155 英雄達の仕置き
さて、『英雄に至る者達』のお仕置きはどうするかなぁ?
別に暴言を吐かれただけで、傷付けられた訳じゃ無いからねぇ。
なんだか、今の情けない姿を見ると、直接手を下す気がなくなって来たんだよなぁ。
ぶるぶる震えて土下座している、『英雄に至る者達』をジト目で見る俺。
だがしかし、ルイが言った様に何かペナルティを与えて、見逃すのも違う気もする。
「おい、お前等は月狼とフォレストウルフ9匹ぐらい、俺達がいなくても倒せる様な事言ってたよなぁ?」
「勿論です。俺達は使える冒険者ですので、何卒、命だけは勘弁してください。」
と勘違いしている『英雄に至る者達』の、リーダーであるミムラカ。
「ねぇ、大丈夫なの?」
と小声でタニーガを肘で押す、『英雄に至る者達』の一員モカ。
「良し、直接手を下すのは止めた。変わりに月狼と、フォレストウルフ9匹と戦って貰おう。勝てば見逃す。負ければ喰われる。」
「え!勝てる訳無いぜ。」
「はぁ? そんな事出来るもんか!」
「良いじゃ無いか。勝てないかも知れんが逃げられる。」
「そうね。サッサと逃げましょう。」
逃がす訳無いじゃん。何だかおかしな事を言ってる『英雄に至る者達』の4人。
俺はアイテムボックスから、雷の杖を取り出して、4人を雷撃で気絶させた。
「ノワ、此奴ら拘束しておいて。」
「了解でーす。」
俺達は『英雄に至る者達』を連れて、森の入口に止めて置いた地竜の馬車に乗って、リシオジに向かった。
偶然、途中の休憩所でラナと出会う。
「よお、ラナ!帰国中か?」
「あら、タクミじゃない? そうよ、国に帰るわ。」
「そう言えば、此奴らラナの領地の冒険者らしいが、俺と敵対したので、処罰する事にしたから。」
縄で縛られた『英雄に至る者達』の4人を指差す。
「え? ラナ王女?」
「マジ?」
「タクミの話って本当だったの?」
「不味いよぉ!」
狼狽える4人。
「はぁ、馬鹿な人達ね、タクミに敵対してただで済む訳無いじゃん。」
ラナは溜息をついて嘆く。
「まあな、狼に喰われるだろうさ。」
と言って、4人を見る。
「ひぃ。」
「た、助けて・・・。」
「ラナ様・・・。」
「お願いします。」
「あのね、タクミに無礼をして、辺境に送られた私が、助けられるはずが無いでしょ。」
とラナが4人に哀れみながら告げる。
その後、ラナ達と別れて、リシオジの途中で馬車を止め、リシオジにいる暗部の草に来て貰い、『英雄に至る者達』の4人は、リトットのダンジョンに輸送して貰う事にした。
ダンジョンマスターのマリカに指示して、ボス部屋で月狼と、フォレストウルフ9匹と戦わせるのだ。当然ボス部屋だから倒すまでは、出られない。
狼達に喰われるのは確定だな。




