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1、もしも、モモがサンタクロースだったら

٩(๑′∀ ‵๑)۶•*¨*•.¸¸♪いつも読んでくださってありがとうございます。日頃の感謝を込めまして、特別番外編をお届け。楽しんで頂ければ嬉しいです!

 聖なる夜はサンタクロース達も大忙しだ。大人のサンタクロースは白い袋にたくさんのプレゼントを詰め込んで、子供達に配る大仕事が待っている。サンタクロース達の頭目を務めるギャルタスさんの元、たくさんのサンタクロースが隊を組んで集まっていた。


 そんな中、見習いサンタクロースである桃子はお子様組の仲間十数人と一緒に赤いお洋服を着こんで白い雪を踏みしめながら大きなサンタクロース詰所にお手伝いにやってきていた。


 開きっぱなしの扉からひょこっと顔を覗かせて、中にぞろぞろ集まっているサンタクロースの背中に声をかける。


「こんばんはーっ、お子様サンタクロースです!」


「今年も手伝いに来てやったぞ」


「まったく感謝してちょうだい!」


「ははっ、いつもありがとな、助かるよ。お前達も今日はミニサンタクロースとして活躍してもらうから、今年も頼むぜ?」


 お子様組の仲間、ギルとミラがえへんっと胸を張ると、人の波間が割れてギャルタスさんがやってきた。子供達は赤い帽子越しに頭をわしわしと撫でられる。桃子も一緒に撫でてもらって、はにかんでいるとギャルタスさんの後ろから近づいてきた人物にひょいっと抱きかかえられた。


「サンタクロースの衣装がとてもよくお似合いですね」


「ありがとう、レリーナさん。一緒にお仕事が出来て嬉しいの」


「そんな、こちらこそ光栄です!」


 モモを抱きかかえて頬を染めているのは女性サンタクロースのレリーナさんだ。クールな顔立ちの美人さんなんだけど、なぜかお子様組の中で桃子にだけは敬語で出会った時からとても親切にしてもらっている。ありがたいよねぇ。その隣に立つのっそりした大きな男の人がジャックさん。無表情だと強面にも見えるけど表情が豊かだから、ちっとも怖くないんだよ。


「モモちゃん、元気かい? 今日はよろしくな。プレゼントを全部配り終えたらギャルタスさんがパーティを開いてくれるって話だよ」


「ほんとう? それじゃあ、ケーキも食べられるかなぁ?」


「フィナンさんが張り切って用意してたそうだから、きっとモモちゃんが好きなものもたくさんあるよ。パーティの為にも頑張って配ろうな!」


「うんっ」


 甘党のフェナンさんが用意してくれたのなら、味は大いに期待出来るだろう。美味しいケーキが待っていると思うだけで、桃子の中でやる気がメラメラと燃え上がる。これは頑張らなきゃね! ジャックさんに弾んだ声で返事をしていると、ギャルタスさんがよく通る声を張った。


「みんな、今日は年に一度の大イベントの日だ。手順はいつも通りに、子供達とその親に見られないようにプレゼントを届けてくれ。──それからディーカル! 今年はプレゼントを投げて渡すんじゃないぞ? いくら魔法がかかってるとはいえぶん投げて渡すってのはいささか風情にかける」


「へいへい、出発するぜ。オレ達には上等の酒を用意しといてくれや」


「待ってくださいよ、ディーカル隊長、帽子を忘れてるっス!」


「まったく落ち着きのない人だ。──では、僕達も出発しましょうか」


「はいっ、リキット隊長!」


 ディーとリキットが率いる筋肉サンタクロースが出発していくと、クールな美人サンタクロース、レリーナさんも準備が出来た様子だ。


「私は東地区のようですね。では、後ほどお会いしましょうね、モモちゃん。──行くわよ、みんな」


「レリーナ部隊出発します」


「よーし、オレ達も行くぞ!」


「おうっ!!」


 サンタクロースとプレゼントを乗せたソリがぞくぞくと駆けていく。ソリにつけられた魔法の鈴の根が星の煌めきのようにシャンシャンと鳴り響いた。


 桃子達がブンブンと手を振りながら見送ると、ソリはそれぞれ担当の国に飛んでいく。その姿がすっかり見えなくなると、今度はお子様組の番である。


 大人より二周り小さな大きさのリュックをギャルタスさんから渡されて、これまた小さなトナカイのソリに乗っていく。


「頼んだぞ、ミニサンタクロース」


「いってきまーす!」


 桃子達は大きな声で返事を返すと、心得たトナカイ達が駆け出した。ふわりと空中に浮いた感覚がして空が目の前に迫る。この瞬間が楽しくて、桃子はわくわくしながら空を飛ぶ。


 お子様組改め、ミニサンタクロース達は賢いトナカイ達が案内するままに空をかけていく。桃子は途中でギルとミラとは去年と同じ地域で担当のようだ。


「私はこの街の東みたい。二人とも、またパーティで会いましょう」


「うん、ミラ、また後でねぇ?」


 ミラがトカナイを手綱で上手に操り、華麗にターンを決めながら離れていくと、残ったギルがそっぽを向きながら聞いてくる。


「……お前、一人で大丈夫かよ? どうしてもって言うなら、オレが助けてやってもいいぞ」


「大丈夫! 私だって去年よりは成長したもん。去年と同じ地域だしね、迷わないよ」


「ふんっ、そうかよ。勝手にしろ、バーカ!」


「わっ、ひゃあああっ!?」


 ギルを安心させようと思ってにっこりしたら、なぜか怒らせちゃったみたい。乗ってるソリを蹴らえてしまった。それに驚いたのはトナカイだ。飛び跳ねるように走り出してしまう。急なスピードにぐんぐんギルが遠くなる。桃子はソリの手綱を放すまいと手にぎゅっと力を入れていた。




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