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もし〇〇が仲間になったら(〇〇式異世界英才教育〜憎まれっ子よ、世に憚れ〜)  作者: 平泉彼方
第2章 波乱な8歳前半の歩み(〇〇式英才教育基礎レベル実践編)
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89 乾物1袋分の救国(その5)王宮厠爆発事件の真相

 読者の皆様更新遅れて申し訳ないです。ブックマークありがとございます!



 今回引き続き汚い表現が一部あります、苦手な方々ご注意下さい。それでは今週の不憫をどぞ!


 宮殿文明トイレ爆破事故の始まりは思えばあれだったのかもしれない……囮役としてミスティフコッカス共をおちょくってやろうって考えた結果の行動。



 さて、再び時間は巻き戻る。



 ギルメンと別れていざ囮として厠へ向かっている最中、我が配下である二匹の従魔を約束通りこっそり影から出した。


 この二匹だが、王宮(ここ)までの道中ずいぶん鍛えたので自宅にいた頃と比較してだいぶ見た目…というより雰囲気が変わっている。まあ当然と言えば当然の結果なのかもしれない。種族欄もなんというか…アレだったし。


 というか、もしかしなくともやりすぎたか?経験値稼ぎ。


 頭痛とか胃痛とか無視して久々転生特典でもらった便利機能を前日行ったように起動する。そして再度確認した。




【クロイスラー・ニュースター】


種族:********




【波津香】


種族:********




 もう何度か確認したが、同じ結果しか表示されない。これは夢かとほっぺたを捻ったがちゃんと痛い。なので、一応現実なのだろう…認めたいかどうかは別として。


 だがそれにしたってこれはひどい。なんというか…前日と比べて結果の表示方法が悪化していたのだ。


 ふと思い返し、ため息が漏れる。


 この王都へ着いた日、すなわち王宮(敵地)へ入る前日。装備とかいろいろ確認する意味も込めて一泊だけそれなりの宿で過ごすことになった。


 宿への信用度だが、元変態のアランが部下?同僚?と共に作った拠点なので従業員も裏ギルド側。ミスティフコッカスへの感染者もいないので極めて安全な場所である。


 ここで、経験値を積ませた2匹の従魔の鑑定を私はついでと思って行った。そしたら以下のような鑑定結果が表示された。




【クロイスラー・ニュースター】


種族:(※更新中故表示できません)



【波津香】


種族:(※更新中故表示を拒否します)




 当然自分の目を疑いこすってみた。しかし結果は変わらない。


 何かしらのエラーが発生したのだろうか。などと考えて再度鑑定能力を実行したことは言うまでもない。


 だが、同じ結果しか返ってこなかった。


 信じられず、私は何度も何度も鑑定し続けた。そしたらいつの間にか種族欄に鑑定者()に対するコメントが表示されるようになった。


 例えば…



『(※何度やっても同じ、諦めなさい)』



とか。私の従魔になってくれた貴重な存在のことなので、当然諦める気持ちは全くない。


 だから再度鑑定する。そしたら今度は…



『(※執拗なその性格が原因で貴方に対し異性が魅力を感じる可能性が潰えていることが考えられます。即行為を停止しましょう。)』



 などと、前世合わせて年齢=彼女いない歴の私の心を的確に抉ってきた。だがめげずに鑑定をかける。すると…



『(※年齢問わずストーカー・覗きは法で禁じられた犯罪行為です。貴方の迷惑行為により不快な思いをする者がおりますので即行で停止することを推奨申し上げます。)』



 これはあれか…嫌がらせか?


 私の能力が私へひどい誹謗中傷をしてくる件。彼女できないは百歩譲って事実だと認めよう。それが私の性格のせいだと否定されても…まあそれも仕方がないと考えよう。


 だけど犯罪者扱いは流石にひどいのではなかろうか?


 正直心が折れそうになったが、それでも諦めきれるなずもない。なので、何度も何度も鑑定をかけたのだった。そしたらなぜか無言になり、最終的にはご覧の通り先ほどのような非表示モードとなったのだった。



 特典といえ私の能力なのに…本当に使えねぇ……



 しょうがないのでこのことは諦め、二匹に直接何ができそうな尋ねた。その結果へ思わずほくそ笑む。捨てる神いれば拾う神あり。


 魔王と私の作成した兵器を体内へ保管するアームスライムだったクロ。今まではレベルの低さで扱いきれないと世界が権限を凍結していた。


 それがこの度目出度いことに武具の一部が凍結を解かれた。


 具体的にはスタングレネードなどの非殺傷武器から大砲などの攻城兵器までが開放されたらしい。


 とはいえ、まだ使用可能な殺傷武器群は第2次大戦前の装備がメイン。平成時代機関銃とかRPG-7はまだ未開発なので今後楽しみである…いやそれよりもパイルバンカーとか浪漫を先に追求するか?


 悩みどころであるが、この辺は魔王(開発者)と要相談だ。


 姿はアームスライム以前のまま。基本形態は黒っぽい体色をしている。だが、環境がその場所の環境(=陸空海)次第で異なる色の迷彩柄をより鮮明に纏うようになった。ただ、それだけにとどまらず、クロは手触りまで再現した。


 それこそ水場では温度や感触を水へ変化させ、草原なら草へ同化、砂地であれば砂っぽい表面へと。


 中でも一番驚いたのは空中で待機する際の変化。体色を空の色へ変化させているだけで確かにそこに存在するというのに、握ろうにも宙を掴むがのごとく何もかすった感覚さえしなかった。そう、クロは空気と同じ感触へと体を変化させていたのだった…


 ゆえに、本気で隠れられたら魔人族の足元程度でも気配察知が発達していない限りは見つからないかもしれない。私もきっと魔王からスパルタ教育受けていなければ危なかっただろう。


 …よくよく考えてみると、これって結構脅威でやばいのでは。


 いやだって何にでも同化できるなら、相手に悟らせず完全犯罪を起こすことが可能だ。それこそ気づいたら体が溶け消えていましたなどというホラー展開もあり得る。


 それに、街中に入ろうが何をしようが存在が気付かれない。それすなわち感知の弱い高レベル保有者を狙えば一気に強者になれる可能性も…あ、これ深く考えちゃダメなパターンだ。


 よし、私はこのことへ気付いていない。一切気付かなかった…いやもういっその事気のせいだったということにしておこう。


 だがきっとそのはずである。


 なぜなら世界には魔王とか魔王とか時々親父とか見たいな魔王覇者人外悪霊が結構蔓延っている…はずなのだから。深い恨み持ったお爺ちゃん幽霊とかその辺プカプカブツブツ徘徊しているし、歴代魔王も案外復活していることだろう。我が家の魔王だってあんなあっさり復活爽快したのだ。十分あり得る話だろう。


 そうだ。魔王も全員きっと面倒だからって隠しているのかもしれない。だらけきった魔王って個人的に想像できないがきっとそのはず(?)信じるものは報われるというし。


 それにだ。隠れられるってことはそれだけ目立たないから逆に良かったんだきっと。だからそんな脅威も謎の異世界現象だって認識されて終わる。よしそう思っておこう…精神衛生的にも。



 世界に向けて脅威になるかもしれないと管理者から言葉があったことをこの頃の私は完全に忘れていた。なお、そのことへ気づいて頭を抱えるのはもっと先のこと。



 一方、ミミックボールアイであった波津香はミジンコ大の魔力生命体から大型のドラゴンまで様々な種族へ変化できるようになったとのことである。まだ強力な大型種に関しては3秒ほどしか保てないらしいが、それでもこのスキルはすごい。


 なんせ、ドラゴン。西洋竜も東洋龍もどっちも大丈夫らしい…将来を考えるととても楽しみな能力だと思う。


 だけど、何より驚いたのは変化前の姿。


 前までは白く中央に目があるような卵型の謎の物体だった。手触りは発泡スチロールと合成樹脂混ぜた感触だろうか。実は契約当初は柔らかかったのだが、段々とレベルが上がるに連れて硬くなって行ったのだ。それこそ最後の方は本気で卵の化石と言われて納得できる程度に硬かった。


 それが、レベルがある一定まで溜まったところで表面に亀裂が入った…



 出てきたのはなんと、目玉2つと口のついた浮く毛玉だった。



 手触りは柔らかいモフモフであり、サイズ的にも理想のマイ枕となった。毛の色は黒紫で、どうやら影に潜る能力をいつの間にか手に入れたらしい…どうも、前に裏ギルドの依頼でベルシアへ行った際置いて行ったことを根に持っていたようだ。


 私はただ、魔王のブートキャンプでボロボロになった波津香を連れて行くことを躊躇しただけだったのだが…


 さてそんなわけで、前の人をダメにする系クッションからツルツルした合成樹脂を経て素晴らしいモフモフへと進化を遂げた。



 …だいぶ話が脱線していたような気もするが、とりあえずそんな爆進的な進化を遂げた二匹。行きがけの約束通り、私の仕事の、実践の場において活躍してもらうことになった。


 彼らの役割は囮で動き回らない私の代わりに敵をトイレへ向かせる、つまりは誘導役。失敗しても最悪私の影へ逃げ切れば良い仕事である。


 初陣だし、成功の可能性が非常に高い割と楽な仕事を振った。


 もしかしたら私はものすごく甘いのかもしれない。だが出来れば成功体験を経験させてやりたい。そしてなるべく影から私の対人戦、特に集団に対した際の戦い方を学習してもらいたい。


 そんな思いから任せてみた。


 そしたら思惑通り上手くいったのだった…いや、上手くいったにはいった。結果を見て敵が十全にこちらへ来た点も込めて満足いった。



 けど、予想外に上手くいきすぎてしまったのだった…



 おそらくこれは私の見通しが悪かっただけなのだろうと思う。彼らに責はない。あえて言うなら運が悪かったことと私の想定以上にこの場所へ人が密集していたことだろう。


 先に結論だけ述べるが、敵の攻撃を避けた際トイレが爆発した。


 …そこはうまく避けろよと思うかもしれないが、あまりに人が密集しすぎていたのだ。その結果思うように避けられず、怪我もしたしトイレも爆発した。


 そう、文字どおり爆発したのだった。


 衛兵と思しき甲冑の男が投げてきた剣。それを避けた直後チョロチョロと流れるような音が聞こえた。その瞬間脳裏で警鐘が鳴り響いた。慌てて逃げると数秒していきなりドカン。振り返ると茶色の間欠泉が出来上がっていた。


 爆発の原因だが詳しくは不明。ただ一応心当たりはある。


 大方トイレ掃除をずっとサボっていたのだろう…それもミスティフコッカスに感染されてからずっと。ミスティフコッカスはウィルスなのかシステムなのかそれとも別の細菌に近い生命体なのかは知らない。だがとりあえず人の営みへの理解はないだろう。


 しかし、感染した対象が人である以上排泄は当然する。


 結果的に毎日使って流すものを流したが、それを掃除する人がいなかった。だから詰まってしまったと。


 入り口なのか出口なのかが詰まれば当然そのへ次々蓄積していく。1ヶ月、もしくはそれ以上か知らないが、こうして出来上がったギリギリな状態の排出口。風船とかみたいな状態を想像すればいいだろうか。


 そして、この度私へ投げられた剣は張り詰めたそこへクリーンヒットした。多分、ピンポイントで。



 出口は小さく排出する力が強ければ、そら爆発も起こる。



 そうして連鎖的に壁の裏へ張り巡らされていたパイプ(?)も爆発したのだろう。掃除されていなかったので、詰まっているソレをブチまけながら。


 一瞬でも逃げ遅れていたら今頃私は…想像しただけで全身の毛穴がスタンディングオベーションした。臭いの時点でもう既に嫌悪感100%なのに、それ塗れになったらと思うとぞっとする。


 風呂に入れたって御免蒙る。











 …などと今まで回想していたのは、ひとえに鼻水改めロラン君へ説明していたから。正座で。


 もう一度言うが、正座をした状態で説教されながら説明していた。



「…まあそんなわけで、結果的にトイレを吹っ飛ばしたが私は悪くな「ンなわけあるかァ!!!」アベシベブ……」



 スパーンとハリセンが頰の横を通り過ぎた衝撃波でビンタされたみたいに吹っ飛ぶ…正座キープしたまま。そして勝手に正座で地面に到達してライくんへ10のダメージ。


 現在私はロラン君により起き上がり小法師みたいに自動的に起き上がる魔術式がかけられた状態。なので、長時間正座で足が痺れた状態でコレ。


 なんというか、辛い。


 …というか、そもそも何に一体怒っているのだろうか。ちゃんと囮は果たしたし報酬も渡すものを用意してあるというのに…などと言ったら肥溜めに沈めてやろうかと真顔で言われたので黙っている。



「ちっとは反省しろがこのバカ依頼主!そして自重しろ、自重!!」



 なお、このやり取りはルージュさんが来るまで続いたのだった。




 おまけ:ライくん配下二匹が頑張りすぎた背景。


 我らの主人の御厚意によって非力で無力な我々は鍛える機会をいただくこととなった。故に、できる限りその期待に応えようと道中ひたすら経験値を稼いだ。


 だが、主人は何度も我らの”すてーたす”なるものを見返した後落胆したような表情をされた…きっと主人の基準には届いていなかったのだ。悔しいが、努力不足。情けない…


 そんな我らをそれでも見捨てることなく我々に何ができるか尋ねてきた主人。朗かな顔で我々を慰め、すごいじゃないかと褒められた。だが我らの気は一向に晴れなかった。


 これはもう、今後の戦働きで挽回せねば…そしてその機会は来た。


 オウキュウと呼ばれる人と人についたよくわからないものが多い場所。ここで騒ぎを起こすようだ。そのため主人はできる限り多くオウキュウ内にいる人を呼んでほしいと言われた。ならば…


「我らの主人への忠義とライ様の配下である誇りにかけて、ほぼ全員呼ぶべし。」


「我が君へ、より多くの人を献上するべし。」



「「いざ、参らん。」」

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