139話 7番とアバターラのおかげで、怪しまれることなく動けます。
139話 7番とアバターラのおかげで、怪しまれることなく動けます。
(ボクは『魔王なんて知らぬ存ぜぬ』で通せる。安全に、確実に、侵略を進められるってわけだ。マジでラッキー)
(ダンジョン探索に関しては、今後も、お前の担当だけどな)
(ああ、そっか。そうだね……たぶん、手配書とかが出回るだろうから、アバターラは、ダンジョンに入ることができない……)
(警備員を気絶させるって手段で、ムリヤリ突破することも出来なくはないだろうが……)
(ああ、それもありだね……ただ、そんなことを続けていると、ダンジョンを閉鎖するとか言い出しかねないんじゃない?)
(その可能性も……まあ、なくもないな。上位貴族連中が本気を出せば、魔王の力を使っても突破できない『完全な封鎖』を実行することも……できるかもしれない。出来ないかもしれないが……その辺、確実じゃない以上、無茶はしない方がいいか……)
(ダンジョンに行けなくなるのが一番困るしね。現状だと、7番と一緒に決めた『言い訳』があるから、ボクがダンジョンに通い続けても、別に、怪しまれないだろうし……というか、流石に、上も、『犯人はアバターラだ』と思っているだろうから、今後、ボクを疑うことってないんじゃないかな……そうなると、7番が、ボクを監視するコトもなくなるから……7番と相談する方法とかも考えないとなぁ。怪しまれないために、いっそ、ボクと7番が付き合っているって設定でいく?)
(……それが一番怪しいだろ。なんで、あんな見た目も中身も高品質な女が、お前みたいな『丁寧なゴミ』と付き合うんだよ。人生ナメんな)
(よし、表出てかかってこい。ケンカだ)
(できるなら、とっくにやって殺している)
★
《雅暦1001年7月17日 早朝》
家に帰ると、すでに目を覚ましていた9番が、いつもと同じく、駆け寄ってきて、ボクにギュっと抱き着いてきた。
「センパイ、今日は随分、遅かったですね」
「ああ、まあ、色々あってな」
「いろいろって?」
「ぁあ……まあ、とにかくいろいろあって、結果、『ボクの秘密がバレる可能性』が『かなり低く』なった。というわけで、ここからは、全力で平民になるため、動き出そうと思う」
平民になるためには、最低でも『継続的に年収100万以上を稼げる仕事』につくことが必要。
「幸い、今日・明日は休みだから、丸2日かけて、職探しをしてこようと思う」
「あまり無理しないでくださいね。結構、顔が疲れていますよ、センパイ」




