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邪悪ヤンデレ厄災系ペットオメガスライム  作者: maricaみかん
6章 ユーリとアクアの世界

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if ミーナとの未来

 ぼくはとある依頼の中で、ミアさんという人型モンスターと出会った。

 ミアさんは契約者にとてもひどい態度を取られていて。

 そして、ミアさんは契約者を殺してしまった。


 ミアさんはこの世界に生きていく場所などないと諦めているようで。

 だから、必死に説得したんだ。

 それが功を奏して、ミアさんは生きることを決意してくれた。


 それから、カーレルの街へとミアさんを連れて行って。

 サーシャさんにこれからミアさんをどうするかを相談した。

 結果として、オーバースカイで彼女を預かることになったんだ。


 ミアさんはユーリヤと契約して。

 ユーリヤは身体強化の力を手に入れた。

 これから、新しいオーバースカイへと変化するのだと予感して。

 だから、ぼくはとてもワクワクしていた。


 それからも、新しい出会いもありながら。

 ぼくにとってとても大きな再会が待っていた。

 それは、ミーナたちがカーレルの街へとやってきたこと。

 つまり、またミーナと競い合うことができるってことだから。


「ユーリ、今日は移動の疲れがあるけれど、明日空いているのなら、戦ってみないか?」


 ミーナにそう誘われて、ぼくは当然のように受けた。

 ぼくだって、ミーナとはまた戦いたいと思っていたから。

 エンブラの街でも、王都でもぼくは勝つことができた。

 だけど、偶然にも助けられた結果だから。

 だから、きっとこれから何度も戦っていくうちに負けることもあるだろう。

 その時は悔しいだろうけれど、でも、きっと楽しい時間のはず。


 そして次の日、ミーナと戦う時間がやってきた。


「僕は今日この日をずっと楽しみにしていた。王都で君に負けた日からずっと。ユーリ、今日は勝たせてもらうよ」


「坊やもミーナも頑張ってね。アタシを熱くさせてちょうだい」


「ぼくもミーナと戦えて嬉しいよ。でも、ぼくが勝つから」


 お互いに構えて、ヴァネアの合図で駆け寄る。

 そのまま数合打ち合い、どちらも契約技を使わないまま剣技を確かめていく。

 ぼくも成長したつもりでいたけれど、ミーナも腕を上げている。

 やはりまだ剣技だけでは勝てない。その事実が悔しくも嬉しい。

 ぼくのライバルとして、目標でいてくれるってことだから。


「ふふ、強くなったね、ユーリ。でも、まだまだこれからさ!」


 ミーナは契約技を駆使してより鋭い動きになる。

 合わせてぼくもアクア水を身にまとって動きの補助を。

 これまでよりも数段早い撃ち合いをするが、やはり剣だけではダメだ。

 そこで、水刃を使ってミーナの動きを邪魔していく。

 ミーナを直接狙ったり、ミーナの剣に当てて剣筋をずらしてみたり。


 以前よりずっとお互いの実力は上がっていると感じて。

 でも、今回もぼくの勝ちだった。

 ただ、本当に紙一重の勝利だったと思う。

 とても大きい満足感があって、最高の気分だと言えた。


「また負けてしまったね。でも、ユーリに勝つ道筋は見つかったよ」


「なら、つぎは負けるかもね。でも、負けないように頑張るから」


「うん、全力で来てくれ。最高の君を打ち破ってこそ、僕は本当の意味で君のライバルになれるから」


 ミーナはすでに最高のライバルだと思うけれど。

 でも、ミーナが納得していないのなら仕方ない。

 もちろんわざと負けるつもりはないとはいえ、ぼくたちは互角だ。

 だから、そのうちきっとぼくが負けて、ミーナが納得できる日が来るのだろう。


「ミーナも坊やも楽しそうで何よりだわ。こんな光景を見れて、嬉しい限りだわ」


「これからも何度だって見られると思うよ。ね、ミーナ」


「そうだね。君とはずっとライバルで居たいからね」


 実際にぼくの言葉通り、何度も何度もミーナと戦うことになる。

 次の日にはすぐに負けてしまって。とても悔しくて。

 でも、ミーナはとても満足そうにしていたから、つい嬉しくなって。

 とはいえ、次は絶対に勝つと決意をしていたのだけど。


「今回は僕の勝ちだ。とはいえ、今回も紙一重だった。やっぱり、僕たちは最高のライバルだよ」


「そう思うよ。ミーナと戦う時間は最高に楽しいからね。もっともっと、ずっと戦っていたいくらい」


「ミーナも坊やも良いライバル関係で、羨ましいわ。アタシも、そんな存在に出会いたくなっちゃったわ」


 ミーナやヴァネアの言う通り、ぼくたちは最高の関係だと言えると思う。

 エンブラの街で、王都で、ミーナと出会えて良かった。

 間違いなく偶然に支えられた出会いだけれど、だからこそ大事にしたい。

 ぼくは競い合う楽しみをミーナのおかげで知ることができたから。

 ミーナにもヴァネアにもとても感謝しているんだ。


 それからも、何度も何度もぼくたちは戦って。

 勝ったり負けたりを繰り返しつつ、お互いに成長していった。

 いつしかミーナたちもオーバースカイに加入してくれることになり、冒険者としての生活も楽しくなったんだ。


 そして、そんな毎日を過ごす中のある日。

 ミーナから告げられた言葉があった。


「ねえ、ユーリ。僕たちの相性は最高だと思わない? だから、別の関係になったとしても、うまくやっていけると思うんだ」


「ぼくたちはライバルで仲間。別の関係ってあまり想像できないな」


「ユーリはそういう所は鈍いんだね。モンスターの行動も、僕の動きも鋭く読んでくるのに。……こういうことだよ」


 そのままミーナに抱きしめられて、勢いよくキスをされる。

 痛いんじゃないかと思っていたけど、案外大丈夫だった。

 ミーナにキスされたことで、ミーナの意図はハッキリと分かった。

 ぼくとしては、ミーナとならうまくやっていけるという言葉には同意できる。

 だから、ミーナと付き合うことに決めたんだ。


「うん。ミーナとそういう関係になるのなら、きっと幸せだと思う。だから、よろしくね」


「ああ、嬉しいよ。僕たちならば、きっと誰よりも幸せになれるだろうさ」


 ぼくたちの関係をヴァネアも祝福してくれて。

 アクアもなんだか嬉しそうだったから、受け入れられていると感じられた。


 それからは、ミーナとずっと仲良く過ごして。

 アクアとヴァネアも仲良くなってくれているようで。

 だから、とても幸せな日々だった。






 アクアはミーナとユーリが競い合う日々をとても楽しんでいた。

 だから、その2人が付き合うことになったとしても、素直に受け入れることができた。

 ミーナも契約者として、契約モンスターの大切さは知っていて。

 だから、ヴァネアともどもアクアは大切な存在として扱われて。


 そんな日々を過ごすうちに、ミーナとユーリの関係はどんどん深まっているようで。

 2人にはいずれ子供もできるだろう。だから、その子供を可愛がることも楽しみだ。

 アクアは幸せな未来を想像しながら、大切なユーリたちとの日々を楽しんでいた。

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