065 リビングアーマー
迷宮都市リトットにあるダンジョンの地下8階にいる。
モンスターと向かい合う俺達。
前に居るのはリビングアーマー。
漆黒のフルプレートアーマー、手には漆黒の盾と剣、その数5体。
リビングアーマーは鎧のモンスターで、鎧の中は空洞となっている、鎧が本体なのだ。
「ひぃえええええ。」
「な、何でこんなのいるんだよぉ。」
冒険者達は及び腰で今にも逃げ出しそうだし、騎士達も剣は構えているが、怯えて震えている。
第三王子レクはジャイアントハーフの聖騎士リンの、後ろに隠れて顔だけ出して、リビングアーマーを見ている。
「お前等なぁ。」
俺はアイテムボックスから聖剣を出して構える。
「Cランク冒険者なんだろう?そんなにビビって護衛にならんだろう。」
「いやいや、依頼は地下10階までの護衛だけど、こんな強敵は普通いないんだよ。異常事態だ。Bランクでも難しいだろう。」
リビングアーマー達は剣を振り上げ襲ってきた。
俺は聖剣を横に薙ぎ払う。
ブゥウウン!
聖剣の風切り音。
ガシャガシャッ!
聖剣から飛び出す光の斬撃がリビングアーマー達を上下に切断した。
「うおおおおお。」
「すっげええええ。」
「一瞬でリビングアーマーを倒しちゃったよおおお。」
冒険者達の歓声が上がる。
「素材回収行って来まーす。」
ブラックジャガー獣人のノワが、リビングアーマーの鎧を一纏めにする。
「リビングアーマーの素材は鎧と盾、剣、そして魔石じゃな。」
狐獣人のババがリビングアーマーを確認している。
「壊れた鎧も価値があるのか?」
「ははは、こんな鎧は元々そのままで装備は出来んのじゃ。溶かして素材として利用するのじゃ。」
「成る程。」
俺は一纏めになったリビングアーマーの鎧と剣と盾を、アイテムボックスに収納した。
「しかし流石タクミ様だよなぁ。」
「強すぎだね。」
冒険者達がヒソヒソ囁く。
「お前等なぁ。何もしないで飯ばっかり喰いやがって、都市に戻ったら飯代請求するからな。」
冒険者達は、初めは持参した干し肉とドライフルーツを食べていたが、タクミがアイテムボックスに収納していた、温かいスープと柔らかいパンや肉を見て、涎を流して土下座でお願いするので、タクミが用意した食事を食べていたのだ。
「ええええええ。」
「そ、そんなぁ・・・。」
「当然だろう。助けられた上に食事を無料で貰える訳ないだろう。」
第三王子レクは、何故か胸を張って冒険者達に説教している。
レクと騎士達もタクミの食事を貰っているが、前払いで対価を支払っている。
「いや、お前等も金は貰ったが、元々俺達がダンジョン攻略の為に用意した食事を、毎食喰うなよ。たまには自分達で用意した食事を食え。」
「え!」
「いや、しかし・・・。」
レクと騎士達もオロオロし始めた。




