表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

第三話 俺の異世界転生初日は絶対変わっている3

第二話のタイトルを変更しました。



魔力制御を教えてくれるのはくろのようだ。


(まずは、魔力を感じるところからなの)


くろ曰く、現在俺の魔力はプールに入れる為の蛇口だけが完成し、プールのほうはまだ建設途中なのに蛇口を全開にしているから、まだ小さいプールから溢れた分が外に放出されてしまっているらしい。俺の体が開発されているんだって。左の一文だけ見るとなんかエロい(笑)。


(えーと、まずは心臓から指先までの血管をイメージするなの。)


くろが周囲を飛び回りながらイメージを飛ばしてくる。簡単な人型に赤と青の血管と思わしきラインが描かれていく。脳内に浮かんだイメージなんだが、くろの魔法か?そう考えていたら、くろが飛び回るのを止めてこくこくとうなずいた。くろさんまじかわいい。


(次は、魔力が体を循環しているのを見つけるなの。)


脳内に浮かんだ次のイメージは緑色のライン。血管のように縦横無尽に体中を走っている。ただ、その行き着く先が左胸の心臓ではなく心臓の丁度反対のほうにある右胸だった。心臓と似たような形をした緑色のイメージが脳内でアップされる。


(それが魔臓って言って魔力の心臓みたいな物なの。)


イメージを見続けていると先程までは心臓より少し小さめだった魔臓がだんだんと心臓の大きさまで近づいている。これがプールを建設中ってやつかな?


「魔臓が大きくなりすぎて肺とか臓器を圧迫しないのか?」


これはかなり重要な問題である。魔臓によって血管が圧迫されて血液が止まるとか気道が圧迫されて呼吸困難になったら意味が無いというかむしろ害悪だ。


(魔臓は全部魔力で出来ているから問題無いなの。魔臓は心臓の擬似機関とか魔力の溜り場みたいな役割ももつ物だから魔臓が体に二つとか三つある人もそれなりにはいるなの。)


どうやら魔臓は魔力の溜り場と解釈すると、魔力が増えると魔臓が増えた分の魔力に合わせて膨張するか、別の場所に出来るらしい。俺は勇者魔力平均の千億倍はあるらしいから、くろの予測によれば体中が魔臓になる可能性もあるようだ。それに魔臓は魔力の溜り場なだけであるので、そこを刺されたり傷つけられたりしても魔力がそこから抜けていくなどの問題は無いそうだ。


(魔力を感じるには魔臓に繋がっているラインを意識すれば温かい物があるなの。)


イメージとしては魔臓が血液を送るように脈動する状態。今はまだ魔力を感じる段階なので利き手である右手のラインだけを意識してみる。利き手のほうがなにかと扱いやすいし魔臓も右胸にあるので近いほうが意識しやすいと思ったからだ。

くろが思考を感じ取ってくれたのか脳内のイメージ図が右上半身だけを映す。

右胸から肩、腕、手のひら、指先、そしてまた手のひら、腕、肩、右胸。生物の分野は得意だったので筋肉や血管にも魔力が通るように意識してみる。


「―――よっと!」


(くー様、成功なの!)


くろが嬉しそうに飛び回る。ああ、もう可愛いな~、こんにゃろ~。

魔力の通った右腕は、筋力が格段に上昇。オーラみたいな物が右腕から出ているのが肉眼で見えた。色は良く分からない。ぐっちゃぐっちゃな色である。混沌カオス色と名付けた。そして体が熱い。吐き気?とは違うけれど何かが奥底からこみ上げて来るような感覚だ。


「このよく分からない色はなんだか分かるか?」


(魔力の分別が出来てないなの。)


「魔力の分別?」


魔力にも種類があるということだろうか。


(もっと分かりやすく言うと魔力の変換が曖昧になってるなの。)


良く分からない。魔力の分別、変換という所から魔力の元になるものを何らかのプロセスにて変換、分別するはずが、そのプロセスにおいて不備、または欠陥が生じていると予想した。


(魔力の元は魔素と呼ばれるとっても小さいものなの。魔素を魔臓でそれぞれの属性に合わせた色に変換するなの。でもくー様の魔臓はまだ出来上がっていないからたくさんの魔力を一気に通しちゃった所為で一つの属性に変換できずに出ちゃったなの。)


くろの話をまとめるとこうだ。魔素は魔臓にて火、水、風、土、闇、光、無の魔力のいずれかに変換される。火は赤、水は青、風は緑、土は黄色、闇は紫、光は白、無は黒。くろ達精霊は自分達の属性と色は同じになる。つまりくろ達は七人で全ての属性を網羅していることという訳だ。

そして魔臓は魔力の溜り場ではなく、体中を通ってきた魔素を一時的に貯め、属性を変換してラインに乗せる。そして魔臓の数が多ければ一人で幾つもの属性を使用できる、という訳らしい。

・・・俺、体全体が魔臓になってもおかしくは無いらしいんだが。


「やっぱり、俺ってチートだわ。」


(?)


くろが何を言ったのか分からない、といった風な顔をしていた。かわいかったから撫でた。


ちなみに、途中で「くー様」と言ったのはどうやら俺のことだったらしい。「狂月くるいづき」、の「く」だそうだ。

呼び名を皆に聞いてみたら、みどりは「主様ぬしさま」、あおは「月様つきさま」、くろは「くー様」、あかは「報様むくいさま」、きいろは「つっきー」、しろは「兄様にいさま」、むらさきは「あるじ」だそうだ。


そろそろ七人のちゃんとした名前も考えなきゃな。

あか、あおは男。みどり、きいろ、くろ、むらさき、しろは女。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ