124話 性罰。
124話 性罰。
ここまでくると、もはや、下衆とかじゃない……
宇宙的恐怖みたいなものすら感じる。
『人間に想像可能な範囲』の枠外という印象。
正直、一秒たりとも関わり合いになりたくない……
会ってほんの数十秒で、ボクをここまで引かせるとは……
ただ者じゃないな……
もはや、アッパレ。
「助けて……くれたんじゃ……なかったの……? 感謝……して……たのに……優しい人の奴隷になれたって……喜んで……いたのに……妹だって……あなたに……感謝して……」
と、激痛と苦悶の中、涙をボロボロと流しながらつぶやく5番。
その様を見て、流石に、気分が悪くなってくる。
別に、この5番に、思い入れとか一切ないけど……
流石に……なぁ……
そんな風に、ボクが、この状況全般にドン引いていると、
ゼンドート伯爵が、淡々と、
「君の妹も罪人の身内として処理させてもらう」
「?! ……そ……そんな……」
「僕だって、こんなことはしたくない。だが、正義のためだ。悪を見逃すわけにはいかない。一時の感情だけで悪を許容してしまうと、世界はあっという間に穢れてしまう。だから、僕は、身を切る思いで、君の妹も断罪する。窃盗に対して、僕は『性罰』を与えると決めているんだ。だから、君も、まだ死ねない。このあとで、性罰を受けてもらって、それから死んでもらう」
そこで、ボクは、おずおずと手をあげて、
「あのぉ……ゼンドート伯爵」
「なんだ、17番」
「せいばつ? って何ですか? その単語、あんま聞いたことないんですけど」
「女性の尊厳を最も傷つける行為……それは、強姦だろう。彼女の罪は重い。だから、重たい罰を受けてもらう。とはいえ、そこらの浮浪者の相手をさせるほど、僕も鬼ではない。せめてもの情けに、清廉な僕が、執行人を務める」
(つまり、この人は、今から、12歳の女の子と、その妹を犯す、と。それも、理由としては正義のために。……す、すごい。……発言全部が、人間を超越している。ここまで前衛的な人を見たのは初めてだ……もはや、尊敬に値するよ)
ボクの心のつぶやきに対し、モンジンが、
(あのゼンドートってやつ、ずいぶんと強い信念をもっているな。そして、なかなか的を射た思考をしている。俺の考え方とちょっと似ているところがあるな)
(え、マジで?)
(ああ。俺も、強姦が『罪の中でも相当上位に位置する』と認識している。俺は胸糞が嫌いだからな)
モンジンの発言には、確かな熱があった。
本音の底は分からないけれど、ゼンドート伯爵に対して、強い感情を抱いているのは間違いない。




