116 ミーズ村の朝
朝、良い香りがして、ミーズ村の宿泊所で目を覚ました。
「おはよー。」
朝食を作っていたブラックジャガー獣人のノワが、俺を見て挨拶をして来たので、朝の挨拶を返す。
「おお、お早う。」
「直ぐ出来ますから、座ってまっててねー。」
「朝早くから有難うね。」
俺は椅子に座ると。
キンキン!カン!
金属が打ち合う音がする。
「何の音だ?」
「リンとルイが朝の鍛練をしてる様ですー。」
「そっかぁ。」
俺は椅子から立ち上がり音がする方に歩いて行く。
宿泊所の庭でジャイアントハーフの聖騎士リンと、Aランク冒険者の剣聖ルイが打ち合っていた。
ルイの剣をリンは盾で受け流し、短槍の石突で隙がある箇所を軽く叩いている。
「そこ、隙があります。」
ドンッ!
「はぅ。」
「攻撃が大振りにならない様に!もっとコンパクトに素早く!」
「はい。」
カン!カン!ドコッ!
「ふぐっ。」
ルイの剣撃を盾で受けて、短槍の石突をルイの腹に入れるリン。
「攻撃が素直過ぎます。フェイントを織り交ぜて攻撃しなさい!あ、タクミ様、お早う御座います。」
リンは俺に気付いて、短槍と盾を腕輪に収納し、俺の方に歩いて来た。
「お、お早う御座います。」
短槍の石突を腹に受けて、腹を抱えて蹲ってたルイも起き上がる。
「もうじき朝食が出来上がりそうだよ。」
「承知しました。汗を流して食堂に行きます。ルイ、今日の訓練はここまでにします。」
「はい。有難う御座いました。」
リンとルイは宿泊所の裏の井戸の方に歩いて行ったので、俺は食堂に戻る。
食堂のテーブルには、人数分のパンとスープとサラダが用意してあった。
俺が椅子に座ると、ノワが俺の右隣に座って。
「リンとルイは、まだ鍛練をしてましたかー?」
とノワが聞くので。
「声を掛けたら、鍛練を止めたよ。汗を流してから来るそうだ。」
「じゃあ、ちょっと時間が掛かりそうだから、先に食べてましょー。いただきますー。」
「お、おう、いただきます。」
俺とノワが朝食を食べていたら、リンとルイも加わり、4人で朝食を済ませた。
「村長に挨拶してから森に行こう。」
と言うことで、4人で村長の家に行き、宿泊所を借りた御礼の銀貨を数枚村長に渡した。
「お茶でも飲んでいってくだされ。」
と村長が言うので、村長と孫娘のトキョーを入れて6人でお茶を飲む。
お茶を飲みながら、ルイがトキョーに冒険の話を聞かせたら、割と時間が経っていた。
その時。
「馬車で誰か来ました。」
ノワが探知したようだ。
「外に出てみよう。」
俺達は村長と村長の家を出ると、門から馬車が近付いて来た。
馬車は村長の家の前に止まり、馬車から降りて来たのは。
「タクミ!来てくれたのね!」
笑顔の第二王女のラナだった。




