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第十話 勇者の自意識は絶対過剰!?4

そうそう、『モンモン狩り捲りハンター』というのは俺が地球の方にいた頃に大ヒットしていたPNP専用ゲームソフトで、最大四人で通信しながら狩ったり出来る。これが売れた理由の一つにプレイのしやすさというのがあった。勿論俺もやっていて、全国大会にも出場してかなり良い所までは行った覚えがある。


つまりは、だ。俺の遊び慣れたゲームの如く操作出来ている為に片手で次世代的な端末を操作しながら片手で説明書的なものを読むという荒業を現在こなしている。説明書を読み終わるまでは勇者相手に軽く遊ばせていただいているのだ。


説明書に一通り目を通しながらじっくりと調べた事はこの機体のスペック。それと、あの妙な浮遊感について。


まずはこの【三圏黒炎犬(ケルベロス)】のスペックからお話しよう。

【三圏黒炎犬(ケルベロス)】の外見的特徴は三つ首を持った黒毛の犬である。眼球の色は朱色で口の中と舌は紫色(←怖っ)。尻尾も操作可能。最大速度は制限装置リミッターを外した上では音速に達する。口からは搭載スキルに数えられている≪魔炎滅炎≫を吐く。≪魔炎滅炎≫は黒色の炎で状態異常として攻撃力と防御力並びに魔力を削る特殊効果がある。俺が操作可能な部位は真ん中の頭、前脚、後脚、尻尾で、他の二つの頭はもう一つの搭載スキルの≪一体異頭≫によって常時真ん中の頭と最善の連携、もしくは行動を取る様にプログラムされている。それと、俺がこの機体に乗っている間は俺が機体の中で一定以上の音量で叫んだ場合は機体が咆哮するという臨場感が少しだけ増えそうな特典っぽい機能も付属していた。俺が現在搭載されている場所は三つ首のうなじの少し下で一番硬く設計されているらしい。ちなみにステータスっぽくするとこんな感じか?


【三圏黒炎犬(ケルベロス)】分類:機械兵器 番号:十二番


・搭載スキル

 ・魔炎滅炎

 ・一体異頭


・説明

 ・第七界ペギンドラの軍事大国家が創り上げた最高傑作。どんな科学兵器でも退ける装甲と銃弾等を絡めとり減速するように設計された黒い毛、口より吐かれる黒き炎は一瞬にして装甲を焼き払う。また、破壊されても自己再生が出来る機能も付属している。普段は制限装置リミッターが掛けられているが、制限装置リミッターを外すと様子が急変する。この機械兵器の最高傑作と並んで科学兵器【雷王轟穿砲(レールガン)】と生物兵器【感染傷(パンデミックダメージ)】が人類三大兵器に名を連ねている。


こんなものだ。


次に浮遊感についてだが、フォーマット作業をするために一回設定を白紙に戻していた間だからだそうで。うん、故障とかじゃなくてよかったよ。

だからこうも簡単に操作できるらしい。片手でも余裕だね(ドヤァ)。



さて、と。一通り説明書は読み終えたが何故か片手でも勇者パーティの撃退が出来ているんだがこいつらは本当に勇者なのだろうか、と思ってしまうほど弱い。


理由は明確なのだが……



イケメン勇者は豪勢な金ぴかに光る鎧を着込んでいる。顔の部分だけは出ているが、やはり鎧はドラ○エ等では絶対にお目にかかれないほど着飾っている。胴や篭手等には鎧に美しさのみを追求したように金銀財宝、宝石宝玉のオンパレード状態で近くで見ると物凄く眩しそうだ。


「……くっ!なんて硬い魔物なんだ。だが、俺の聖剣に斬れない物は無いっ!覚醒しろ!」


そう言って金色に輝く剣を振り上げながら空中に飛び上がり剣を振り下ろすイケメン勇者。イケメン勇者は先程から何回も空中で前脚にフルメタルジャケットコンボされているのにも関わらず堂々とカッコいいポーズを決めながら迫ってくる。勿論の事、空中とか隙だらけ過ぎなので「エクスカr」と大声で叫んでいるところで前回同様、空中で右前脚を使って吹き飛ばす。イケメン勇者は音速の勢いで壁とキスしていた。拳闘士と僧侶は「あっ」と声を上げるが、フードで顔の見えない魔法使いは何も喋らずに魔法を撃ち続ける。というかさっきから一言も喋ってないので、この魔法使い無詠唱で魔法を行使している事がわかった。


「はああぁっ!俺の拳に砕けないものは無いっ!くらえ!正義ジャスティスのこぶs……ぐはっ」


拳闘士はサイドトライセプスやラットスプレッドなどを決めながら真正面から突っ込んでくる。勿論着ている道着のような謎な服はサーカスの道化師が着込んでいる服のようにキラキラしている。勿論真正面から来る者は即返り討ちとなるのだが。というか拳闘士なら肉壁になれよ。あと、正義ジャスティスとかムキムキマッチョな大人が叫んでんじゃねーよ。


「私の浄化術で滅ぼせない魔はありませんっ!古来より伝わりし七魔を封じ魔王を討ち滅ぼせし聖なる結界よ、我が願いn……きゃあっ」


続いて僧侶。こちらも某聖母が着ていそうな修道服だったはずの謎な服を着込んでいた。前進キラッキラの装飾品に身を包んでいて、もしこの世界に化粧があるとしたらベッタベタに塗るタイプだと思う。正直服のキラキラ度が気持ち悪い位だ。そんな僧侶の持つ錫杖は、ただ煌びやかなだけでみどりの持っている木彫りの杖の神々しさは全く感じる事が出来ない。あと、やたらと詠唱が長いのでこちらは伸縮自在の尾で攻撃した。一発で吹き飛んだよ。


「…………」


魔法使い無口だわぁ。多分、迷宮ダンジョンに来てから一回も喋っていない。この勇者パーティの中でも唯一服装がまともだ。杖も上に小さな宝石がついただけの木の杖だし。顔はフードに隠れていて相変わらず見えないけれど、フードも外套も冒険者風でかっこいい。背は低めかな。唯一勇者パーティの中で好感が持てそうだ。無詠唱もプラスポイントだな。




……でも、これって本当に勇者パーティなのか?マジで戦闘が低レベルだぞ。魔法使い除くが。



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