表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
都市開発スキルで楽々異世界街作り!  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/54

物資の購入準備 51

「それじゃあ、俺たちはもう次の依頼があるからな」


「気を付けてね」


「一人で村を出ようとしない方が良いぞ?」


 レフター達がそう言って村から出ようと馬車を動かし、それに片手を振って見送る。


「はい、ありがとうございました」


 改めて感謝の言葉を口にすると、レフター達は手を振りながら村から出て行った。向かう先はルカス王国という国らしい。元々依頼があったらしく、三人は一日のロスを取り戻すために強行軍で向かうとのこと。申し訳ない限りである。


 さて、これでこの村の知り合いは冒険者ギルドのギルド長とニナの二人だけになってしまった。


 あまり長居するつもりもないし、まずはこの村で過ごしやすくすることが先決である。そう思い、冒険者ギルドを訪ねることにした。


「……おはようございまーす」


 一人での訪問に緊張しつつ、挨拶をしながらの入場だ。しかし、冒険者ギルドは静かなものだった。


「あれ?」


 扉のところから驚きながら周りを見ていると、奥からニナが歩いてくる。


「あ、ソータさん。おはようございます」


「おはようございます。ところで、やけに静かですね?」


 そう尋ねると、ニナは苦笑しながらテーブル席を指差した。


「あの酔っ払いの人たちも、朝は流石に呑んでませんからね。今頃、宿かどこかで寝てると思いますよ」


「おお、流石にか」


 ニナの説明に苦笑しつつ頷く。すると、ニナはこちらの顔を見上げ、笑みを浮かべた。


「あ! 初めての依頼ですか?」


 とても嬉しそうにそう聞かれ、いやいやと首を左右に振る。


「今は依頼よりも先に欲しいものがあって……」


「え? 何でしょう?」


 首を傾げるニナ。それに頷いて、質問をした。


「月々の家賃が安い家……いや、倉庫とかってないですか?」


 そう尋ねると、ニナは不思議そうな顔をしつつ頷く。


「あ、そうですね……それなら、村の端にある倉庫を一つお貸ししましょう。ずっと誰も使っていないので、格安で貸せると……」


 ニナが笑顔でそんなことを言っていると、背後に背の高い何者かが現れた。ギルド長だ。


「ニナちゃ~ん……一応、規定ってのがあるんだから、使ってようが使っていなかろうが、値段は一律なんだよねぇ……?」


「ぎ、ギルド長……!」


 やたらとネットリとした言い方で注意に来たギルド長に、ニナが跳びあがるほど驚いた。そんなニナを一瞥してから、こちらへ視線を向けるギルド長。


「……新人が倉庫なんて何に使うんだ?」


 その質問に、苦笑しつつ答える。


「いやぁ、いつかは倉庫が埋まるほど魔獣討伐を頑張ろうと思って……あっはっはっは」


 冗談交じりにそんなことを言って誤魔化そうとすると、ギルド長が目を鋭く細めた。


「……倉庫が埋まるほどの、魔獣……?」


 そう呟いてから、顔を背けて視線を逸らす。


「……分かった。好きに使えよ。金もいらねぇ」


「え!? ギルド長、規定は!?」


 ギルド長の急な手のひら返しに、部下であるニナの方が驚愕する。いや、呆れた顔で責めるようにギルド長を見ている。対して、ギルド長は目尻を指で拭きながら、小さく何度か頷いた。


「……新人のFランクが、それだけやる気をみせてるんだ。倉庫の一つや二つ、安いもんさ。だが、無理だけはするなよ……強く、生きろ」


 ギルド長はそう言うと、「くっ」とかなんとか言いながらどこかへ行ってしまった。どうやら、魔力ゼロと言われても諦めずに、健気に強くなろうとしている新人だと思われたようだ。強く生きろは余計な一言だと思うが、こちらに都合の良い勘違いをしてくれているようなので、そのままにしておいた。


「……とりあえず、無料で倉庫を貸し出しできるようです」


 ニナが困ったように笑いつつ、値段の変更を伝えてきた。


「ありがたい限りですね」


「あはは……それじゃあ、場所をご案内します」


「お願いします」


 そんなやり取りをして、ニナに連れられて外へと出た。そして、出入口の方向へと向かった。村は塀で囲まれているが、かなり広い。出入り口から正面に伸びる大通りの左右には建物が多くあるが、その裏側にいくと疎らになるくらい土地が余っているのだ。そんな空いたスペースに、ボロボロの小屋があった。黒っぽい木の板を打ち付けて作ったような質素な作りだ。


「おお、それなりに大きいですね」


「はい。この村は昔から冒険者の方が多く来られるので、貸し倉庫もある程度大きな物が人気でした。今は常時受付をしている冒険者ギルドができたので、素材や装備を保管する人が減ったということもあり、貸し倉庫が余っている状態です」


「なるほど」


 ニナの説明に頷きつつ、倉庫の中を見ようと扉に手を伸ばす。しかし、扉には不思議な丸い飾りのようなものが付いていた。なんじゃこれと思って見ていると、隣にニナが来て手を伸ばした。


「施錠してるんですよ。今度から、鍵はソータさんが管理してくださいね」


「あ、これって鍵なんだ」


 そう口にする間に、ニナは慣れた様子で何かを丸い飾りに近付けた。すると、丸い飾りはほんのりと赤い光を放ち、ニナはそのまま扉を開ける。


 え? 今ので鍵が開いたの? ホテルのカードキーで開けるスマートロックみたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ