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禍根の封印  作者: 尋道あさな
第三幕
52/71

【開幕】

第三幕です。よろしくお願いします。

 

 爪だ。黒く、煙を放つ、爪。


 隻弥の身体ほどの大きな爪。



「う、そ……」



 真っ黒な爪が隻弥を刺す。


 脳天から、地面にまで。


 隻弥の身体を貫いた爪は、ぐりぐりと左右に動いた。



「や、いや、ねぇ、なにこれ、ねぇっ!」



 ぐちゅ、と肉を抉る音が響く。

 距離は離れているのに鮮明に耳元で響く。


 隻弥の身体が崩れる。

 バラバラになっていく。

 破壊されて、いく。



 声にならない叫びが溢れた。



「んー……例えば、最愛の人間が自分のせいで死ぬ、とかな。家族が殺される、恋人が殺される、友人が殺される。それくらいならまだ可愛いもんだが、場合によっては自分が殺しちまうこともある」



「ただ、帰ってくるだけで良い。俺のところに帰ってこい」



 数珠が鳴る。


 じゃらり、じゃらり。


 隻弥の手が左右にゆっくりと動く度、数珠が重たい音を奏でた。




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