142話 格上は格下に『地球破壊努力を薦める』のが、世の常。
142話 格上は格下に『地球破壊努力を薦める』のが、世の常。
(就職に有利な道具を出してよ、モンジえもん!)
(しょうがないなぁ、17番太くんは。ぱぱぱっぱぱー、ビッグ努力ぅ)
(君は根性論ばっかりだな……『頑張る』っていう選択肢以外は一つもないの?)
(あと、『どこでも努力』と『地球破壊努力』あたりがおすすめだが、どれにする?)
(……努力したところで、就職はできないよ)
(1000年ぐらい努力すれば、たいていのスキルは身につくぜ)
(……そうだね)
ボクはため息交じりにそう流してから、
(やっぱ、ダンジョンで、『就職に有利な神器』を回収するのが一番現実的かなぁ……)
(……『装備するとTOEIC800点以上になる指輪』とかな)
(転生前だったら、喉から手が出るほど欲しい指輪だけどねぇ……)
今日の分の召喚リミットは、もう使い切っているから、
ダンジョンにいくとしたら明日だな……
★
《雅暦1001年7月18日朝》
朝起きると、いつもどおり、9番が、ボクを抱き枕にしていた。
穏やかで平和な朝だ。
空も雲一つない快晴。
「うーん」
と、背伸びをしながら、あくびをしていると、
ボクの横に、小さなリス……マパネットがシュっと現れて、
ソっと、一枚の紙を置くと、そのまま消えていった。
……その間、およそ、コンマ2秒。
「おそろしくはやい置き手紙。ボクじゃなきゃ見逃しちゃうね」
などと、ノリだけの言葉を口にしつつ、ボクは、その紙を手に取って、中を確認する。
『アバターラの動向の詳細』が書かれていた。
ちなみに、この形での連絡方式は、モンジンが提案してくれたもの。
これなら、5分しかない魔王召喚時間を極力無駄にしないで済む。
えー、なになに……
『姉の5番は身体能力が高いけど、妹の10番はひ弱。ただ、10番は、アイテム制作に長けている』
んー、知ったこっちゃないねぇ。
……こういうどうでもいいプチ情報は省いてほしいなぁ。
なんでもかんでも、報告しなくていいよ……
ため息交じりに、続きを読んでいく。
どうやら、アバターラは、魔王マパネットを駆使して、『魔王組』の事務所にカチコミを仕掛けて、ヤクザ連中を、片っ端から植物人間にしつつ、金品やマジックアイテムを強奪しまくっているらしい。
現時点で既に5000万ユウガほどの現金を回収……
5000万?!
すげぇ額だな……
なんて思っていると、モンジンが、ボソっと、
(アバターラくん、ずいぶんと精力的だねぇ。元気があって大変よろしい)




