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都市開発スキルで楽々異世界街作り!  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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どうするか 54

「……って、悩むところじゃないよなぁ」


 そう呟き、苦笑する。まずは、ザガン族との約束だ。さらに半月も経てば、恐らく他のこともできるようになるはずだ。だから、一番にすべきことはザガン族の村のドラゴン対策である。


「そうと決まったら、他にやるべきことを済ませておこうかな」


 決めたからには行動あるのみである。後数日したら村からでて森に向かわねばならない。その際、なんとか信頼できる冒険者に護衛を依頼する必要がある。


 そう判断し、まずは帰路の為の準備をすることにした。


 冒険者ギルドに顔を出すと、ニナとギルド長が揃ってこちらに顔を向ける。


「あ、ソータさん!」


「お、おお! 生きていたか……!」


 二人は何故か大袈裟な喜び方で笑顔になった。いや、生きていたかってのはどういうことだ。


「なんでですか。別にまだ依頼も受けてないでしょ?」


 眉根を寄せてそう答えると、ニナが困ったように笑った。


「そ、そうなんですけど、ソータさんが金貨を持っているのも知られていますし……」


「そうだぞ。それに、貸した倉庫も何故か錠が無かったみたいで放置されてるし……」


 と、二人が答える。ああ、なるほど。確かに、倉庫の内側から鍵をかけているから、外側には何もないように見えるのか。律儀に貸し出し中だからということで開けようとはしなかったようだ。


 どう答えたものかと思ったが、変に考え過ぎると怪しまれると思って適当な返事をしておいた。


「あ、倉庫に住んでるんで、鍵は内側に移動しました」


 そう答えると、ニナとギルド長はハッとした顔になり、視線を逸らせる。


「そ、そうなん、ですね……」


「い、いや、最初は、誰でもそんなものだ……いつか、自分の稼ぎで、宿にも泊まれるように……」


 とても気まずい空気になってしまった。


「……意外と快適ですからね?」


「え? 窓もない、あんな小さな倉庫なのに……?」


「ニナ、お前バカ……っ! ソータが快適だというなら良いじゃないか! なんて残酷な奴なんだ……!」


「あ、ご、ごめんなさい!」


 二人に物凄く同情されている気配がする。いや、しかし、それを否定しても理由を説明しにくいではないか。仕方なく、超貧乏な新人ということでいくことにした。


「まぁ、良いですよ。それで、今日は炎剣の皆さんがいつ帰ってくるか聞こうと思ってきたんですけど……」


 そう告げると、二人は助かったと言わんばかりに話に食いついてきた。


「お、おお! 炎剣か!」


「恐らくですが、後十五日もすれば帰ってくると思いますよ!」


「は、半月? 長いなぁ……」


 レフター達の帰ってくるまでの日数を聞き、愕然とする。駄目だ、レフター達は当てにできない。


 どうしたものかと思っていると、ニナが心配そうにこちらを見上げる。


「何か、お困りごとですか? 村の中でできる依頼もありますが……」


 そう言われて、いやいやと片手を左右に振って答える。


「大丈夫です。ちょっと試しに村のすぐ外へ出てみようかと思って……」


 そう答えると、ギルド長が真剣な顔で頷いた。


「そうか。それは大事なことだな。いいか。まずは百メートル行って帰ってこい。次は百五十メートルだ。少しずつ、距離を伸ばしていけよ? あ、そうだ。俺の剣と盾を貸してやるから、それでまずは兎を狩ってみろ。兎も馬鹿にできないぞ? あいつらは足が速いからな」


「えっと……あ、ありがとう、ございます?」


 もしかして馬鹿にされていないだろうか。心配になりながらも、ギルド長から剣と盾を受け取る。物凄く使い込まれた剣と盾だ。剣は両刃の直剣で、盾は丸くて顔くらいの大きさだった。鉄製らしく、かなり重い。


「練習用だから、返すのはいつでも良いぞ」


「了解です」


 まぁ、無料で借りられるなら素直に借りておこう。そう思い、ギルド長に返事をした。ニナとギルド長に手を振りながら建物から出て、言われた通りに村の外へ試しに出てみる。


「お、ソータだったか。どこかへ行くのか?」


 村の出入り口には前回会った人と同じ門番が立っていた。声を掛けられたので、盾を掲げながら頷く。


「ちょっと試しに兎を狩ってみようかと」


「おお、それなら少し西側に行ったところが良いぞ。死の森に近くなるが、それでも大きな魔獣が出た時はすぐに分かるしな」


「ありがとうございます」


 思わぬところで有益な情報を得た。まさか、初の兎狩り成功の兆しか。


 そんなことを思いながら村から出て、言われた通りに西側へ向かってみる。しかし、パッと見では兎のうの字も見当たらない。街道にも人影一つないし、不思議な気配だ。


 街道の上を歩いていけば大丈夫かと思い、気が付けば数百メートルは進んでいた。気になったので、剣を地面に突き刺してからタブレットを取り出す。地図では村からそれほど離れていないが、実際に目視すると結構遠い。地図上では五百メートルも離れていないが、これほど遠くに感じるとは思わなかった。


 まぁ、走ればすぐに帰れるし。


 そう思って更に西側を見たその時、遠くで悲鳴が聞こえた。


「……森の方から?」


 その悲鳴は、確かに森の方から聞こえた。街道からは外れるが……。

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