6話 常識的に考えると無理ゲー。
6話 常識的に考えると無理ゲー。
「――で、今は、経験値もロストして、アイテムも何もない、と?」
(うん)
「うんじゃねぇよ、殺すぞ、くそが。どうしろってんだ」
(なんとかしてくれ)
「……わらかすじゃねぇか」
センは、一度頭を抱えてから、
「頭が冷たくなってきたぜ……この、どうしようもない閉塞感と絶望感……驚くほど既視感がある……俺は、たぶん、これまでも、ずっと、このレベルと同じか、それ以上にヤバい地獄と向き合ってきた……」
(そうかもしれないね。その可能性を否定できないぐらい……君には可能性がある……と、ボクは思っている)
「……高評価、どうも」
センは、そう言い捨ててから、
頭をガシガシとかいて、
「……だいたいのことは理解した。……くそが、だいぶやべぇな。なんの積み重ねもないのに……あと10日でゼンドートを殺せる力を得ないといけないとか。……常識的に考えると、だいぶ無理ゲーだぜ」
(君ならできるはずだ。ボクも、そこまでバカじゃない。君が『本物』だってことぐらいは分かっている。……少なくとも、『ただの無能でしかないボク』よりは、ゼンドートに肉薄できるはずだ)
「無限パワーアップコンテニューをかましてくる害虫の駆除……死ぬほどしんどいが、黙っていたら、死ぬだけだからな。……しゃーねぇ。出来る限りの抵抗はさせてもらう」
(頼んだぞ! 君だけが頼りだ!)
「……とにかく時間がねぇ。のこり10日……たった10日か……マジで短ぇ。敵のヤバさを踏まえて考えると、最低でも2億年は欲しいところなんだが……」
(……そうだね。そのぐらいやらないと、無理かもしれない。けど、期限は10日。それは変えられない。2億でも3億でも欲しいだろうけど……今回は、10日でどうにかしてくれ)
「無茶苦茶を抜かしやがって。完全に詰んでいる状態で丸投げしてくるんじゃねぇよ、カスが。……んー……山ほど文句を言いたい状況だが、とにもかくにも、ゼンドートを殺せる力を獲得するために、鍛えるしかねぇな。文句を言っている時間も惜しいぜ」
(そのとおり。やるしかないんだ)
「軽く言うな」
(軽く言っていない。詰んでいるのは分かっている。本当なら、自分でどうにかしたかった。けど、完全に詰んでしまったから……だから、恥を忍んで君に託すという、最後の選択肢をとったんだ)
ここで、17番は、これまでで一番シリアスな口調になり、
(……センエース。正直に言ってほしい。勝算はどのぐらいある?)




