116話 はやく、ボクに答えをおしえたまえよ。
116話 はやく、ボクに答えをおしえたまえよ。
ニヘラと笑ってから、ボクはアバターラのスペックを確認する。
(どうだ、17番)
「死ぬほどゴミだね。こんなゴミは、鏡以外で見たことないよ」
ようするに、ボクとほぼ同等のステータスだった。
ほぼ……というか、コピペしたみたいに、完全に一緒だ。
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名前『アバターラ』
メインクラス『召喚士』
サブクラス 『たま〇ぎ剣士』
・称号『奴隷』
《レベル》 【6】
[HP] 【83】
[MP] 【11】
「攻撃力」 【2】
「魔法攻撃力」 【3】
「防御力」 【5】
「魔法防御力」 【3】
「敏捷性」 【2】
「耐性値」 【2】
「魔力回復力」 【1】
「反応速度」 【3】
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「アバターラって7割スペックになるんじゃなかったっけ? 見た目と性格はともかく、ステータスに関しては完全に、ボクのコピーなんだけど」
(17番のステータスを基盤に、俺の外殻をくっつけたのか……なんで、そんなワケのわからんことを……)
「それを考えるのが君の仕事だ。さあ、答えを出したまえ。君は何でも知っている神的な存在なんだろ? ほらほら、はやく、ボクに答えを教えてくれたまえよ」
(体を失っているのが本当に悔しい……もし、俺に生身の拳があったら、今頃、お前の顔面は真っ赤に腫れあがっていただろう。できたら、アバターラに号令を出したいところだが……俺の命令を聞く感じではないんだよなぁ……)
モンジンは、ため息交じりにそう言ってから、
(せめて、見える場所に神字が書かれていればなぁ……多少は考察できるんだが……)
「さっきから言っている、その神字ってなに?」
(……前にも言ったが、この世界は、コスモゾーンという汎用量子コンピュータが演算する高次多層プロセスの投影結果にすぎない。全世界、全生命、あらゆる物理現象は、変数として管理され、動的関数として制御される演算対象だ。コスモゾーンは、この世界の中枢オペレーティングシステムであり、物理層に相当するハードウェア基盤であり、同時に自己最適化型の解析AIでもある――そしてある側面では、あらゆる可能性を崩壊させる『概念的ウイルス』でもある)
「ああ、前にもなんか言っていたね……ほぼ全部忘れたけど。そして、今も右から左に流れていったけど」
(……『神字』ってのは、そのコスモゾーンに対して送る、超上位権限のコード命令。通常、世界は『封じられたソースコード』のように外部から書き換えることはできない。だが、神字はその限界を突破する。『コスモゾーンのAPI』に直接アクセスし、この現実のルールそのものを書き換える『マスターパスキー』……)
「ああ、APIね。はいはい。あの腐ったら食べられないやつね」
(……たとえば──ただの木刀に『この剣を振ると、炎が発生する』という神字を刻めば、コスモゾーンはその命令をコンパイルし、実行環境上へと即座に反映させる。結果、ただの木刀が、『炎の木刀』という神器となる。または、肉体に『HPが0になった瞬間、自動で回復せよ』という神字を書き込めば――それは、死という現象に対してイベントリスナーが登録されるということになる。そして、HPが0になった瞬間、例外発生として処理が分岐し、あらかじめ記述された蘇生スクリプトが発動する)




