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召喚ボッチは、サクッと強くなって、サクッと魔王を倒して、速攻家に帰りたい!~クラスみんなで魔王を倒す? そんな修学旅行&体育祭みたいな地獄のイベント、無理無理無理!~  作者: 優木凛々
第4章 ボッチ、最大のピンチを迎える

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(閑話)無駄に目立ちたくないボッチ vs 教官たちの会話


初のフィールドワーク終了した、その日の夜。

ランプの光の下、6人の引率教官たちが集まっていた。


教官の1人である髭の騎士が口を開いた。



「まず、それぞれ担当したパーティの報告をしてもらおうか」



体格の良い騎士がため息をついた。



「うちは暗殺者アサシンの本能寺がハチの巣を踏んで散々だったな」

「大変だったらしいな」

「結局どこにいたんだ?」



リリアが苦笑した。



「木のてっぺんで泣いていたわ。顔がパンパンに腫れていて、さすがのパーティーメンバーも何も言えなくなっていたわね」

「あいつはすぐに調子に乗るから、厳しく言わないとダメだな」

「そうだな」



その後、他のチームの報告が始まった。



「うちは落ち着いていたな。聖騎士の吉田涼ヨシダがリーダーシップを発揮して、パーティを上手くまとめていた感じだ」

「重騎士の権田剛ゴンダは、少々強引だが、皆を守ろうという気概が人一倍強いと感じた」

「うちは全員が協力しあっていた感じだな」



などと、チームの様子や、目立っていた生徒たちの名前が挙がる。

そして、リリアの番になると、彼女は得気に胸を張った。



「うちはみんな優秀だったわ」

「そういえば、そっちのチームは特に優秀な者が集まっていたな」

「ええ。近藤萌コンドウはリーダーシップに優れていたし、北川梨花キタガワも思い切りや良かったし、浅野結衣アサノも動じない精神力が光っていたわ。でも――」



リリアは考えるように言葉を切った後に続けた。



「やっぱり、一番はミナミダね。彼、駆け出しの冒険者パーティを助けたのよ」

「なんと!」

「しかも、グレイトベアを倒しちゃったのよ!」



他の教官が呆気にとられた顔をした。



「グレイトベアを? 何かの間違いじゃないか?」

「もちろん、もともとかなりやられてたってのもあるんだけど、木の多い森の中におびき出して、木の上から矢を放って仕留めたらしいのよ」

「なるほど、狩猟師としては最高の仕留め方だな」

「そうなのよ。凄いセンスだわ」



ちなみに、太一にはもちろんそんなつもりはなく、

「ちょっとカッコつけて連射とかしてたら、うっかり仕留めてしまい、死に損なった」

というが本当なのだが、そんなこと教官たちが知る由もなく、皆感心したような顔をする。



誰かがつぶやいた。


「そういえば、地下神殿に()()()()が出現したそうですね」

「この流れだと、ミナミダが()()を引き抜く可能性もあるかもしれませんな」

「いや、しかし、普通に考えれば、聖騎士の吉田涼ヨシダではないですか?」

「確かに。前回の召喚時は、聖騎士が抜いたそうですからね」



そんな話をする教官たちの横で、ランプの光がゆらゆら揺れる。



そして、報告を終えた6人は、また明日とそれぞれの場所へと戻っていった。




次回は、地下神殿に眠る”例のアレ”の話です

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