053 リトットのダンジョン
「さて、ダンジョンに行こうか。」
「レッツ、ゴー!!」
ブラックジャガー獣人のノワが張り切っている。
俺とノワと聖騎士リンは、朝食を食べて宿を出た。
狐獣人の薬師ババの薬屋に寄ってババと合流した。
俺とノワが並んで先頭を歩き、リンとババが黙ってついてくる。
通常、冒険者達は冒険者ギルドに寄って、依頼を受けてからダンジョンに向かうが、ランクアップする気が無いし、素材も売る気も無いので直接ダンジョンに向かっている。
ダンジョンは郊外にあるので、冒険者証を門番に提示して都市を出る。
「馬車じゃ無くて良いのか?」
「歩いて直ぐだよー。」
「ふーん。」
門を出た後、ダンジョンまでの道には、ちらほら冒険者達が歩いているのが見える。
ちょっとこっちを見てヒソヒソ囁く冒険者達。
「昨日はごちそう様でしたぁ。」って頭を下げる冒険者達。
俺達の事は眼中に無く歩く冒険者達。
皆ダンジョンを目指し同じ方角に歩いて行く。
10分程度歩くと砦の様な石垣が見えてきた。
砦の門で待ち行列が出来ていたので、列の最後に並ぶ。
「あそこがダンジョンだよー。」
「ほうほう、随分強固に囲ってるな?」
「スタンピードに備えてるのじゃ。」
ババが答えた。
「スタンピード?って魔物がいっぱい襲ってくるやつだよな?」
「そうじゃ。ダンジョンでモンスターが大量発生して、集団暴走を起こす事じゃ。」
「頻繁にあるのか?」
「頻繁にあってたまるかい。都市が崩壊してしまうわ。通常は定期的にダンジョン内の魔物を間引いているのじゃ。その観点からも冒険者がダンジョンに入るのを奨励しておる。」
「成る程ね。」
兵士が槍を持って、何やらチェックしている。
「何だ、自由に入れないのか?昨日冒険者ギルドで何も言われなかったがな。」
「そだねー。」
「何でしょう?」
「ああ、Dランク以上の冒険者のパーティーしか入れんのじゃ。」
「ん?そんな事聞いてないぞ。」
そんな話をしていると、俺達の番になっていた。
取り敢えず冒険者証を提示する。
「ん?Eランクの冒険者は入れんぞ。はい、次の人。」
門番はそう言うと俺を押し退け、次に並んだ冒険者を呼んだ。
「何じゃ。お主らEランクだったのかい?」
「そだよー。」
「ちょっと待て!」
俺は門番の腕を掴んで振り向かせた。
「ん?何だ?」
「何故、Eランクの冒険者はダンジョンに入れない?」
「弱いからだよ!そこどけ!」
後ろにいた冒険者が俺達を押し退けようとするが、リンの身体は微動だにしない。
「むっ。」
後ろの冒険者は顔を顰める。
俺は後ろの冒険者に振り向く。
「お前のランクは何だ?」
「お前?おいおい、Eランクのゴミがあああああ!口の利き方がなってないなあああ!!。俺はCランクのファルゴだ。ファルゴ様と言えええええ!」




