表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
センエース~『2垓年』努力した童貞。理不尽に全てを奪われたが、必ず全て取り戻す~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二章 魔王を使って成り上がれ!! バレたら絶対に殺されるから気をつけろ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

393/414

192話 永久に共に。


 192話 永久に共に。


「さようなら、セミディアベル公爵閣下」


「開いたよ」


「開いた? ケツの穴が? いい歳こいて漏らすなよ、みっともねぇ」


「可能性のカオス……私はまだ、高く飛ぶ。君と共に、永久とわ瀟洒しょうしゃに」


 言葉が落ちきるより早く、

 装甲の符が裏返るように組み替わり、

 肩・胸・腰のプレートが段階的に増層。


 継ぎ目の内側から赤黒い光脈が噴き出して、

 空気の層を焼き、背の推進孔は裂け芽のように増殖する。


 胸郭の下で、見えない渦が反転する。

 鎧の腹部が薄く開き、真紅の兆しがひとかけら覗く――核が息をした。


 ――エグゾギアが、境界線を越える。


 装甲のレイヤーが噛み合うたびに、カチリ、と現実の歯車がかみ直される乾いた手応え。


「……これこそがエグゾギアの真髄……『パーフェクトエグゾギア【混沌】』だ。……どうかな、センエース。この高み。この狂気」


 ゴリゴリにごつくなった装甲の輪郭が、粗暴なまでの完成度で、場の法則を押し広げる。


 センエースは渋い顔で、額に手を当てて天を仰いだ。


「……いや……えぇ……いや……今、負けてんのはこっちなんだから、覚醒するとしたらこっちだろ……なんで、『優勢な方』が爆発的に覚醒して、より強くなってんだよ……」


「……そうだね。こっちが強くなるのは、現状だとおかし……ん?」


「え、なに? 無茶がたたって、どっか壊れた? さもありなん。それだけ過剰な進化を遂げれば、どこかにしわ寄せや負担が積み上がるもの。終わったな。貴様は死ぬ。さようなら、セミディアベル公爵閣下。おめぇはすげぇよ。よく頑張った。たった一人で。全然一人じゃないという点に目をつむればの話だが」


「もう一つ開いたよ……まさか、ここまで加速度的に覚醒するとは思っていなかったな……やはり、君という狂気の経験値はハンパじゃないらしい」


 言葉の落下点に、鎧の表面が静かに壊れた。

 砕けるのではない。


 ――『余剰』が、礼儀正しく席を空けるみたいに剥がれ落ちる。

 肩の重装板が薄片になって空気へ溶け、

 胸郭を覆っていた層は数式の蝶に変わって散り、

 腰の環は細い輪郭線ひとつにまで削ぎ落ちる。


 継ぎ目の光脈は赤黒から銀白へ――そして透明へ。

 密度は増すのに、厚みが消える。

 背の推進孔の数は変わらないが、

 形状だけが極端に洗練され、

 噴流の音が『爆ぜる』から『歌う』へ遷移した。


 蝉原がたどり着いた極限。

 それは、

 ――専用パーフェクトエグゾギア【波動混沌】。


 ごつさはがれ、輪郭は刃物の薄さで研ぎ直される。

 セミディアベルは、鎧を着ているのではない。波形を着ていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
優勢側がさらに覚醒して読者の予想を裏切る展開、 最高にクレイジーです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ