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悪逆無道の異世界冒険記  作者: ボルトコボルト
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084 ママツヤ将軍

迷宮都市リトットの領主であるリトット伯爵。


その居城を襲撃中の俺達。


「助けてええええ!」


大声で助けを求める使用人の女を追う、ブラックジャガー獣人のノワ。


「シィイイ。」

特殊な呼吸法で小さく声を出したノワは、女を追ってしなやかに走る。


獲物を追う猫型の肉食獣の走り。


2階の階段を登り切り、両側に部屋がある廊下を走る女。


ノワはあっと言う間に階段を飛び越え女に追い付き、手にしたナイフを振ろうとした瞬間。


右横の扉から大剣の刃が飛び出て来た。


ズシュゥウウ!


飛び退くノワ。


ズダアン!


扉が蹴り飛ばされて、現れる大男。


「貴様が賊かあああ!」


ノワは長身だが、それ以上の長身の男。


幾多の戦場を戦い抜いてきた威圧感を纏う迫力ある眼光と顔の刀傷が凄みを増す。


「・・・。」


ノワは無言で男を見詰め身構える。


平常心。


気負いもなく淡々と作業をこなす、玄人の暗殺者ならではの心持ち。


「ふん、答えぬか。ならば・・・。死ねええええええい!」


男は大剣を両手で持ち振り回す。


ノワは余裕で躱すが、男は気にせずノワに踏み込みながら大剣を振る。


風圧が巻き起こる程の勢いでありながら、次の動作に滞る事無く、連続で振るわれる大剣。


戦場で何百何千の敵を葬って来た、実戦で磨き抜かれた技術だ。


男が扉を壊して出て来た部屋の奥の部屋より、もう一人の男が現れる。


「ママツヤ将軍、そいつが賊か?」


「はい。中々すばしこい奴です。少々お待ちを・・・。」


そう言いながら、将軍は大剣を高速で振り回し、ノワを攻撃する。


ノワはことごとく躱す。


「王国最高戦力の一角を担う、ママツヤ将軍の猛攻をこれ程躱す者は珍しいなぁ。」


「マトクシ公爵!」

ノワは声を発した。


「そうだ。俺がマトクシだ。お前は何処に属する賊かな?」


将軍に絶大なる信頼を置く公爵は余裕で話し掛ける。


「・・・。」

無言のノワ。


ドカッ!ズダアン!ガガン!


将軍の猛攻は休み無く続き、廊下に飾ってあった鎧や、壺、各種調度品が大剣で壊されていく。


「ちょこまかと逃げ回りやがって、これならどうだああああ!」


将軍の身体がぶれると、将軍は瞬間的にノワの前に現れた。


縮地と呼ばれる技術だ。


そのまま大剣を横凪に払う将軍。


この距離で、この速度の攻撃は躱せない為、ノワは右手に持つ大型のナイフの刃の背に左手を添え、両手で大剣を受けた。


ガッキン!!


将軍の渾身の薙ぎ払いは通常であれば、敵の剣ごと身体を切断する威力で。大剣が折れなくても吹っ飛ばすはずだが、ノワはナイフで受け止めた。


しかも、よろめきもせず大剣は止まる。


「ほう、中々やるな。面白い。」

ニヤリと笑う将軍。


「ふっ!」

ノワは無言で瞬間的に腰を回転させた、至近距離からの回し蹴り。


柔軟性があり獣人ならではのしなやかな動き、脛が将軍の脇腹に当たる瞬間に力が入り、威力が増した。


バゴン!!


蹴り飛ばされた将軍。


「まさか?常勝無敗の将軍を蹴り飛ばす者がいるとは!」

驚く公爵。


蹴り飛ばされた将軍は片手をついて、倒れるのを辛うじて防ぎ、直ぐに立ち上がり両手で大剣を構える。


「ふん。戦いはこれからだ。本気でやらせて貰おう!」


将軍から威圧が上がり迫力増す。


「ああああああ。」

逃げるのを忘れて、呆然と戦いを見ていた使用人の女が、将軍の威圧で腰を抜かし怯えていた。

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