんだよな……そりゃ強えか……)
――【ゴーレムナイト】
そいつは俺が確実に仕留めた筈なのにしぶとく復活したクソモンスター。
先程ルカに聞いた所、俺の背後で【ゴーレムナイト】が修復をほぼ終了された状態で佇んでおり、切り掛る一歩手前だったそうな。
まぁつまり、あと一歩遅れてたらさよならバイバイだったってことだよね!
こっわいわ! 意識失ってる時に死ぬとか一番ないわぁ! 一番幽霊になっちゃうやつだわぁ!!
にもかかわらず?
このルカとか言う槍使い……。瞬殺したらしいんだよなぁ……。
一瞬にして【ゴーレムナイト】の体を崩壊させたあと、ナナミの水属性魔法で消滅……。そんで俺とミルクの怪我はリンが超回復魔法で手当て……。手際のいい動きで四階層の安置であるこの第四エリアに撤収……。
あ、これ脱出確定やな。うん。生還フラグビンビンびんちょうまぐろじゃん!
来た来た! 俺の異世界生活来たっ! と立ち上がった俺はテンション高めに声を荒らげる。
「よし! んじゃ、さっさとこっから脱出しましょうや! ね! 先輩方!」
「いや無理だよ?」
「うん無理だねー」
「無理……あと3日はかかる……」
「は?」
満面の笑みの俺に即答した三人は、気まづそうに苦笑いを浮かべていた――
え、ダンジョン厳しくね?




