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センエース~『2垓年』努力した童貞。理不尽に全てを奪われたが、必ず全て取り戻す~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二章 魔王を使って成り上がれ!! バレたら絶対に殺されるから気をつけろ!

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187話 勇者の称号。


 187話 勇者の称号。


 セミディアベルは、楽しげに頷いた。

 だがその双眸そうぼうには、揺るぎない決意と戦意が宿っている。

 遊戯めいた軽口の裏に、刃のような緊張感が潜んでいた。


「けれど、精一杯の抵抗はさせてもらう。たとえ敗北に終わろうとも、命を燃やした過程は無駄にはならない」


 澄んだ声に揺るぎはなく、言葉は研ぎ澄まされた刃のようだった。

 センエースは舌打ちし、鼻で笑う。


「俺がラスボスみたいな事言っているからって、対比とばかりに、爽やかな主役みたいなこと言ってんじゃねぇよ。この物語の主役は俺だ」


「そうかな。どちらかといえば、私の方が主役っぽいと思うのだが。君という強大な壁に立ち向かう、この勇気。勇者の称号を得てもおかしくないと思うよ」


「俺に挑む程度で、『ギガデ〇ンやベホ〇ズンを使える権利』を得られるわけねぇだろ。勇者、ナメんな」


「……ふふ」


 セミディアベルの口元に、不敵な笑みが深く刻まれる。

 戦場の狂風を切り裂くように、彼は指を二本立てて見せつけた。


「ちなみに……私はまだ変身を2回も残している。その意味がわかるな?」


「急に勇者からラスボスにクラスチェンジしたな。高低差ありすぎて耳キーンなるぜ」


 と、下らない戯言をはさんでから、眉間にがっつりとシワを寄せて、


「……流石にハッタリだと思いたいが……だからこそ、なんだか、ガチくせぇな」


「ふふ、残念でした。嘘でーす」


「……うそ? うそってのは、なにが? 変身を残しているのがうそ? それとも――」


「実は2回じゃなくて、7回ぐらい変身を残しているんだ」


「……俺が言うのもなんだが、数字ってのは、盛ればいいってもんでもないんだぜ」


「そうだね。けど、事実は事実として伝えた方がいいだろう?」


 互いの言葉が交錯するたび、戦場の空気はさらに張り詰めていく。

 大気が焼けつくような緊張に覆われ、狂気すら孕んだ圧迫感が二人の間を満たしていった。


 ――まずは、拳で語る。


 砂塵さじんがうずを巻くより早く、セミディアベルの身体がかすんだ。

 風を裂く音が二重、三重に重なり、センエースの死角から鋭い拳が突き刺さる。


 センエースはわずか半歩、カカトで半円を描いて軌道を外し、

 鋭い拳へ、肘を合わせて力を殺す。


 反射で伸びたセンの指が、セミディアベルの喉元に触れる寸前――

 ――影を刻むようなステップで距離をとる風雅なセミディアベル。


 センは強い目でセミディアベルを睨みつけつつ、口元には小さな笑みを浮かべて、


「スピードは相当なものだ。しかし、パンチには重さがたりないようだな」



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― 新着の感想 ―
会話劇のレベルが高すぎます! セミディアベルの変身を、 7回残しているというハッタリ(?)と、 センの高低差ありすぎて耳キーンなるぜというツッコミ。 緊迫した状況なのにクスッと笑えて、 二人のプロフ…
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