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センエース~『2垓年』努力した童貞。理不尽に全てを奪われたが、必ず全て取り戻す~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二章 魔王を使って成り上がれ!! バレたら絶対に殺されるから気をつけろ!

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86話 平民にすらなれない、貴族級の力を持った奴隷。


 86話 平民にすらなれない、貴族級の力を持った奴隷。


 耳が痛いことばかり言うモンジンを黙らせたいけど、

 それも出来ないのが現状。

 モンジンは幽霊だから、ボクに対して何もできないけど、

 ボクも、モンジンに対して何もできない。

 ストレスのたまる関係だ。

 ……はやく、この関係性を解消したい。


「猿の17番。私は、あんたに賭ける」


「賭けるって……つまり、どういうこと?」


「あんたの『忍び』になる。あんたが『魔王を召喚できる』という事実を、誰にも悟らせないよう支える。代わりに──」


 7番は、わずかに前かがみになりながら、目を細めて言った。

 その目は冗談を通さない目だった。

 ボクがふざけて返す余地なんて、1ミリも残してないやつ。


「正当な報酬がほしい」


「たとえば?」


「たとえば、あんたが……この都市で『大公』になったとする。あくまでも仮定の話だが」


「ボクがこの都市における『実質的な一番上の立場』になったとして……あなたはボクに何を望むの?」


「……私を、まっとうな貴族にしてほしい」


「ああ……あんた、平民になれないタイプの奴隷か……」


 そういう人種がいることは、ボクも知ってる。

 『あまりに有能であるがゆえに、昇格のチャンスを潰されて使い潰される』っていう、めちゃくちゃ可哀そうなポジションの人たち。

 便利すぎるから、自由を与えられない。

 社会で一番損するのは、いつだって、まじめな優等生。


 この前会った『針土竜の3番』も、たぶんそう。

 見るからに『できるオーラ』がバチバチ出てたし、下からもゴリゴリに慕われてた。

 だからこそ──貴族どころか、平民にすらなれない。

 『マジで優秀すぎるのに生まれが奴隷』って立場は、

 なんだかんだと理由つけられて、

 『自由のない立場』に閉じ込められる。


 それがこの巨大都市ユウガの暗黙の了解。


 昇格には、結局、上のハンコが必要。

 上がダメって言えば、何をどうしようとダメなんだ。


 ちなみに、ボクみたいな『質の低い奴隷』の場合、

 逆にそこまで執着されないんで、

 条件さえ揃えば、あっさり平民になれる。

 バカは苦労することもあるけど、『バカだからこその特権』もある。


「このままだと、わたしはずっと奴隷のままだ。だから、あんたに賭ける。わたしのすべてを好きに利用していい。だから、あんたの力を利用させてほしい」


 利用させてほしい……か。

 そう素直に言われると、断りづらいものがあるよね。

 ……まあ、弱みを握られている現状で、断る選択肢とかないんだけどね。



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