132話 裁き殺す。
132話 裁き殺す。
ヒュンヒュンと空で回転している腕。
そんな状況でも、ゼンドート伯爵は、
「よくも僕の腕をぉおおお!!」
心折れることなく、左の拳をかたく握りしめて、
「ナメるなよぉお! 僕の拳は正義の審判!! 宿れ、命の火よ! そして咆哮せよ!! 歪んだ運命など、今ここで裁き殺すッ!」
ちょっと何言っているか分からないコトを叫びながら、ゼラビロスの顔面に叩き込んだ。
その拳は、クリティカルヒットして、ゼラビロスをドガンと吹っ飛ばす。
なんでやねん。
(マジかよ……なんで? ねぇ、なんで? ゼンドート伯爵の存在値って115だよね? なんで、素手で、魔王を吹っ飛ばせるの?)
(やばいな、あの野郎。想像をはるかに超えるキチ○イだ。正直、ナメてたぜ。……まさか、あんな『厄介な性格』をした変態が、あれほどの莫大な力を持つとは………しんどぉ……なんで、この世界は、いつも、俺に厳しいんだ? 誰か、いい加減、教えてくれよ)
そんな風に、ゼンドート伯爵の謎の強さにチビっていたが、
(の、残り2分か……この後の事も考えると、道徳の授業も、この辺で終わりにしないとね……)
ボクが苦々しい口調でそう言うと、モンジンも、舌打ちをして、
(ちっ。あの野郎のことは、もっと、ボッコボコにしたかったんだがな……くそが……)
(パリピーニャも呼べばよかったねぇ……)
もっと、ボッコボコのギッタンギッタンに叩きのめしたかったけれど、
もう時間もあまりないので、ゼラビロスには次の行動にうつってもらう。
このまま、『燕の5番』を放置していたら、ゼンドート伯爵に何をされるか分からないからね。
ゼラビロスに回収してもらう。
そして、そのまま、5番の妹も回収しにいってもらう。
2人をさらったあとどうするかは……まあ、また、あとで考えるさ。
「死ね、魔王ぉおお! 闇爆砲ランク8!!!」
ゼンドート伯爵の強烈な魔法が炸裂。
その攻撃を、ゼラビロスは優雅に回避して、
そのまま、ゼンドート伯爵に背を向けてダッシュ。
「逃げるなぁああ! 卑怯者めぇええ!」
内心でどう思っているかは知らないけど、
ハイになったゼンドート伯爵は、そう叫びながら、ゼラビロスに追撃の一手を放った。
その攻撃もサクっと回避しつつ、
ゼラビロスは、倒れている5番をサっと回収。
小脇に抱え、そのまま爆速ダッシュで、この場から退場していった。
「……?! な、なぜ、5番を……」
ゼンドート伯爵は、ゼラビロスの行動の意味が理解できないようで首をかしげている。




