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もし〇〇が仲間になったら(〇〇式異世界英才教育〜憎まれっ子よ、世に憚れ〜)  作者: 平泉彼方
第1章 7歳までの軌跡(〇〇式英才教育基礎編)
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1 生まれ変わってさようなら(19/2/3改稿)

 読者の皆様どうもこんばんは。


 今回、主人公は早速不憫?に遭遇します。それでは本編をどぞ!


 真っ暗闇の中目を開くと、未だ私は温かい液体に囲まれていた……まだ生まれてもいなかった様だ。周囲は暗く、身体の動きも儘ならない。だが、へそ周辺に温かな繋がりを感じられ、妙な安心感があった。自分が今世の母親に守られているのが分かる。


 限られた行動範囲で私が出来る事は少なく、その一つである指先を動かす事をさっきからしている。多分生まれる直前位の時期まで来ているのかも知れない。5本ある指の形はちゃんと定まっており、正常に動くので安心する。形成段階の過程で生じる筈の水掻き部分は既にアポトーシスで無くなっていた。


 小さな指を自分の意志で動かすのは中々に神経を使う。思ったほど上手く行かん。


 そこで、自分の体内を意識してみた。まだ薄い皮膚からは血液の流れとかが少し見られた。血の流れる感覚がわかるだろうかと注意深く意識を向ける。


 だが、そこで血液とは違う『力』を感じた。


 別に厨二病というわけではないが、『新たな力』としか言いようがない。明らかに血液とは異なるもの。地球人にはそんなもの無かった筈。ただ、それがある事が自然だとなぜか身体は知っている様子。


 意識的にそれを動かそうとするが、中々頑固で動かない……ウムム。何度か挑戦するが動く様子が無い。


 赤子らしく段々と飽きてきたので、周囲を見回す。


 そこには驚くことに、碧っぽい光りの粒子が漂っていた。粒は水の中に溶け込んでいるという様子はなく、不規則に物体を通過していた。高校物理や化学で習うブラウン運動だろうか。


 いやそれとも違う様子。不規則だが、体内に入った瞬間動きが鈍る上、何かしら法則があると直感で分かる。それが何であるかは不明としても。だがこれも地球になかった……ふむ。


 もしやこれ、自分の中に感じられる『別の力』と関係あるのだろうか。


 同じ光る粒子は私の体内にもゆっくりだが流れているのが見える。指先から爪先までむらができる程度に存在し、身体に出入りしていた。


 それを動かす気持ちで粒子を意識する。まずは上半身からスタート、指先(右)から指先(左)まで。そこに存在する粒子を左右に動かすよう意識する。強引に動かすのでなく液面全体を揺らすように。


 すると、少しだけ動く。


 ふむ、中々面白い感覚だ。まるで試験管等細い管に詰まった寒天をそっと押し出す感覚。忘れないようにと反復を繰り返し行っていく。


 もうどれくらいそうしていただろうか。徐々にスムーズに、それこそまるで粒子が水のように動くように成った。


 さてそうなると色々試したくなる。


 今度は手と同様に足でも再現する。その際エコノミー症候群が怖い事もあって足をばたつかせる。狭い場所で同一体位を取り続けるのは確か血流障害を起こしてだったか、詳しい事は忘れたが。


 母親の負担にならない様極力壁と思しき所にぶつからない様神経を張り巡らせる。同時に何箇所も気にしつつ行うのでこれはいい訓練になりそう。


 粒子の流通が良くなったら足の指等も動かしつつ、今度は粒子の色にも意識してみる。


 粒子には碧、紅、黄、緑、紫…とにかく種類が豊富であり、輝き方も様々。これにも法則がありそうだが詳しくはわからない。粒の種類別頻度は一様ではなくぱっと見多目なのは碧、紫、黄、紅、緑、少な目なのは白や灰となっていた。


 まずは一番多い印象の碧を集める。そのために、碧以外に色付いたごく少量の粒子を動かす。だがすぐに嫌な予感がしたのでその作業を止め、逆にごく少量しかない粒子を均等にするべく集めていく。


 ふむ。見た感じ前衛的アートみたいに見える。

 集めた粒子を混ぜたり離したり等、色々組み合わせて遊んでみる……きっと地球だったら立派なアーティストだと自画自賛しつつ。すると、粒子にも相性がある事が少しずつ分かってくる。


 そうしてまた飽きて来た頃、脳内で音が鳴った。



―――ポーン♪【器用度上昇Lv.0】【魔力操作Lv.0】【魔眼(魔粒)】【無詠唱】【水Lv.2】【集中】会得―――



 ふむ?


 脳内の音や映像は前世でいうところのRPGのレベルアップ画面的なものか。どうやら先ほどの行動結果色々と取得できたらしいが、どれがどういった効果なのかわからなん。それに取得条件とかそういうもの一切不明。


 というか、こんな簡単に取得できるものなのか……いや、それについては胎児だからだろう。


 これぞ胎盤から始める英才教育、スーパー赤ちゃん爆場への栄光の道。


 私は自身を鍛えるべく、粒子を更に体内でグルグルかき混ぜるように回してみた。


 暫く巡らせていると、次第に粒子が増えている事に気が付いた。但しバランスよく粒子が集まっていない事が気になる。揃えないと、なんだか気持ち悪い。


 そんな変なこだわりから、周囲の液体から粒子を動かして幾つか呑み込んでみた。液体の味は何だか塩というより海水っぽい生臭い香りがするがスルーする方向で。


 無事取り込んだ粒子を回し、徐々に馴染ませる。そんな作業を繰り返す。取り込む粒子の量や質でバランスが悪くなる事へ注意する。


 すると、段々私自身の身体が粒子で満たされて来た。何だかこの空間が明るいと錯覚出来る程だ。実際自分の手足が一切見えないので暗いという事は分かっているが。


 ある程度溜まった感じがした時、今度は何となく指と指の間を行き来させたらどうなるかと気になり出した。再び試行錯誤する私……いつの間にか思考が止まっていた事は気にしない。


 指と指の間を行き来させる時、どうしても粒子が途中漏れてしまうのが何とも勿体無い……再び吸えばいいだけの事であっても何だか嫌だ。だから指をくっつけた状態で粒子を流す訓練をした。


 次第に段々指と指の間を開けて粒子を漏らさずながせるようになって来た…おお、これで小学生の電撃通す真似がリアルで出来るな、等と実に下らない事へ喜んでいた。



 そしたら、急に頭痛が襲って来た。




―――ポーン♪【器用度上昇Lv.2】【魔力操作Lv.3】……会得―――




 先程同様アナウンスが流れる……そして気になったのでステータスを早速覗いて見る事にした。




◆□◆◇◆□◆◇◆□◆◇◆□◆




 ステータスを見ると魔術・魔法の所が上昇していたり、器用と魔力操作が増えたりしていた。他、色々便利そうな謎能力が増えていたがまた後ほど。


 それより今問題なのは……どうも生まれるっぽい。


 さっき水が抜け、そしたら周囲の肉壁が蠕き出した。心なしか迫って来ている様に見える。いや、これは迫ってきている。辺りは暗いし狭いし滅茶苦茶怖い。これ呼吸できなくなるのでは。


 もしや新生児が泣く理由って主にコレではなかろうか、などと真剣に考えてしまう。


 そして狭い道を頭先頭に往っているのだが、正直ゴツゴツしていて痛い。壁にぶつける度に頭を鈍器で殴られているみたいに打撲するのが感じられる。この場合、私の頭が多分鈍器だろうが。


 それにしてもなんだか外がざわざわしている気がする。今世の母親も痛いのだろうか。何となく痛みに唸っている音が聞こえる気がする、気のせいかも知れないが。



 だからさっさと進みたいのだが、コレ中々進まない…



 何とか這って私は道を行く、そして周囲は押し合いへし合いの押し競饅頭強化版をしてくる。邪魔しているんだか背中を押しているんだが……取り敢えず出してくれ。


 そんなこんなでやっと見えて来た光り…



「ホンギャァァァァアアアアアアア!!!!!!!!」

(イテェェエエエエエエエエエエ!!!!?!!?!!!!!)



 精神年齢18歳の男が号泣する程の痛みってどれ程か想像出来るだろうか。


 滅さ痛い。


 もうそれしか感じられない。何て言うの? 空気が沁みるような感覚。傷口に塩水とかレベルを超して火傷負ったみたいな。そうとしか言いようが無い。


 無事に生まれたことは目出度いが、痛い、眩しい、疲れたと3コンボで文字通り涙が止まらない。



 で、そんな絶賛号泣中の赤ん坊の横ではぐったりした女性とその女性へ何かを言いながら声を上げる男性らしき影が目に入る。ああ、今世の両親か。


 今後どうなるかわからんが、とりあえず良かった。


 その後私は疲れて夢の中にゆくまでずっと泣き続けたのだった。その間に起こった想定外な出来事も知らずに。






 目が覚めたのは多分翌日だろうか。分からん、もっと早いかも知れん。


 時間の感覚がよく分からないが取り敢えず腹が減ったので目が覚めた…当然泣いた。腹減ったよ、ママンと。



 けど、誰も来てくれる様子が無い。どころか人の気配とか含めた音とかが一切無いのだが……



 驚いて泣き止み、腫れぼったい目で周囲を見回す。そこは薄暗い部屋になっており、なぜか私の眠るベッド以外のインテリアがない。物音ひとつせず、シーンと静まり返っていた。


 そして窓から確認できたが今は夕刻、中世の世界ならば家に誰かしらいそうな時間だ。それ以前に何かしら事情があっても赤子を長時間放置することはありえない。


 などと、色々グタグタ言っているが言いたい事は一つ……ここには両親はおろか、誰もいないらしい。そこからわかる事は、私が一人ということ。


 そして私が一人という事はだ。いや、だが……(混乱中)


 唖然としていると、窓から入っていた淡い夕日は消え、あっという間に夜になった。お腹空いたし、おしめが濡れている。赤子なのでどうしようもない。


 やばい、このままだと死んでしまう。転生早々死亡とか、あんまりではなかろうか。


 誰か助けてくれ~



〈いいだろう〉



 しわがれた声が何か言った気がする。


 誰かいたのか。等と安心するのは早計だったかもしれない…………瞬間、怪しい靄が私の真上に集まりだした。


 無人の家屋にラップ音を響かせながら現れた黒紫の霧はモクモクと凝集してゆく。五感に引っかかるのは古い洋服箪笥のようなすえた臭いと激しい悪寒。脳内で再生される『ゴースト〇スター』の音源。


 これは……なるほど、ショック過ぎて幻覚症状でも出てしまったのか。


 変な薬を使ったことはないので多分あまりの衝撃で生じた脳内ホルモンがこれを全部起こしているのだろう。だって、幽霊なんてファンタジー科学的にあり得ないのは常識だろう。


 いや、アドレナリン系(生命の危機)にそんな効果なかった気がするのだが。せいぜい時間停止程度だったような。


 などと現実逃避していたら、中央に不気味な老人の顔がいつの間にか出来ていた。


 皺が沢山有って鼻が曲がっていて、黒子っぽいイボらしきものが所々見られる。それはとても見苦しい感じの老人だった。しかも意地悪く何か企んでいるような表情をしていた。眉間にも皺が寄っており、眉が歪んでいる。


 そんな風に観察していると、いきなりこっち見た老人が泣き出した。ブワッと、堪えられなかった風に。こんな胡散臭そうな老人でも年老いたら涙腺が緩むのだろうか。


 爺どん、お気を確かに……いや、それ以前に自分の正気が大丈夫だろうか?




〈これ程気の毒な赤子は見た事が無い、まさか儂より酷い目に遭うとは〉



 ? まあ確かにひどい目には合っているだろう。死んで生まれて早々死に掛けて、その上あり得ない幻覚まで見えてしまったのだから。



〈まさか生誕間もなくスタンピード発生して逃げる為準備していた両親から忘れられるとはな…可哀想に〉



 ………え、まさか。



 赤子なのに ま さ か の 忘 れ 者。



 えっとつまり……それは、つまりだな。私、生まれて早々に捨てられてしまったということか!? え、どういうこと? え、え、え、えぇ〜…………マジで?


 絶句したことはいうまでもない。赤子なのに。

 ついでにおしっこ漏らした。びっくりし過ぎて。


 というか茫然自失している場合ではない。このままでは真面目に死んでしまう。


 餓死、病死、凍死…様々な死因が脳裏を走る。赤子は簡単に死ぬ。それはもう簡単に。赤子の体は60%水でできているのでちょっとした水不足で人生即終了である。


 生まれてから今どれくらい経ったのだろう、このままだと本気でマズイ。


 生まれて早々に泣いた分に加えてさっき粗相した分。その上で外から吸収した水分量は0なので、あとどれくらいで脱水状態になるか不明。だが、それは割と早い段階だろうことは想像できる。


 折角新しい人生をと思っていたところで崖淵とは。モフモフに出会う前にこんなところで詰むとか本気で嫌だ。こればかりは、自分ではどうにもできない。如何したものか。


 途方に暮れて、老人を見上げた。すると老人は涙を拭き終わっていた。心なしか悪い雰囲気みたいなのがなくなっており、見た目も少しマシになっていた。



〈まあ儂が居るから大丈夫じゃけど……


 元は祟ってやろうかと思っとったが、これは気の毒だと思うたし拾う事にしたわ、カッカッカ。まあ分からんと思うが宜しく〉



 老人はいきなり中年になった。見た目的には貴族風のクソイケメンである。同一人物なのかどうか疑わしく思い見つめる。すると安心させるように笑みを浮かべたオッサン。ソロリとこちらへ近づく。


 驚いたことに実体化しており、私を抱えてその場から消えた……私は取り敢えず気を失っていました。


 いや仕方がなかった。いきなり風景が反転したのでびっくりしたのである。高校生なら兎も角赤子がそれに対応するのは無理だった。仕様がない。中身はともかく身体は普通の赤子。それも生まれてホヤホヤです。



 しかし今世も人生いきなりハードモードだな!




――――――――――――――――――


称号:【悪霊の養子】会得

技能:【魔眼(魔粒)】【無詠唱】【水Lv.2】【集中】【器用度上昇Lv.2】【魔力操作Lv.3】【霊使役Lv.3】会得




(名前・男・0歳)

(Lv.0)


主職業 テイマー

副職業 魔術師予備軍 剣士候補 錬金術師候補 吟遊詩人候補 調合師候補 主夫予備軍


HP   100

MP   86,100


 STR  100

 VIT  100

 INT  100

 MND  100

 DEX  150(+50)

 AGI  100

 LUK  50,000


騎獣:―(0)

従魔:―(0)

称号:【餌付け人】【被害者】【天然疑惑】【魔物の友】【強豪ホイホイ】【悪霊の養子】


■魔術・魔法

【水Lv.2】【金Lv.1】【風Lv.1】【火Lv.1】【木Lv.1】【土Lv.1】【空Lv.1】【光Lv.1】【闇Lv.1】【従魔Lv.8】【魔力操作Lv.3】【無詠唱】【霊使役Lv.3】

■武術

【刀剣Lv.3】【大剣Lv.1】【短剣Lv.1】【体術Lv.3】【柔術Lv.4】【合気Lv.3】

■生産

【調合Lv.1】【調理Lv.5】【錬金Lv.1】【楽器Lv.5】【歌Lv.3】【詩Lv.2】

■収集

【食材眼Lv.1】

■鑑定・隠蔽

【植物鑑定Lv.1】【鉱物鑑定Lv.5】

【魔獣鑑定Lv.1】【気配察知Lv.3】

【隠蔽Lv.2】

■強化

【知力Lv.5】【運Lv.5】【魔眼(魔粒)】【器用値上昇Lv.2】

■その他

【MP自動回復Lv.1】【地形Lv.2】【危険察知Lv.10】【ステータス】




 いきなり置きざりネグレクトされた赤子系主人公。けど、置いて行かれていなくとも明らかに恐ろしい悪霊に目を付けられていた主人公……とりあえず転生早々ご愁傷様です、合掌チーン


 さて次回は次週の土日に投稿したいと思っております。それでは宜しく御願い致します。

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