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センエース~『2垓年』努力した童貞。理不尽に全てを奪われたが、必ず全て取り戻す~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
第二章 魔王を使って成り上がれ!! バレたら絶対に殺されるから気をつけろ!

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17話 善意には善意を。悪意には悪意を。


 17話 善意には善意を。悪意には悪意を。


「じゅ、17番……こ、この……体調不良……お前がやったのか……な、治せ……殺すぞ……」


「面白い冗談だね。どうやってボクを殺すの? もう、指一本動かせないみたいだけど」


「……う……ぅう」


 バカな51番でも、流石に、状況が理解できてきたらしい。

 真っ青な顔が、さらに青くなっていく。


 マジでやばい……と、ようやく、しっかり把握できたようで、


「……た、助けて……」


 なんて、そんな、甘えたことを口にしてきたもんだから、

 ボクは鼻で笑って、


「助けてくれるよ、たぶん。これまで『あんたが親切にしてあげた誰か』が……ヒーローみたいに、助けにきてくれるよ、きっと。……悪意しかバラまいていないなら……無理だろうけどね。あんた、誰かに優しくしたことある? 誰かを助けたことある? もしないならさぁ……助けてもらえるワケなくない? この理屈、わかる? バカだから分からない?」


「あ……アネゴッ……た……たすけて……たす――」


 ボクに命乞いしているのかと思ったけど……これは、違うな。

 空に向かって、『アネゴ』とやらに救いを求める51番。

 どうやら、その『アネゴ』とやらのことだけは、真剣に慕っていた様子。


 必死に救いを求めていたが、しかし、ついに、


「……っ――」


「もう、何も言えない? けど、ボクの言葉は聞こえているようだね。失神したってわけじゃなさそう。……マパネットから聞いたけど、意識はあるらしいね。喋れなくなって、指一本動かせなくなって眼球すらまともに動かせない……けど、それでも、意識だけはある。決して、死んではいない。そういう状態にするウイルスだって聞いた」


「……」


「お前らは殺さない。ていうか、ボク、誰も殺したくないんだよね。だって、殺したらさぁ……そいつの命を背負っていくコトになるもん。やだよ。なんで、お前らの汚い命なんて背負わないといけないんだ。鬱陶しいよ。邪魔、邪魔」


「……」


「仮に、お前らが、魔王組の他のメンバーから『使い物にならないから』って、殺処分されたとしても、それは、魔王組の連中が悪いんであって、ボクは何も悪くない。ボクはお前らを殺していない。ボクはただ身を守っただけだ。過剰防衛でもない。だって、魔王召喚のことが他の誰かにバレたら、ボク、殺されるもん。総合的に考えて、余裕で正当防衛だ。……女神法や都市方針にらし合わせた時には、そういう判定にはならないだろうけどね。この世の中って、ほんと、ボクに対するあたりが強いよ。勘弁してほしいね」


「……」


「……ハッキリ言っておくけど、もし、あんたらが、ボクに親切にしてくれていたら、ボクはあんたらに親切で返していたよ。善意には善意で、悪意には悪意で返す。ボクはそういう人間だ。決して聖人君子でもなければ、漫画の主人公でもない。ただの平凡な……どこにでもいる……人間だ」


 あらかた物色し終わった。

 現金が120万ぐらいあったから、とりあえず貰っておく。

 ボクから奪った100万と、もともとあった20万ってところかな。

 しけた事務所だ。


 ……できれば、『マジックアイテム』とか『魔カード』とかも欲しかったけど……

 この事務所、そういう魔法関係の物品は何もなかった。

 ほんと、しょうもない事務所だよ。


 あ、ちなみに『魔カード』ってのは、魔法が封じられたカードのこと。

 『凄まじく便利なアイテム』なんだけど、一回きりの消耗品なのが玉に瑕。


「じゃあね、クズども。これから、色々と大変だろうけど……知ったこっちゃないね。ボクに悪意を向けたことを後悔しながら、とことん苦しめ」


 最後にそう言い捨ててから、ボクは、事務所の奥にある『隠し扉』を開ける。

 こういう反社連中の事務所には、もしもの時のための『抜け道』があるもの。


 表から出ると、誰に目撃されるか分からないから、

 この抜け道からソっと抜け出すことにする。


 一応、ロングコートにフード姿だから、目撃されても、ボクだとはバレないだろうけど、念には念を……

 ラストローズ辺境伯から、ちょっとだけ怪しまれたりもしていたからね。


 ……でも、あれ、なんでなんだろうね?

 ボク、何一つ怪しくないと思うんだけど……

 ボクなんて、どこからどう見ても、ただのショボい奴隷でしょ。



 ★



 ……事務所の抜け道は、

 歓楽街の外れまで繋がっていた。


 人の気配がまったくない場所に出たボクは、

 ロングコートを脱いで、小脇に抱えて、家まで走った。


 家に帰る道すがら、

 『鴉の51番たちを、植物人間にしてしまったこと』に対して、

 多少の罪悪感みたいなものが沸いてきたけど、


「……反撃されたくないなら、最初から攻撃しなきゃいいだけだ。必死に生きているだけの人間の邪魔をするな、くそったれども」


 自分の言葉で、自分の心に整理をつけて、

 ボクは、9番が待っている家へ帰った。


 ポルのオッサンのことはどうでもいい。

 すでにオッサンに対する復讐は終わっているから、死ねとも生きろとも思わない。

 ボクの人生の邪魔だけはするな。

 邪魔さえしないなら……『植物人間ウイルス』は使わないでおいてやるよ。



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― 新着の感想 ―
初感想失礼します。  空に向かって、『アネゴ』とやらに救いを求める51番。 空に向かって話してる感じ、この『アネゴ』ってもしかして蝉原さんだったりするのかな? いつも応援してます!
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