058 強盗冒険者
迷宮都市リトットのダンジョンで昼食を食べていると、休憩していた冒険者が「飯を寄こせ」って絡んできた。
「お断りします。貴方達に食事を無料で提供する気はありません。」
きっぱり断る俺。
頷くジャイアントハーフの聖騎士リンと、ブラックジャガー獣人のノワ。
無表情で男を見詰める、狐獣人の薬師ババ。
「なにいいい!余所者がでかい態度をしやがって!」
この男も俺達をジロジロ見た後ひと睨みするが、俺は毅然として見返す。
「ちっ、後で吠え面をかくなよ!」
舌打ちをして、捨て台詞の後仲間達の元に戻る男。
男は仲間達の元に戻ると、他のパーティーに声を掛け何やら悪巧みをしてる様だ。
「襲ってくるかな?」
俺小声ではババに聞いてみた。
「さあ、どうじゃろう?儂らが回復薬を持っている事を知っているから、奪おうとするかものう。」
「もうお腹いっぱーい。」
振り返ると、ノワは座ってお腹を擦って休んでおり、リンも食事は終わった様だ。
「取り敢えず食事の後片付けをするか。」
「そうじゃのう。」
その時、3組のパーティー全員でこちらに向かって来た。
5人、6人、6人の3パーティーは、全員で17人、ちょっと多いか?
人数が多いと気持ちが大きくなるからなぁ。面倒臭いなぁ。
先程、食事を寄こせと言った体格の良い髭面の男が先頭を歩く。
「おい、余所者、俺はCランク冒険者のダスルだ。黙って回復薬を出せ!」
リンとノワが身構え、ノワが小声で。
「タクミ様ー。殺しましょーか?」
「俺に任せとけ。」
ノワに小声で答える。
「断ったらどうする?」
「ふははは、生意気言うなよ、小僧と女とババアに何が出来る。大人しく従った方が身のためだぞ。」
「つまり断れば、俺達から無理矢理奪うと言う事だな!」
「つべこべ言うなああああああああ!サッサと出せえええええええええ!」
先頭の男が大声で威圧しながら武器を構えると、冒険者達の何人かが、武器を出して身構えた。
「強盗か!」
取り敢えずツッコミをしておく。
「誰か来ます。」
ノワが小声で囁く。
「ふざけるなああああ!」
男が剣を振り上げ踏み込んで来た。
「うるせええ、え・・・。ぐふっ!」
ゴトッ!ゴロゴロゴロン・・・。
武器を構えた冒険者5人の首が落ちた。
「きゃああああああああああああ!」
後ろにいた女冒険者が悲鳴を上げる。
「どうしたああああ!」
ホールの入口から駆け寄る影。
10人の冒険者達がホールに入ってきた。装備はボロボロであちこちに傷が見える。片足を引き摺りながら歩いて来る者もいる。
「ひぃいいいい!」
「助けてええええ!」
強盗の冒険者達の中から3人の女冒険者が、ホールに入ってきた冒険者達に、泣きながら助けを求めて駆け寄る。
残る強盗の冒険者達は呆然として立ち尽くす、その間を進む冒険者達。
「いったい、何があった・・・。」
首のなくなっている死体を見て驚く。




