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センエース~『2垓年』努力した童貞。理不尽に全てを奪われたが、必ず全て取り戻す~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二章 魔王を使って成り上がれ!! バレたら絶対に殺されるから気をつけろ!

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147話 飛ぶしかない若手。


 147話 飛ぶしかない若手。


 自問自答に意味はない。

 だって、悩んでいるのではなく、躊躇しているだけだから。

 売れかけている芸人のバンジージャンプみたいなもの。

 届きたい未来を見据えれば、どんなに怖くとも、飛ぶしかないのだ。


 つまりは、しかして、センエースの中で、『やる』のは確定している。


「……ふぅうううう」


 エルファから距離を取り、深く、深く、息を吐くセン。

 命の裏で心拍が一拍だけ沈む。

 鉄の味にもいい加減飽きた。

 耳の膜がパチンと開く。


「…………サイコジョーカー……12時間モード……」


 ごくりと、反射的にツバをのむ。

 己の心の弱さと対峙しながら、センは、



「――起動」



 宣言をする。

 その瞬間、センエースの全身を包み込む極度の精神的負荷。

 〈PSYCHO JOKER: SUSTAIN/点火0.3s—保炎連鎖〉

 〈PAIN-MAP: 拡張〉〈AUTONOMIC: SYMPATHETIC+++〉 〈ARRHYTHMIA WATCH: 注意〉



「うぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぃいいいいっ!!」



 視界が微細なフリッカーで粒立ち、輪郭が白く焼ける。

 鼻腔の奧で血の殻がはじけ、金属の味が舌を痺れさせる。

 骨伝導で鳴る自分の声が、半拍遅れて頭の内側に返ってくる。


 麻酔なしで親知らずを抜くような痛み。

 あるいは、

 酸をジョッキでガブ飲みするような痛み。

 どれを当てはめようとしても届かない。

 ――とっておきの比喩が全て安い言葉になって砕ける。


「死ね、ごらぁああああ!!」


 純度の高い殺意をエルファに向ける。

 豪速の特攻。

 ブラックな理念に滅入る残像。

 ゆらゆらと踊るグルービーなカゲロウ。

 反射のノイズで刻む曇天のメロウ。

 リリカルなテンポで舞う閃光。


 センエースは、暴走する拳を、エルファの腹部にぶちこんでいく。


「ぐっ……」


 くの字になって血を吐くエルファ。

 仮面が針の幅だけ傾き、足裏が一度だけ重心を探る。

 〈NEURAL LATENCY: 微増〉のランプが視界の片隅に瞬く。


「おらおらおらぁああああ!!」


 『鬼神が裸足で逃げ出す威圧感』で、極限の暴力を連打するセンエース。


 狂騒的非連続性のサステイン。

 だが、切れ目のないチェーン。

 ゆえに、ほぼ無限のドメイン。


 〈COGNITIVE DRIFT: 微〉。


「――愚かな命。……そんな無茶が長時間続くとでも?」


 極めて冷静なエルファの言葉を、センは鼻で笑う。


「――あまり弱い言葉を使うなよ。モブに見えるぞ」


 激痛と苦悶の嵐のただ中で、軽口を返す異常。

 センは踏み込む。

 もっと深く。

 もっと遠く。


 ★


 そこから12時間の地獄が始まった。

 12時間。

 720分。

 43200秒。

 1秒すら耐えがたいサイコジョーカーを、これから積み上げる。

 ――永遠より長い1秒を、4万回以上、積み重ねていく。



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― 新着の感想 ―
飛ぶしかない!その覚悟、痺れました!! 12時間の地獄、 想像を絶する痛みに耐えて軽口を叩くセン、 マジで最強の若手だ。
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