表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もし〇〇が仲間になったら(〇〇式異世界英才教育〜憎まれっ子よ、世に憚れ〜)  作者: 平泉彼方
第1章 7歳までの軌跡(〇〇式英才教育基礎編)
22/208

20 厄介な出来事(序章)

 読者の皆様どうもこんばんは。今回後半部分に少…結構下品な表現が出てきます。苦手な方は後書きに要約かいておきます。


 それでは今週の不憫をどぞ!




「ジョバン……あ、お取り込み中ですね邪魔はいたしませんのでどーぞ。

 そーだ、取り敢えず依頼見ないとー」



 視界の端っこに受付嬢ならぬSM嬢に蹴られ踏まれて罵られ号泣する大の男が一瞬映った。きっと気のせいだと、私は目を逸らす。周囲も似たような様子だ。エリス嬢に蹴られて転がっていた低温蝋燭をそっと拾ってそばに置いておいた。周囲の人たちはゲスな笑みを浮かべサムズアップした。私も返しておく。

 つかさずエリスさんはそれを拾うと(魔術式で)火をつけた。湯気の出る蝋液が蝋燭の先へ溜まっていくのを見て、青ざめるジョバンニ。興奮する変態。エリスさんは綺麗な笑みを浮かべ、上品にコロコロと笑った。


 そしてのぶとい悲鳴が2つ、ギルドで上がった。

 嗚呼尊い犠牲になって、お前の勇姿は忘れない。くわばらくわばら。


 同朋を見捨てるどころか火に油を注ぐ外道っぷりを発揮しつつ、掲示板へと逃れてきた。タゲられたらたまったものでない。それより今は、楽に稼げそうな依頼を探さねば。できれば短時間で済むものが好ましい。

 そう思って次々と依頼書を読み進めていこうとして『■■■■■王国第35代国王の暗殺依頼』という文字に固まった。その隣を見ると、今度は国宝盗難依頼。確かこの国宝現国王と前国王の権力争い刃傷沙汰の結果呪われてやばいやつだったはず。


 なるほど、危険が危ない依頼しか残っていないということか(語彙力崩壊)

 いやいや諦めるな。諦めたらそこで試合終了。きっとまだマシな依頼は別にはるはず。


 そしてもう一度探そうとして真っ先に目に入ったのは『爆発依頼』という謎の依頼群。トンネル工事か鉱山の採掘作業だろうかとあたりをつけて読み進めていく。


 何々、王立魔術学院の宝物庫壁部分を□日暁までに爆発させろと。依頼主は盗賊団『土くれ』若頭フーケ・ノースゴータ。思わず絶句し、そっと見なかったことにしたのは言うまでもない。

 名前や依頼内容もアウト確定として、犯罪の片棒担ぐ時点で黒い依頼だと確定。冒険者になる将来を考えて今はまだ真っ黒な犯罪に手を染めない気でいるのだから、この依頼はその時点でアウトだ(但し、グレーなら報酬次第)


 最早読む気が失せて来たが、気を取り直した。そうだ。魔王の折檻(という名の修行)を受けよりはまだマシなはずだ……マシ、だよな?


 次の依頼は……あらら、これまたひどい。

 ××王家の第二王子を最近新たに婚約した元平民女性共々爆発させろ、と。しかも依頼主が元婚約者の公爵令嬢と現王妃様と思しき名前。人間関係ドロドロだな。よし、これも見なかったことにしよう。


 というか、よくもこんな依頼受理してきたなギルマス。果たしてこの酷い依頼受けるヤツって居るんだろ(ヒュン、チュドーン)……なるほどそういえばいたな。爆発とか大好きな奴。


 振り向くと、視線の先には試験管(?)片手ニヤけている怪しい爺さん。


 一日一爆。そんなハチマキを巻いてせっせと試験管を振る爺さん。今は黄色と橙色の配合の爆発威力を比べているらしい。割れた試験管が散乱し、今もまた一つ二つ増えた。

 そういえば裏ギルド(ここ)に入団した際ジョバンニから危険だから見るな近付くなとも言われていたな。爆撃されながら。巻き込まれる前にジョバンニと変態置いて逃げた事は言うまでも無い。人とは生きるために常に誰かを犠牲にするものなのである(達観した表情)


 だけど、実験が終われば優しい爺ちゃんにこの人はなる。

 この前登録で来た時も実験している間は爆弾狂だったけど実験室ならぬ実験角から出て来た時には冒険者ドロップの3倍値段が張る冒険者棒キャンディー(あのグルグル飴、味はほぼ同じ)くれて撫でてくれたし。


 それから実験中なのだが、一応周囲に結界を張っており被害が実質出るのは実験に使用するその一角だけとなっている。ギルマスは再三注意していたらしいのだが、ギルド位置隠蔽の為に必要な結界を維持している1人らしいので放任しているとか…それでいいのかよ、裏ギルド。


 新たな試験管を置いて書類に色々書き込みをしている隙に、近くへ依頼の記された複数の用紙をそっと置いた。よし、私の存在はバレていないな…即行撤退。その一角からさっさと離れた。



 その数日後の明方、遠くから轟く凄い爆音に目が覚めたが文句言わずにそっとスルーしておいた。



 さて、良い仕事(?)をしたし私にとって都合と割りの良い仕事に有り付けると良いんだが…


 本当、受ける依頼はどうするかな…出来れば恨みに恨みを重ねた怨念漂う悪徳貴族とかへの復讐だと割りと簡単に終わるんだが。そんなヤツが死んでも恨まれるどころか感謝されるしお金ももらえるし。しっかし流石裏ギルド…見れば見る程やばい依頼が目に入って来て頭が痛くなった。


 国王とか聖光教会大司教とかの暗殺依頼どう考えても受理した瞬間人生詰む。その前に誰だこんな依頼出したヤツが既に詰んでいる気がしてならない…だけどこれがまだマシな部類。


 非合法実験の被検体依頼とかってどうなの?まあ適任者いるけどさ(視界に入りかけた適任者から目を逸らす)


 こんな見た目奇麗な汚物の消毒(国王)とか取り繕うのが上手な害虫の駆除(大司教)が1番健全健全って本当、どう言う事ですかね。


 もしや時間帯や時期が悪かったのかな?非合法で犯罪めいた酷い依頼しか今ここには無いのかも知れない…いっその事一旦出直すか?



 落胆気味に項垂れていると、受付嬢腕に抱いて周囲威嚇していたギルマス(カマ)にチョイチョイと呼ばれた。指の動きに少しだけ殺気を憶えるが、取り敢えず受付へ向かった。



「掲示板見ているなんて暇なの?」



 この依頼を持って来て検分している筈のギルマス。ほんの少し、具体的には1mm程度あのウザ顔に対し殺意を憶えたのは仕方の無い事だろう…だから誘導されているとも知っていたが敢えて私は答えた。



「実際暇ですね……ギルマス、なんかいい依頼ないですか?私の実現可能な依頼は無いですか?いや、本気と書いてマジで。」



 少しけんか腰に持って来られるもんなら持って来てみろと挑発してみた。すると、ギルマスは待っていましたと言わんばかりに揉みてをし出す…同時に腰使いがキモいからやめろ。ほら、腕の中の愛しのレミィちゃんがゴミ虫見る目で見ているぞ。



「そうねぇ、有るには有るけど……と言うか、君にしか頼めない依頼があるからそれについてちょっと相談に乗って欲しいのォ、いいかしらン?」



 いいんじゃないでしょうか?魔王(従)の無茶振りには馴れているから非合法な幻獣(毛)狩りとか深淵の底にある特殊指定毒物取って来いとかでもばっち来い。それと暗殺なら別にあんまりこっちが怨念を被る様な依頼でなければ大体承ります。


 そんな風に軽く考えていたからなのか、盛大な爆弾が投下された。



「依頼内容はね……」




◆□◆◇◆□◆◇◆□◆◇◆□◆




 ゴンザレスに跨がって向かうは、隣国ベルシア王国。平原と風車の国であり、加工技術が優れているのが特徴。


 土産に今年挽きたての小麦とその片手間に作られるチーズを買って帰るか。後、牛乳のストックがもうそろそろヤバい筈だから補充しておかねば。皆大好き風呂上がりの牛乳シリーズ切らしたら我が家で反乱が起きかねないからな気を付ける必要が有る。


 なんかお使い次いでにスーパー寄って帰って来るノリになっている気がしてならない…割とシリアスな依頼な筈だったんだが。



 しかしこの光景はまた壮観だな…手元どころかこの世界にカメラが無い事が悔やまれる。今度そういう術式を作るか(魔王に)注文するか。



「夕日を浴びた風車、か…」



 カラカラカラと風に吹かれて廻る度に黄金の光線を弾いて辺りの長閑な草原へと舞い散る。光の粒は飛沫の如く跳ね、白黒な牛はその中で呑気に草を食む。そして草原を駆ける金毛色をした牛飼いの大型犬。


 茜色に染まった空気はやや肌寒く、吐き出す息も白い。この土地が北部で有る事をしめしている…未だ冬将軍が健在らしい。


 結界を薄く張っていたというのに移動時何度凍えそうになったか。これもこの寒波の影響、か。今もゴンのモフモフにしがみ付いて何とか暖をとっている。だというのに、ここに地元民らしき半袖半ズボンで麦藁片手に牛・犬と戯れる皆さんは凄く元気なことだ。牛に関しては毛皮が発達してそうなので、そら活動出来るだろう。1番謎なのは霜でも出そうなこの地が草原になっている事。もう少し春っぽい陽気で発芽からの育成するものではないのだろうか。


 まあいい…それよりもだ。



「もう夕方…明日から活動かな。」



 日没まで近いので、野営するにしても拠点を作成せねば。出来なければ一晩寝ずに結界を張り続けるという苦行が待っている。それななんとして阻止したい。仕事に支障を来たしたら元も子もないからな。


 何より、魔王と親父にバレたらどうなる事やら。おお、膝が震えて来た。きっと寒いからだな。実際空気とかひんやりしていて風が滅茶寒いし……断じて毒スープと前回の無茶振りを思い出してなんてない。思い出してないったらないやい。




 その頃自宅では、食中毒が流行中だったらしい。


 後日帰宅後聞いた話だが、原因は親父特製毒スープに食中りしたとか…ああ成る程と思うだろう?だがこの話しには続きが有る。


 当日料理人()が依頼で不在だったが為に調理する側が圧倒的に足らなかったらしい。なので結局親父がこっそり作っておいたギル用のスープを魔が指して食べる事になったとか。これぞリアルゲテモノ食いか?更に何を血迷ったのか親父が保存任せたのが魔王であった。魔王は衛生に関して知識がほぼ皆無、中世ヨーロッパレベルと言えば分かり易いだろうか。親父特製の危険指定毒物スープ(ト○カブト仕立て)を寄りにもよって日の当たる温かい南側の部屋へ常温で蓋せず放置したらしい。今の時期は夏ではないにしてもそれなりに温かい春。そしてそれを夕飯時、中途半端に温め直して食した。


 その結果、トイレにGW大渋滞を越える人と霊の行列が出来上がったとか。


 幽霊まで腹下す料理作る親父、マジ怖い。つか、下ってゲロって食道や胃腸にもダイレクトに毒物が塗られた為恐らく酷い激痛や痺れの地獄を体験した事だろう…何故分かるかだって?そりゃ経験者だからだよとしか言えねぇ。


 と言うより聞きたいヤツ果たしているのか、私が耐性系カンストした幼少期の日々の詳細とか。ボッ○ントイレですら無い野外の這い寄る恐怖とか、自分の上下な排出物で地面が溶け出した時の恐怖体験とか…その他、主にモザイクが掛かる出来事しか無いので自主規制するが。


 それにしてもあの劇物スープへ繁殖する食品内毒素型の細菌って…何だか細菌類の凄まじい執念を感じた瞬間だった。


 だけど、廊下で(バキュン、ドガガガ)したら取り敢えず自分で片付けようね……流石に7歳児(幼子)に良い年した身体的にも健康だと思われる大人が自分の(ズキューン)を押し付けるってのはどうなのかなと。本当、何で我が家の皆さん掃除しないんだろうか。


 旧校舎、魔王城、幽霊屋敷が全部大体蜘蛛の巣とか汚れが目立つ描写が物語で多い事へ大いに納得した出来事でもあった…我が家が廃墟化しかけた件について小一時間程正座ならぬSEIZA★で反省させたが。


 御陰様で依頼終了後疲れて帰宅してからエラい目に合うんだが、この時はそんな事知らなかった。実際、それどころではなかったので。


 あらすじ:裏ギルドで爆発依頼を爆弾狂へパス→ギルマスに厄介な依頼パスられる→ゴン号で移動(寒)→その間家が食中毒発生w


 さて。次の不憫は頑張って土曜日に投稿したいです、出来るだけ頑張ります。


 それでは次回もどうぞよろしく御願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ