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センエース~『2垓年』努力した童貞。理不尽に全てを奪われたが、必ず全て取り戻す~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二章 魔王を使って成り上がれ!! バレたら絶対に殺されるから気をつけろ!

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66話 コスモゾーンっつぅのは……


 66話 コスモゾーンっつぅのは……


 ダンジョン魔王が目を丸くする間もなく、パリピーニャの拳が次々に叩き込まれる。

 左右、回転、肘、膝――全身が武器。

 その一撃一撃が、小型爆弾のように空気を裂き、風圧が壁や床を削る。

 脚が一歩踏み込まれるたび、床に蜘蛛の巣みたいなヒビが入って、そこからダンジョンの微細な埃が舞い上がっていくのが見えた。視界の端がじわじわと白くかすむ。


 目にも止まらぬ連撃に、ダンジョン魔王はよろめきながら、


「ぬぉお……し、信じられない……貴様、魔王を使役できるのか……」


 その声には、動揺と畏怖と、明確な敗北感が滲んでいた。

 背筋に冷や汗が走ったのか、肌の上を滑り落ちる雫まで見えそうだった。

 口元が引きつり、肩がわずかに震えているのが、こっちからでも分かる。完全に気迫が抜けていた。


 まあ、それはそれとして……


「なんだろう……ダンジョン魔王って、同じセリフを言うようにプログラミングされているのかな?」


 呟きながら、つい呆れが滲んでしまう。

 拳の雨が魔王を容赦なく叩いている最中だというのに、どうしても気持ちが緩んでしまう。

 プログラマーの意図に従順なNPCのセリフを聞いているみたい……


(人格データが流用されているのは間違いないな……コスモゾーンは、こういうところで、手を抜く悪癖がある。その気になれば、無限の人格パターンを反映させることもできるはずなのに)


 モンジンの声は、なんだか妙に達観していて、冷笑じみていた。


「前から思っていたんだけど……そのコスモゾーンってなに?」


(全宇宙を演算している汎用量子コンピュータ。実質的に神みたいなもの)


 淡々と言われても、全然ピンとこない。

 それで分かると本気で思っているのだろうか。

 一般人をナメないでもらいたい。


「ごめん、わかんない。全部の単語が分からな過ぎて、右から左だ。幼稚園児にもわかるように言って。汎用とか量子とか演算とか言われても無理だから。なに、演算って。計算とは違うの?」


 正直に言った。言いながら、自分でもちょっと情けないと思ってる。

 でも、わからないもんは、わからない。

 ただ、これ、ボクが悪いわけじゃないと思うんだよね。

 普通、わからなくない?

 汎用量子コンピュータって言葉……パっと言われてわかるもんなの?


(……逆に、すげぇな、お前)


 なんか、モンジンの声から『濃厚な呆れ』がダダ漏れしていた。

 その反応は、普通にムカつくなぁ……

 汎用なんて言葉、普通、使わないじゃないか。

 絶対に、ボクの方が正しい。



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