149話 意識高い系の横文字を使ってマウントを取ってくる激イタ野郎。
149話 意識高い系の横文字を使ってマウントを取ってくる激イタ野郎。
「あれほどの男は、他に見たことがない。そんなアバターラが、お前なんかの分身というのは信じられないのだが?」
「君は勘違いしている。あいつはただの『狂人』だよ。言っていることの大半が、意味不明だっただろ? ボクは、モンジ……アバターラと、散々コミュニケーションをかわしてきたから、あいつのヤバさを全部知っている。もしかしたら、君が美少女だから、君の前では猫をかぶっていたのかもしれないけど、本当のあいつは、頻繁に意識高い系の横文字を使って賢ぶってマウントを取ってくる爆裂厨二の激イタ野郎なんだ!」
「それ以上、私の恩人であるアバターラを侮辱するのは、たとえ、アバターラの分身であったとしても許さない」
「だから、ボクが本体ね! なに、もしかして、脳が現実を拒んでいる感じ? そんなにボクが本体だってのが我慢できないの?」
「お前は本体ではない。お前はアバターラから大事なところを取り除いた搾りカスだ」
「す、すごいこと言ってる……解任だよ。君がアバターラと結んだパートナー契約は、本体権限で、この瞬間をもって破棄させてもらう。この度は、弊社にご応募いただき、誠にありがとうございました。慎重に選考しましたところ、誠に残念ではございますが、今回はご期待に添いかねる結果となりました。99番様のこれからのご活躍を心よりお祈り申し上げます」
「お前の意見などどうでもいい。私はアバターラに従う」
「なんで、あんた、そんなアバターラに懐いてんだ……この数時間で、いったい、何があったってんだ……」
「アバターラは、私を暗闇の底から救いだしてくれた。一人で泣いていた私に手を差しのべてくれた。私の痛みを受け止めて……そして、包み込んでくれた。もう二度と独りにしないと……言ってくれた……」
「……アバターラ、マジでナニしたんだよ……数時間で収まるドラマじゃねぇだろ、それ」
★
なんだかんだ、すったもんだありつつも、
とりあえず、99番が、
『魔王使いの片割れであるお前が、魔王討伐隊に所属することはアバターラにとってメリットがある。だから採用試験でサポートしてやる』
そう言ってくれたので、
ボクは、たぶん、今回の採用試験で受かると思う。
99番は腹立たしい女だけど、間違いなく有能なオーラであふれている。
ボクのことを搾りカス扱いしてくるのも、なんだか慣れてきた。
彼女がどう思うかは彼女の自由。
――そういうことで我慢してやる。
温情でね!
ありがたく思えよ!




