152話 20番が謎に高性能。
152話 20番が謎に高性能。
「……もうやめて! ボクのライフはとっくにゼロよ!」
「はぁ?」
「失礼。噛みました」
「……今の発言は噛んだとかじゃないと思うが……本当に、お前は変な奴だな」
と、そこで、視界の隅に、『猿の20番』が歩いている姿がうつった。
「99番、ちょっと、ごめん。同期に話しかけてくる」
ボクは、そう言ってから、99番に背を向けてダッシュ。
駆け足で近づいて、20番の肩をポンと叩き、
「よう、ブラザー。筆記試験、どうだった?」
「受かったけど? 17番、お前は? お前バカだから、当然のように落ちたか?」
「ナメんなよ。ちゃんと60点を取って合格したさ」
モンジンが答えを全部覚えていてくれたので、満点とることもできたけど、
それは怪しまれるということで、合格ギリギリの60点にしておいた。
「マジかよ……まあ、あの程度の試験だったら、『カスの17番』でもクリアできるか。お前、確か、普通の計算と読み書きは出来るタイプの奴隷だったしな」
まともな計算や読み書きが出来ない奴隷もたくさんいる。
だから、ボクは、決して底辺ってワケじゃない。
……けど……
「ちなみに、俺は90点だったけどな」
まともに読み書き計算ができる奴らの中では、最底辺。
……情けない話だ……
「20番……前から思っていたけど、きみ、まあまあ高性能だよな。強いし、賢いし」
「そんな俺とは逆に、お前は弱いし、バカだよな」
「君よりバカなのは認めるけど、君より弱くはないよ」
「麻痺攻撃がたまたま通っただけなのに、調子にのるな。まともに殴り合ったら、俺の方が絶対に強いだろうが」
★
――『二次試験』は実技。
筆記試験に合格した70名で負け残りトーナメントを行い、2回負けたら不合格。
実にシンプル。
そして、ボクの初戦の相手は……
「ちょっとぉ……どういうつもりっすか。99番さんよぉ……」
初戦の相手は……黒猫の99番。
『存在値72』VS『存在値9』。
結果は火を見るより明らか。
「二次試験のトーナメント表は完全にランダムで決まる。お前の運が悪いだけだ」
「いや、でも、そこは、99番姉さんの力で、こう、裏から手を回す的なアレで……」
「そこまでの力があるわけないだろう。所詮、私は奴隷だ」
「……せめてあなたは、シード枠になっていてほしかったなぁ……」
マパネットを使えば勝てなくはない……
けど、ここでボクが99番に勝つのは、流石におかしい。
せっかく、ラストローズ辺境伯のヘイトがアバターラに向かっているのに、ここでボクが99番に勝ったりしたら、また怪しまれるじゃないか……




