第3章 魔界 36話 暖かさ
遅くなりすいません。
本日はもう一話投稿する予定です。
ゼンは再び調合を開始した。
今回の鬼門である仙王米を終了し最終局面へと移行していた。
「ガレオさん、マッドピラエルってここらに生息していますか?」
「ん? マッドピラエルってあの魚のことか?」
マッドピラエルとは、鋭く数えきれないほどの牙を備えている魚であり、何て言っても特徴的なのが海などの水の中に生息しているのではなく、陸地に上がって生息している。さらに面白いことに、魚のくせに海を泳ぐことができないモンスターである。なぜこうなってしまったのか、未だに謎である。
「そうです」
「あー、確か『下界』にいた気がするな!」
魔界には『上界』と『下界』の2地域に区分されている。
今現在ゼンたちがいるこの街が『上界』。恐ろしいモンスターが巣食う場所が『下界』である。
そして『下界』が恐ろしいとされている大まかな原因は、モンスターのスケールだ。
人間界にいるモンスターとは同種のモンスターばかりであるが、その大きさと強さが人間界と魔界では格段に違うのだ。
人間界でDランクのモンスターでも、魔界ではBランクほどの強さになってしまいます。なぜ環境が違うだけでこうも違うのかは未だに分かっていない状況である。
だからこそ、素材が欲しいからなどの理由で迂闊に『下界』には入れないのが現状である。
「その血が必要なんです」
「分かった!! では、行ってくるぞ!!!」
いつも通り元気よく外出————お買い物をした。
「では、その間に俺たちは調合の続きを行いましょう」
「分かりました」
ダンはゼンの指示に従い、着々と調合を進めていく。ガレオが買い物に行って半日が経った頃、ガレオは大きい声とともに帰宅した。
「ただいまー!! いやぁー、臭かった!! がははははははッ!!」
そこには血まみれで何が何だかわからない状態のガレオがいた。マッドピラエルの血は悪臭で有名である。
「すいません.......面倒なことを頼んでしまって」
「いんや、気にするこたぁないぜ!!」
血を拭きながら、ガレオはゼンに投げかけた。
「俺様が手伝えることはまだあるか??」
「いえ、大丈夫です。本当にありがとうございます.......」
ふらつく体をぐっと堪えながらゼンはガレオに頭を下げた。
「おいおいおい! 感謝する方は俺様たちのほうだぜ!! なぁ? ダン!!!」
ガレオの声の声量に呼応するかのようにダンが言葉を吐き出す。
「ゼンさんには感謝しかありません.......だからこそ、こういう形でしか恩返しができません」
そう言いながら、ダンは巨大なフラスコをかき混ぜていた。
ゼンは知らなかった。
魔族がこんなにも暖かい存在であるということを。
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