140話 そして始まる本格的な職探し。
140話 そして始まる本格的な職探し。
「あまり無理しないでくださいね。結構、顔が疲れていますよ、センパイ」
そう言って、ボクの頬を撫でてくる9番。
不思議なもので、ただそれだけなのに、謎の闘志みたいなものが湧いてきた。
ボクの情緒は完全に壊れている。
でも、それでいい。
もう、それでいい。
ボクは、9番と一緒に、寝床に転がって少しだけ眠ることにした。
9番は、横になると、すぐに寝ついてしまった。
この寝付きの速さは……もしかすると、限界まで眠気を我慢して、ボクの帰りを待っていたのかもしれない。
そんなことを思いつつ、ボクは、まどろみの中に溶けていく。
幸せという概念の意味が……ほんの少しだけ分かった気がした。
たぶん、気のせいだ。
★
3時間ほど眠ってから、ボクは、礼拝堂の2階……『執行部の出張所』へと向かった。
いつも、ここで、50万を払って地下迷宮の通行証を貰っているわけだが、
今回の目的はそれとは違う。
「職探し? お前が?」
「最低でも年100万以上稼げる仕事を紹介してください。もし可能なら、200万稼げる仕事を紹介してもらいたいっすね」
200万稼げれば、ボクが9番を100万で雇うという形で、めでたく二人とも平民に昇格することができる。
「お前じゃ100万の仕事も無理だ。スペックが低すぎる」
「一応、闘技場での優勝経験もありますけど?」
「知ってるよ。麻痺ゴブリンの17番。……お前が、『闘技場という限られた舞台の中だと、それなりに輝ける』っていうことは、みんな知ってる。だが、同時に、それ以外は特に何もできないゴミ奴隷だってことも、みんな知っている。ポルが方々で、お前の無能ぶりを愚痴っているからな」
あのオッサン……やはり、殺すしかないか……
「な、何もできないってこともないですよ。……たとえば、ボク、めっちゃサードアイのスペックが高いんですよ。あなたの存在値は27! どうです、ピタリでしょう?」
神眼モノクルがあれば、この程度は容易い。
『相手の数字がハッキリ分かる』というのは結構な特技……なのだけれど、
「ああ、そうだな。……で、だからなんだ?」
「なんだと言われたら、こっちとしても、困り果てるコトしか出来ないですが……」
「たまぁに、いるよ、お前みたいに、相手の存在値がピタリ賞で分かるやつ。でも、別に、それで金は稼げねぇだろ」
「まあ……そうですね……ボクもそう思います……」
「猿の17番……お前が多少、芸達者なのは認める。




