095 メマルガ町
俺達は地竜の馬車で近くの町メマルガに着いた。
都市と言えない程度の中規模の町メマルガは、入市税等は無く無料で町に入る事が出来るが、モンスターの襲撃から町を守る為、2m程度の土壁に囲まれており、入口には門番が2人がいた。
「ご苦労さん。地竜は珍しいなぁ。」門番から声を掛けられた。
「ご苦労様、地竜を預けられる宿はどこにある?」
御者席に座るジャイアントハーフの聖騎士リンが、門番と会話している。
「地竜を預けられる宿は聞いた事が無いなぁ、1番大きい宿はこの先の武器屋の角を右に曲がれば、直ぐ右手にあるから聞いてみな。」
「有難う。」
リンは銀貨を門番に渡し先に進む。
町で1番大きい宿である『貴人の宿』に到着した。
「宿に泊まりたいのだが、地竜は預かって貰えるのかな?」
リンが宿の従業員に尋ねる。
「ち、地竜ですかぁ?預かった事は無いですねぇ。」
「ふむ。地竜が休める様な場所はあるのかな。」
「馬用の厩舎はありますが、とても地竜は入れません。裏庭で良ければそれなりに広いので、屋根は無いですが休む事は出来ると思うのですが、今まで地竜を世話した事は無いので、責任者に相談させてください。」
「分かった、私も同行しよう。タクミ様とノワは、少し街中を散策していてください。」
「分かった。」
「ぃやったぁー!」
と言う事で、俺とブラックジャガー獣人のノワは2人で街を散策する事になった。
「てへへ、デートですねぇー。」
「そ、そうだなぁ。」
「ところで、タクミ様は旅人と名乗ってましたが、冒険者は辞めるのですかぁー?」
「そう言う訳じゃ無いけど、なんか面倒になる事が多いので、この町では行く気は無いかなぁ。」
「じゃあ、ババ様に教わった時に作ったポーションが大量にあるので、売りに行ってもいいですかぁー。」
移動中にノワは暇が有ればポーションを作っていたので、それなりに出来てるんだろうな。
何度も作る事によって技術も向上するから、一生懸命だったなぁ。
「おう!良いよ。お金はいっぱい有るから、無理に売らなくても良いけどね。」
「えへへ、ありがとぉー。相場も知っておきたいので、薬剤店より商会に行きたいですぅー。」
「おう、いこいこ。」
屋台で串焼きを買って、買い食いした際に、町で1番大きい商会であるマウワージ商会の場所を、屋台のオヤジに教えて貰った。
俺達は商会の中に入る。
「いらっしゃいませぇ。」
店員の女の子の元気がよい挨拶が気持ち良い。
「何をお探しですかぁ?」
首を傾げながら軽く頭を下げて、上目遣いに俺を見る、計算された可愛い仕草にドキッとする。
「もぉー。」
ノワが俺の表情を読んで、ちょっと拗ねながら腕を組む。
「ポーション売り場はどこかな?」
「はい。2階になっておりますので、ご案内いたしますねぇ。」
俺達は店員の女の子に案内されて2階に上がった。




