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第七話 勇者の自意識は絶対過剰!?

「勇者が攻めてくるけれど迷宮を用意しなくていいの?」


「…は?勇者?」


多分その時俺はとんでもなく間抜けな顔をしていたであろう。というかそれ程訳が分からなかったのだ。何故此処で『勇者』という単語が出てくるのか全く理解不能である。


そもそも勇者とは俺の価値観で言うと勇者=英雄の様なイメージが拭い切れない。勇者と英雄の違いは、勇者が偉業を成し遂げる前から言われる呼び名で英雄は偉業を成し遂げた後に言われる呼び名と言うことくらいか?あと、某勇者が主人公のゲームでは魔王やら竜王やらを倒す為に存在するのが勇者で、ああああ、みたいな変な名前を付けられるのがお約束。箪笥の中を漁っても問題ナッシングなのが勇者だ。…現実の勇者がそんなことをしない事を願うばかりである。


「あれ、でも勇者は魔王的な奴を倒す為にいるんじゃないのか?」


そう、俺の価値観的勇者は盗賊ピンから魔王キリまでの多種多様な『悪』を滅ぼすために世界中を駆け巡る者=勇者と思っているのだが……まだ完成すらしていない迷宮にやってくるだと?どういうことだ?


「う~ん、まぁ確かにそうなんだけど……兄様の考えは少し古いのかな?」


「古い?廃れているってことか?」


「えっとね、確かに魔王はいるんだけれど……」


しろ曰く、今代の魔王は第三十九代目魔王ニフィルアエルという名前で二つ名として≪無限の魔王≫と呼ばれているらしい。本来魔族を纏める王の事を魔王と呼称し、魔王の寿命はせいぜい永らえても二百年程らしい。だが、≪無限の魔王≫は現在千年間王位についており、勇者を何人も送り込んでも、傷をつけた瞬間傷がまるで無かったように再生し結果討伐できないというあまりにもの強さに、勇者と国は≪無限の魔王≫が倒せるようになるまでは迷宮で鍛え、≪無限の魔王≫が寿命で死んだらラッキー程度に考えているようだ。っていうか倒すの諦めてるよ、こいつら。ちなみに魔族とは人の言葉を語り人を操ると伝えられており、悪行を積んだ魔物が進化を遂げた存在で『極悪』認定されるようだ。

実は魔族って魔物の突然変異なんじゃないか?魔族は人と係わり合いを持つために適応したのではないか。魔族の伝承は『操る』なんていう所がある事から実は汚職政治家の言い逃れとか?と思っていたら、『突然変異』って言う言葉は分からないけど汚職した貴族の言い逃れって言うのは本当だよ。としろに言われた。っていうかさり気無く心読むな。お前は読心術でも使えるのか?と思ってしまった。


「でも、兄様があんな大声出すからばれちゃったんだよ?」


……は?今なんと?



********************



神々が第三十六界マギアと名付けられたこの世界のとある小都市リュア。フルクダル王国から統治を許された貴族が治める地方都市だ。そのすぐ北には空白の大地が広がっており、発展を阻害しているものの他の地方都市と比べれば貿易で潤っているので比較的住みやすい土地とは言える。

だが、その日からこの都市は異常な発展を見せるのだ。



それは正午を少し過ぎた頃だった。


その日魔物達の襲撃を退ける為に設置されたリュアを囲む防壁の上から外を監視する当番になっていた男は櫓の上から南へと続く街道を見下ろしていた。櫓は北と南にそれぞれ一箇所ずつあったのだが北には魔物ですら住めない空白の大地が広がっており、北の監視はもはや行なわれなくなっていた。男も北の櫓からの監視の当番に当たった同僚は酒を飲んでも怒られまいと嬉々としていた事を覚えている。


溜息をついて櫓に設置された遠見鏡から目を離して同僚がいる北の櫓を見て、


「……――――」


なにか聞こえなかっただろうかと思った瞬間、


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!

!!!!」


聞くだけでおぞましさを感じるナニカを聞いた。聞こえた方向は……北。


男は北の櫓へと走り始める。不安がった民衆達が屋内から顔を出していた。


「■■■■■■■■!!!!」


北の櫓を上っているとき階段から転げ落ちたのか、階段に無様な格好で倒れている同僚を発見した。顔は青褪め、すっかり怯えたような様相だった。


「おい、大丈夫か!」


同僚の肩を揺さぶりながら聞けども彼の眼の焦点は合っていなかった。


「れ……れ!」


ひたすら「れ」を繰り返す。何かを言いたそうにしていることは分かるが男にはその先に続く言葉は推測できない。男は階段に同僚を座らせて櫓の一番上へと到達し、遠見鏡を見ようとして、やめた。


それらは空白の台地に広がっていた。赤、青、黄、緑、白、紫、黒。それぞれの色を持った樹。

全人類が神の使徒として崇める物。それらが一瞬のうちに彼方からこちらへと増えていく。


「れ……霊樹」


霊樹の群生など伝説上でしか存在しない光景だ。王都には巨大な霊樹が神木として祭られているが群生ではない。そもそも群生出来るほど魔力が溜まった地域など世界の秘境か精霊の森程だ。

それを、空白の大地で一瞬にして成し遂げる。この恐れは何だ?まるで童話の中に出てくる……


「魔王だ……」


男の全身に脂汗が浮かぶ。


「魔王が現れた!」


男は櫓の上で叫んだ。


王都に知らせが届く頃、リュアは完全に霊樹に多い尽くされ住民達は隣の都市や町へと避難していったという。そして数日後、証言を元に巫女が導き出した答えは「空白の大地に迷宮が出現する予定です」ということのみだった。


以後、「空白の大地に新迷宮」という知らせと共に徐々に「魔王の迷宮」の名が浸透していく事となる。

そして、それを受けた各国の王は冒険者達に迷宮を開放する前に勇者による調査を命じたのだった。




野兎A「やあ、ど~もど~も!(*´∀`)」」


報「芸人みたいなノリで登場して来るなよ」


野兎A「コント、腹芸(((´^ω^`)))」


報「マジでやろうとするな!」


野兎A「ごめんごめんご。……でも君の方がウケル( ゜∀゜)<プップー」


報「は?それはどういう意味だ?」


野兎A「次回もお楽しみに.(ノ*・ω・)ノ」


報「おい、ちょっとまt」



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