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第十一話 勇者の自意識は絶対過剰!?5






低レベルな勇者パーティを相手にしてから十分ほど経つ。

戦況は語るほど熱中する物でもなく、勇者パーティは魔法使い以外は息絶え絶えといった様子だ。

こちらは赤子の手を捻る様に簡単すぎる攻略だ。

ヌルゲーと言い換えてもいい。

勿論あの魔法使いはちょくちょく勇者達への攻撃の余波を喰らいながらも、無詠唱で魔法を撃ち続けている。

魔法使いは火属性と水属性を使っている。結構な威力があった。

だが、超科学文明の発達した第七界の最高傑作には届かないようで、効果はゼロに近い。それでも勇者達の攻撃する隙を作る為に奔走している。

もっとも勇者達がその隙を生かすどころか気付いてすらいないので論外だけれど。

本当に、魔法使いが不憫だと思えて仕方が無い。

なんで魔法使いはこんな戦闘が弱い勇者達と組んでいるのだろうか?


「はぁはぁ……」


勇者達雑魚三人組は肩で息をしながら相変わらず下手な攻撃をしてくる。

『下手な鉄砲も数撃てば当たる』とはいうが、これじゃあ『鉄砲の薬莢がジャムった事に気付かないまま下手な鉄砲を撃とうとしている』様なものだ。

先程から何十回も勇者達を吹き飛ばしているのだがずっと服が破れたり(←見たくなんて無いが)装飾品が傷つかなかったり顔が汚れないのは何かの効果なのか、それともご都合主義という奴なのか……

やっぱり魔法異ファンタジー世界らしく魔法具の効果とか?

つけている理由はただ見た目に気を使いすぎる自意識過剰だからか?

ポーズとかも結構見た目だけは良いし。俳優とか女優に比べれば全然だけどね~、顔は良いし髪の色も染めた時のような不自然な色ではないけれど装飾品が派手すぎて容姿の良さが霞むというか……装飾品無駄だよね。

まぁ、あるかは分からないが魔法具方面も研究するのも良いかもな。どうせ分からない事はしろに聞けば良いことだし。今度増設する希望施設のリストに加えておくとしよう。


閑話休題


「俺たちの力はまだこんなもんじゃないんだ!」


そういって金ぴか勇者と馬鹿二人は何故か集まり始める。おいおい、魔法使いどうした。まさかの仲間外れ?いくらなんでもそれは酷くネ?いや、だってこれから絶対必殺技みたいなもの出すんでしょ?


「いくぞ!魔王!」


「だから俺、魔王じゃねぇよ……」「グルルルルルゥ……」


俺の呟きと【三圏黒炎犬(ケルベロス)】の機体がリンクして唸る。それをどう捉えたのか(おそらく警戒したと思ったんだろう)は知らないがなぜかニヤリとした勇者はおもむろにエクスカリバーと呼んでいた金ぴかな剣を床に突き刺した。


……いや、突き刺そうとした。


だが、俺はラスボスの部屋ということもあり絶対に部屋が壊れないようにしたのである。つまりは、エクスカリバーは床にも刺さらずに弾かれた。床に。


「「「「「……」」」」」


沈黙が重い。魔法使いも俺もさすがに動きを止めた。


「くっ!覚悟しろ、魔王!」


あっ、そこからリテイクするんだ。


勇者と拳闘士と僧侶(三人合わせて三馬鹿)は呪文を唱え始める。魔法使いは無詠唱で結界を張った。魔法使いが不憫だと思えてしか(ry


俺はスキルを用意。あえて威力を試す為に同時に放つ所存である。


勇者と拳闘士と僧侶の中心から巨大な半径十メートル程の光り輝く魔方陣が出現する。魔法使いは何時の間にか魔法陣の外側にいた。

対して俺は搭載スキルにあった魔炎滅炎を発動して待機状態にする。黒色の炎が息(本当はパソコンでいうシステムクーラーみたいなもの)をするたびに【三圏黒炎犬(ケルベロス)】のそれぞれの口から漏れ出す。

しかし、やはり魔法使いが不憫だと(ry

おっ、詠唱が終わりそうだ。詠唱は長ったらしくて悶絶する位厨二過ぎるのでカットの方針で。



「「「≪ホーリーバーストレクイエム≫!!!」」」


「魔炎滅炎発動――ぽちっとな」「グルルアアアァァァ」


ぽちっとな、は自爆用スイッチみたいなものを押した音である。

三馬鹿から放たれた巨大な光線と【三圏黒炎犬(ケルベロス)】から放たれた黒い三つの火球が拮抗する――と思ったのは何時だったか。


黒い火球は、「えっ、光線?なにそれおいしいの」とでも言うかの様に光線を削り取りながら三馬鹿目掛けて放たれていく。

三馬鹿は動けないらしく魔法使いは端っこの方で魔力障壁を展開していた。


これが最初の殺人になる。

殺人の覚悟は異世界に来たときから既に出来ていたので問題は無い。

れ(・)は恐ろしいものだが三馬鹿は死ぬだろう。

そう確信した時だった。


「俺を守れ!≪アポーツ≫!」


勇者がした事は目を疑うような事だった。


勇者が唱えた魔法で魔法使いを盾にする形で勇者は魔法使いを転移させたのだ。

魔法使いは慌てて先程展開した魔法障壁を凌駕するサイズ、厚みの魔力障壁を全力で展開するが、魔炎滅炎は何重にも張られた障壁を割り削っていく。

魔炎滅炎は魔力障壁で軌道が逸れたのか魔法使いの足元に着弾した。


魔炎滅炎の着弾によって少なくない煙が発生し、視界が曇る。すぐに煙の中でも見えるように調整されたが、煙の向こう側で三馬鹿は意地汚く笑っていた。


「俺を街に転送しろ!≪テレポート≫!」


煙の向こう側での魔法陣が展開される。


煙がようやく晴れた頃、そこには【三圏黒炎犬(ケルベロス)】と扉の前に倒れこんでいるローブを着た魔法使いだけが残された。


そして俺は誰一人殺さず殺せずに異世界初めての戦闘を終えた。




感想:勇者がウザくてクソい



野兎Å「ビッグニュース!!!Σd(ゝω・o)イェイ☆ 」


報「のうわっ!いきなりなんだよ!」


野兎A「おおっと失敬失敬。急ぎすぎて字幕のAの字がオングストロームになっていたよr(^ω^*)))テレマスナ 」


報「はぁ、で?(てかなんで照れてんだよ)」


野兎A「ちなみにオングソトローム(→これね『Å』)」は1Åで100ピコなんだよ!☆⌒(*´ゝω・)b」


報「知るか!」


野兎A「評価してくれた人ありがとう!お気に入り登録してくれた人とありがとう!これからも頑張るね!それじゃ!(((((((っ・ω・)っ ブーン 」


報「あっ、おい待て!」


**********


総合評価325、お気に入り123、PV約22000、ユニーク約6000超え!(この話を予約投稿した8月10日現在の記録)


ありがとうございます!

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