155話 最終試験。
155話 最終試験。
「猿の17番の勝利。実技試験、合格だ」
「わーい」
子供らしく、ボクは両手をあげて、喜びを表現してみせた。
★
控室に戻ると、黒猫の99番が近づいてきて、
「あの雷カゲロウが、擬態の魔王マパネットか?」
「そうそう。得意なのは擬態だけじゃないけどね。というか、むしろ、擬態はオマケ。マパネットの真価は、デバフ散布能力にある」
「魔王召喚能力……本当に破格だな」
「すごいよね。もし、この力が暴走でもしようものなら、人類は一巻の終わりだよ」
「その心配はしていない。お前の本体であるアバターラなら、魔王召喚能力を完全にコントロールできる……と私は信じている」
「だからぁ! 本体、ボクぅ!」
この煽りネタ、温情で我慢してやろうと思ったけど、
不意打ちをくらうと、やっぱりダメだね。
普通にブチ切れてしまった。
と、そこで、ボクの中にいるモンジンが、ボソっと、
(感情を処理できん人類はゴミだと教えたはずだがな)
(やかましいわ。ゴミで結構。ムカつくもんはムカつくんじゃいっ)
心の中で、モンジンと『ガキのケンカ』していると、
99番が、冷静な声で、
「魔王召喚能力が破格なのは間違いないが……最終試験では、マパネットは使えないぞ」
「ぇ、ぁあ、えっと、確か……最終試験は、実技を突破した受験生全員で、ラストローズ辺境伯と戦うってやつだっけ」
「そうだ。魔王マパネットなら、ラストローズ辺境伯を痺れさせることもできるだろうが……」
「そんなことしたら、色々と終わりだもんね」
「それで? どうする? 最終試験で、ラストローズ辺境伯に認められないと合格はできないぞ」
「それに関しては、実は、秘策があるんだ」
「秘策? どんな?」
「ふっふっふ……まあ、見てなよ。対ラストローズ辺境伯において、ボクは、切り札を二つも残している。この意味がわかるな?」
★
2次の実技試験を突破したのは、合計53名。
その中には、
「猿の20番じゃないか……生きとったんかワレェ」
「はぁ? なんて? われ?」
「あまり気にしなくていいよ。つい、ボクのコミカルがあふれ出ちゃっただけだから。それより、よく実技試験を突破できたね、20番。君がタフで賢いのは認めるけど、正直、二次試験は無理だと思ってた」
「成長しているのはお前だけじゃないんだよ。てか、お前に負けたことが悔しすぎて特訓した。今まで、本気の努力とかしたことなかったけど、カスのお前なんかに負けっぱなしは絶対に嫌だったから、マジで頑張った」




