8話 な、なんだってぇ?!!
8話 な、なんだってぇ?!!
ボクを休ませようと必死の9番を振り払い、
運動場に出たところで、20番が、
「なんだ、17番。今日も、みんなの邪魔をしにきたのか」
「別に邪魔じゃないだろ。隅っこで、勝手にぶっ倒れているだけなんだから」
「ほんの数分、ちょっと運動して、その辺でお昼寝するだけで、ボーナス5000ユウガか。良いご身分だな」
「うらやましいだろう。かわってやろうか?」
「お前を羨ましいと思ったことは……正直、一度もないなぁ。麻痺攻撃が使えるカマキリやゴブリンは便利そうではあるが……その利便性のためだけに、お前と体を交換したいとは一切思わない。どう考えても、俺はお前の上位互換だ」
などとおしゃべりしていると、
昨日に引き続き、監督役のカルシーン伯爵がやってきて、
「では、今日も訓練を開始する……が、その前に」
そこで、伯爵は、ボクの方に視線を向けて、
「昨日の件を踏まえて、ラストローズ辺境伯と話し合い、ボーナスのルールを変更した。最低限、メニューを半分以上こなさないと、訓練参加ボーナスの5000ユウガは支払わない」
「な、なんだってぇええ?!」
と、ボクだけが悲鳴を上げた。
みんなの視線が痛い。
く、くそが……
権力をふりかざして、ルールを自由自在に改変するとは……それでも、人道を重んじる貴族か!
ゴールポストをずらすのは、この世で最も卑劣な醜悪!
まったく、情けない!
これだから、ボクは権力が嫌いなんだ!
(あの程度のメニューを半分もこなせないヤツが悪い)
モンジンが、何か、たわけたことをほざいている。
前から思っていたが、モンジンはやっぱり、頭がおかしい。
たぶん、脳の大事な部分に、重大な欠陥を抱えている。
ボクは詳しいんだ。
★
言うまでもなく、メニューを半分以上こなすことはできず、
今日の分のボーナスは無しということになった。
酷い……酷すぎる。
あまりにむごい……
吐くほど訓練させておきながら、ボーナスカットだなんて……
こんな横暴が許されていいのか。
いいや、許されない。
あまりボクを怒らせるなよ。
ボクがその気になれば、魔王を暴走させて、この場にいる全員、皆殺しにすることも可能なんだぞ。
もう、いっそ、やってやろうかな。
(5000ユウガを貰えないからって、同僚を皆殺しにしようとするとは……正義の味方の風上にもおけないやつだな)
(ボクは正義の味方じゃないよ。むしろ、がっつり悪の側だ。なんせ、魔王を使って、都市を混乱させている張本人なんだから)




