破1話 昇格。
破1話 昇格。
《雅暦1001年7月19日午後》
午前中の間に、平民になるための手続きは全て済ませた。
昇格試験は、『魔王討伐隊ペーパーテストの合格記録』があるから免除になった。
今日から晴れて、ボクは平民。
最近、やたら脳がズキズキするけど、平民に上がれたことがめちゃくちゃ嬉しいから我慢できる。
財産とか功績とか、もろもろ踏まえて、ランクは『E5』スタートとなった。
S5(最高)→S4→S3→S2→S1
A5→A4→A3→A2→A1
B5→B4→B3→B2→B1
C5(普通)→C4→C3→C2→C1
D5→D4→D3→D2→D1
E5→E4→E3→E2→E1(最低)
↑ここ!!
昨日の試験終わり、ラストローズ辺境伯にお願いして、口利きをしてもらったので、全ての処理が、とんでもなくスムーズに進んだ。
こういう時に、『権力の強さ』ってやつを思い知るよね。
「うわぁ……ここが、センパイと僕の部屋ですか……広いですねぇ」
今、ボクは、『蛇の9番』と一緒に、執行部から指定された『寮』に荷物を運んでいた。
奴隷だったボクたちは、大した荷物を持っていないけどね。
「……これから先も、ずっと、一緒にいましょうね、センパイ」
ニコリと、嬉しそうに微笑む9番。
あまりにも眩しい笑顔にドキドキしてしまう。
なんでやねん。
まったく。
「現状の給料だと、まだ、お前を平民にはできないけど……必ず討伐隊の中で地位をあげて、年収を200万以上に上げて、お前を雇って、平民にしてやるからな」
「僕は奴隷のままでいいですよ。センパイと一緒にいることが大事ですから」
「……っ」
「僕を一緒に連れてきてくれて、ありがとうございます、センパイ」
ラストローズ辺境伯にお願いしたのは、『ボクが平民になるための口利き』だけではない。
ずうずうしく、『蛇の9番を、ボクの奴隷にするための口利き』もお願いしておいた。
本来であれば、『ポルのオッサンのもとに正式配属された9番』を、ボクの奴隷にするのは、かなり難しいのだけれど、これも、辺境伯の鶴の一声で秒殺。
何度でも思うよ。
やはり権力は偉大だ。
ボクも、いつか、必ず手に入れる。
あ、ちなみに、これは、執行部の人から聞いた話だけれど、
なんだかんだ9番を気に入っていたポルのオッサンは、最初、かなりしぶったらしい。
まあ、気持は分かる。
9番は、見た目がハンパないだけではなく、ワケが分からんぐらい優秀だからな。
ポルのオッサンの『細かいマイルール』を完璧にこなせるヤツはそういない。
仕事も家事も完璧で気配りが出来てS級の美貌を持つ天才児。
一度でも9番と一緒に仕事をこなしてしまうと、もう手放せない。
仮に、9番が、ポルのオッサン以上にキモい見た目の脂ぎったオッサンだったとしても、あまりに優秀なので、普通に手放したくないと思うだろう。




