2-7 承認欲求という《甘い毒》との初遭遇(深度2ver)
■少年の灯はまだ柔らかい
深度2に降りてきた君へ。
深度2は《外界》と接触し始める場所だ。
家の中で守られていた灯が、初めて外へ出て、風に触れる段階だ。
比較の猛攻を凌いだ君に、優しく近づいてくる影がある。
それが承認欲求だ。
・褒められたい
・読まれたい
・感想がほしい
・評価されたい
甘くて、魅力的で、強く惹かれる。
だが、この風は、深度2の君には強すぎる毒風だ。
少年の灯はまだ小さく、揺らぎやすい。
外界の風は、君が思うよりずっと強い。
だから最初に伝えるべきは、たったひとつ。
承認欲求は悪ではないが、深度2では完全な毒だ。
君は悪くない。
ただ、灯がまだ細く、柔らかいだけだ。
まずはこの現実を受け入れてくれ。
■まとめ:深度2と3で伝える承認欲求への対処
この本では、承認欲求を深度別に扱う。
同じ毒でも、耐性のある時期とない時期がある。
だから、こう分ける。
深度2:少年へ
承認欲求は比較と同じ敵だ、身を守れ!
◎承認欲求は完全な毒
◎触れるな、混ぜるな、祈れ
◎灯の防御が中心
◎祈りに変換せよ(唯一の無毒化)
◎ウケなくていい、評価不要
◎承認欲求は外界から侵入する風と心得よ
深度3:大人へ
承認欲求を活用しつつ、灯は死守せよ!
◎承認欲求は使える
◎だが創作核に混ぜるな
◎主従関係を誤ると即死
◎自家中毒への対策が必要
◎承認欲求は《伝達技術》にのみ使う
ではここから先は、深度2の君に向けて語ろう。
■2 承認欲求の正体
承認欲求とは何か?
答えはシンプルだ。
外側の声が、内側に優しく入り込む現象。
※比較は痛い
・数字
・評価
・感想
・反応
・RT
・ランキング
・閲覧数
これらはすべて外界の波だ。
深度1では波は届かない。
深度2に入り、初めてその風が君を撫でる。
そして、君は揺らぎ始める。
問題は、その揺れの強さが《君が思うよりずっと強い》ということだ。
少年はまだ、自分の灯を支えきれない。
だから、外界の風を一度受けるだけで、灯は傾き、歪む。
■3 承認欲求が《灯に混ざる》と何が起きるか
――これは説明ではなく警告だよ
深度2で比較の次に、最も危険な現象はこれだ。
承認欲求が創作の《動機》に混ざること。
分かりやすく言えば、「書きたい」と「読まれたい」が混ざることだ。
混ざった瞬間、減衰はすぐには起きない。
しかし、確実に、内部から腐食が始まる。
理解できるように腐食の進み方を話そう。
1)「書きたいけど、ウケたい」
2)「(書きたいことよりも)読まれそうなネタを書く」
3)「キャラも、設定も、ジャンルも、読まれるために書く」
4)「あれ? これ書きたいものだっけ。でも、読まれるためだから仕方ない」
5)「読まれるために書いていたのに、読まれない」
6)「読まれないなら書く意味がない」
筆を折る。
心の中心に外の声を置いた瞬間、灯は腐り始め、いずれは芯が尽きて崩れる。
承認欲求に灯を汚染されれば、ほぼ全てがこのルートで筆を折る。
これは脅しではない。
大切なのはこれだけだ。
「灯を穢させるな!守れ!」
「読まれたい」は感じていいが、書くものは「書きたい」で書け!
■4 承認欲求は「書いた後」にだけ許される
――ルールはたった1つ
承認欲求を深度2で扱う唯一の方法だ。
『書いている最中』に入れるな。
『書き終わった後』だけ耳を傾けてもいい。
ここを守る限り、承認欲求は毒にならない。
書いている間に入り込めば、灯は完全に主導権を奪われる。
書くとき:君の想い(内側)
出した後:読まれたらいいな(外側)
この順序こそ、灯を守る唯一の道だ。
■5 少年は承認欲求に勝てない
――これは弱さではなく、心の構造そのものだ
深度2の子は、承認欲求に勝てない。
それは未熟だからではない。
《自我》がまだ確立していないからだ。
深度2ではこうなる。
外界の変動=心の変動
・他人の成功が刺さる
・数字が揺らす
・褒められなければ不安
外部が即内部に影響する。
これは心の《構造》であって、責めるべき点ではない。
泳げない子にいきなり海を渡らせるようなものだ。
だから深度2では──
戦うな。
逃げろ。
距離を置け。
これが最も強い戦い方だ。
■6 承認欲求は《祈り》に変換すると無害化する
――これは深度2の唯一の武器だ
承認欲求を完全に消す必要はない。
人間は本来、誰かに届いてほしい生き物だ。
深度2で安全に扱う方法は、祈りへの変換だけだ。
書くとき:私はこれを書きたい(灯)
出した後:誰かに届くといいな(祈り)
届かない:まぁ、そういう日もある
祈りは外界に依存せず、灯を傷つけない。
承認欲求と似ているようで、本質はまったく違う。
承認欲求:外の声に従って、自分が動く(「書きたい」を捨てる)
祈り:自分の声を外に送るだけ(「書きたい」を捨てずに、未来を願う)
「書きたい」に影響しないのだ
祈りは灯を守り、育てる。
■7 深度2の唯一の任務
――物語を書く前に、思い出してくれ
深度2の使命はひとつ。
外界の毒や痛みから、《灯を守れ》。
ウケる必要はない。
数字はいらない。
評価も不要だ。
質すらも後でいい。
深度2の本分は、《書ける状態》で生き残ること。
ここで灯を守り抜ける者だけが、深度3へ進める。
深度2は《書きたいを抱えて走る場所》だ。
外界と戦うのはまだ早い。




