4話 魂魄交代。
4話 魂魄交代。
(俺たちの『魔王を召喚できる』ってのも大概チートだと思うが……ゼンドートの話を聞いていると、俺達の異能がしょぼく思えるな)
(だから、センエース……助けてくれ。ボクの代わりに、ボクの体を使い、ゼンドートを殺してくれ)
(……『体を代わりに使ってくれ』と簡単に言うが、それが出来るなら、初対面の時から問答無用でやらせてもらっているんだが? 俺は何もできない霊体で、だから、お前のようなバカに頼っている、という大前提をお忘れ?)
(主人格を交代するアイテムも入手して、過去に送った。つまり、今に。だからできる。君が主人格になれる)
(マジで?)
そこで、17番は、『アイテムボックス』から、『液体の入った小瓶』を取り出す。
その様を見たセンが、
(あれ? お前って、アイテムボックス使えたっけ?)
「アイテムで使えるようにした。タイムリープしても、永続的に使えるタイプの強化アイテム。これがないと、過去にアイテムを送れなかったんだ。アイテムは、アイテムボックス経由でしか過去に送れないから。……ほかにも、『しょぼい治癒の魔法』が使えるようになっているよ」
と、軽く説明してから、続けて、
17番は、『液体の入った小瓶』を見つめながら、
(……それで、これは『魂魄交換の聖水』だ。『体の中に二つの魂がある者』だけに効果がある聖水。主人格と副人格の立場を入れ替えることができる)
(また、ずいぶんとピンポイントだな。どこかの誰かが俺達のために用意したとしか思えないオーダーメイドっぷり)
(これを初めて入手した時も、君は、同じことを言っていたよ)
(……タイムリーパー特有の知識マウント。ウザイねぇ。俺はマウントを取るのは大好きだが、マウントを取られるのはゲロが出るほど嫌いなんだ)
(これを入手した時、君は、必死になって、ボクに、これを飲ませようとしていた。けど、ボクは、がんとして断ったよ。当然だ。これを飲んでしまえば、ボクは、全ての自由を失い、『おしゃべりすることしか出来ない霊体』になってしまうんだから。そんなものはただの地獄だ)
(今、まさにその地獄を体験し続けている俺の前で、よくそんなことが言えるね。人の心ないんか? ……ないんだったな、そういえば)
(でも……)
そこで、17番は、
ためらわずに、
グイっと、それを飲みほした。
(……ぉお……マジっすか。そんな躊躇なく飲む?)
と、センが驚いていると、
その瞬間、『センエースの意識』と『17番の意識』が、
共に、スゥっと遠くなっていく。




