144話 社会のダニは念入りに消毒だ。
144話 社会のダニは念入りに消毒だ。
『反社をボコって、財産を増やす作戦』は認めたけど、
こんな、午前中だけで2分も使う?
こんなことされたら、ダンジョン攻略できないじゃん……
今夜、ダンジョンに行って神器を回収しようと思っていたのに……
まあ、おかげで、奪った金品が、現金だけで1億を超えたみたいだけど……
当面、金で苦労することはない……
けど、へたに大金を使ったりしたら、
『どこで稼いだ? 盗んだのか? もしかして、お前、アバターラと繋がっているのか?』
みたいなことになりかねない。
だから、結局、あんまり使えない……
(……どうやら、アバターラのやつ、外周西区の魔王組事務所は、あらかた殲滅したみたいだな)
(やりすぎじゃない? 報告書には、合計で1万人ぐらいのヤクザを植物人間にしたとも書いてあるし。……1万て……規模がいちいちデカすぎる)
(社会のダニが一掃された……結構なことである)
(一掃はしてないけどね……末端のチンピラどもを行動不能にしただけ……まあ、それでも十分すごいけど)
ため息交じりに、ボクは続けて、
(魔王の力を、制限なしで使うと、こうなるんだよなぁ……いや、制限はあるか。なんだかんだ、アバターラも、タイムリミットを気にして、2分しか使ってないんだから。それでも、半日で、大手ヤクザを壊滅寸前まで追い込めるんだから……あらためて、魔王ってすごすぎるよね……)
そんな事をつぶやきつつ、
ボクは、今日も職探しに向かう。
本当は、夕方まで休んで、夜のダンジョン探索に全力を出すつもりだったけど、
アバターラの無茶のせいで、今日は、もう、ダンジョン探索は無理っぽいので、
とりあえず、ダメ元で、仕事を探してみることにした。
礼拝堂の出張所に向かい、窓口で担当者と面談。
どうせ、前と同じで『お前を紹介できる仕事はない』と一蹴されるんだろうなぁ、
なんて思いつつ、やる気のないジト目で、担当者の出方をうかがっていると、
「ちょうど、今朝、とある仕事の人員募集があったんだが……17番、お前、いってみるか?」
「え、マジっすか?」
「採用するかどうかは、テストをしてから決めるらしいから、お前が職にありつける可能性は低いけどな。こういう、採用試験の形式だったら、お前みたいな雑魚を紹介しても、特におとがめはない。やる気があるなら申し込むぞ」
「あざます。ぜひ、お願いしまーす」
「わかった。じゃあ、申し込んでおく。採用試験は今日の午後だから、そのまま指定の場所に向かってくれ」




